表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蝶の唄  作者: 糸繰 乃唄
1/5

 うれしはずかし初投稿です。

 実は童話を書くことが初めてなんですが、冬童話ということで丁度いっかなと思い投稿しました。

 むかしむかし、ある大きな丘の上に、とても立派なお城がありました。そのお城は色とりどりのお花にかこまれ、虫や動物に愛されていたので、愛の丘と呼ばれていました。

 そのお城の王さまはたいへんお優しく、お妃さまも笑顔のお美しい人で、国の民はみなこのおふたりを愛していました。

 そしてある日、お妃さまはひとりの赤子をお産みになられました。赤子は頬をばら色にそめた愛くるしい女の子でした。

 王さまとお妃さまはすぐに、民へ赤子をお披露目なさいました。民は王女の誕生だと、まことに喜びました。花は咲きほこり、動物はうれしさに歌を歌いました。

 こうして国は、あたたかな幸せにつつまれていきました。


 時は流れ、王女さまはたくさんの愛にかこまれて、すくすくと育っていきました。しかし、王女さまはあまりにも元気で、乳母のいうことも聞かずに木に登ったり、庭をかけ回ったりするお転婆娘になってしまいました。王さまとお妃さまはそんな娘が大好きで、いつもほほ笑みをうかべて共に戯れました。

 王女さまはときに城下に忍んできては、同じ年ごろの子ども達と遊んでいたもので、国の民は「暴れん坊の姫さまだ」「お猿の大将がくるぞ!」などといい楽しげに王女さまと遊ぶのでした。

 ところが王女さまの誕生日の日のことでした。みなに愛されていたお妃さまがお亡くなりになられたのです。

 王さまも王女さまも国の民も、花も動物もみな声をあげて泣きました。おお、お優しかったお妃さま! ああ、かわいそうな王さまと王女さま!

 王女さまはあまりの悲しみにたえられず、夜にお城を飛びだしてしまいました。王女さまはひとりぼっちで、丘のお花畑で泣きました。お母さま! お母さま! わたしをおいていかないで!! いつまでも泣き続けた王女さま。ついには夜が明けてしまいました。

「王女さま、どうしてそんなに泣いているの?」

 朝日に照らされて、ひとりの男の子がお花畑に立っていました。金色の髪をした、とてもとてもうるわしい男の子だったので、王女さまはぴたりと泣き止みました。

「あなたはだあれ?」

「わからない。けれど、ぼくは君を守るんだ」

男の子はそういうなり、にっこりと笑って王女をだきしめました。王女さまは、なんだか心が温かくなりうれしくなりました。

「ねえ騎士さま、わたしが呼んだら、かならず来てくださいね」

男の子は力強くうなずきました。

 こうしてふたりは恋をしたのでした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ