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現実恋愛状況  作者: 雛蜜
4/6

3,holidaymorning

苦情等は受け付けません。

今日は学校が休みだ。

思いっきり夜更かしした昨日、そして思いっきり寝坊した今日。

既に10時を過ぎている。お母さんに起こられるかも、なんて思ったがそんな心配は不要だった。お母さんは朝から出かけていた。お父さんもとっくに家を出ているし、妹もお母さんと一緒に出かけたのだろう。朝から元気な人達だなぁ…。

つまり、家には私しかいない。ペットの犬、ミントを除いては。

軽くのびをして、ゆっくりと階段を降りる。

居間にあるコタツのスイッチを入れてからキッチンへと向かう。コーヒーを丁寧にドリップする。いつもならインスタントだが今日の気分は違ってて、ちゃんとした淹れ方で淹れたモノが飲みたかった。

インスタントはやっぱりドリップ式で淹れたのよりもジャンキーな感じがする。ドリップ式の方がコクのあるしっかりとした味がして、違いは一目瞭然。ドリップ式で淹れたコーヒーに砂糖とミルクを入れて、居間に持って来た。コーヒーを置いてコタツに潜り込む。

のそのそとした動作でリモコンに手を伸ばし、テレビをつけるとバレンタイン特集をやっていた。可愛いチョコがたくさん並ぶ高級菓子のお店を人気アイドルが紹介している。ふと、想いが頭をよぎる。


――チョコ位なら、あげてもいい…か、な?


チョコをあげた位でこの関係が崩れるわけがない。ならばあげたって問題はないだろう。好きって言うわけではないのだから。何かしらの方法で気持ちを伝えれば、行き場をなくした気持ちも少しは楽になるかもしれない。


決めた。あげよう。


決意した後も私はのんびりと、チョコはやっぱり手作りがいいよなぁ。なんて考えていた。

材料の買い出し…いつ行こうかな。4日後はもうバレンタインだ。明日か明後日かに行かないと間に合わない。


そうだ。りーちゃんも誘おう。

明日じゃ急すぎるから明後日。

上機嫌でりーちゃんにメールを打った。

明後日、一緒にチョコの材料の買い出し行かない?りーちゃんの返事は勿論YESだった。


気がつくと結構な空腹状態だった。食パンをトースターにセットしに行く。今はこんな簡単な動作さえも面倒くさい。でも結局は空腹感に負けて、ふらふらとコタツから出た。

トースターがパンを焼いている最中、私は空を眺めていた。澄んだ青色の空には雲ひとつない。見ているだけで心地が良い。窓を開けて、また空を眺めた。サァッ…と風が通り過ぎ、目を閉じてそれを感じる。冷たい、清らかな風。私は無意識に意識を飛ばしそうになっていた。


…ガチャン!!!!


びくりと肩が上がった。ハッと飛ばしかけた意識を取り戻して後ろを振り返る。食パンが焼けたのだ。

「いちいち音が大きいんだもんなぁ…。」

不満を口からこぼしながらも焼けたパンに嬉しい顔をしてしまったのが自分で分かる。冷蔵庫からマーガリンといちごジャムを取り出してコタツへと移動。足が軽い事から自分の食への思いがなんとなく分かる。

コタツで足を伸ばし、トーストにマーガリンを塗り、ジャムを上からまた塗った。そして一口、かじり笑みを浮かべた。

甘い味に満足してトーストを頬張る。


〜♪


かすかに聞こえた着メロ。佐々木からではない。佐々木以外の人から。…誰だろう?大事なお食事タイムを邪魔され、足が重いまま携帯を取りに行く。

携帯のサブ画面を見ると受信メール一件。


「んー?は…しば…羽柴?」


羽柴は同じクラスだがあまり喋らない。相性が合わない…のか、話しても楽しくないし、喋ろうとも思わない。メアドは教えてあるからメールが来たっておかしくはないけど…。何だろう、とメールを開いてその内容に目を見開いてしまった。

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