序章 テレビの出演者の○○
序章 テレビの出演者の○○
この○○どもは、「認めない」と言えば自分が偉いと勘違いしている。
知らないことを知らないと言えず、理解しないことを誇りにし、
否定することで立場を守れると思い込んでいる。
画面の向こうでは、声だけが大きく、内容のない断定が飛び交っていた。
この煩かった時代を、私たちは毎日のように見させられていた。
見ている側は、テレビを壊したくなった。
だが壊せばこちらが「感情的な側」になる。
だから必死で我慢した。
壊したい衝動を抑えながら、「これは記録だ」と自分に言い聞かせて。
これは、彼らが何を壊していたのかの記録である。
第一章 伝統芸能を認めん○○
彼らは言った。
「時代遅れだ」「今の感覚に合わない」「若者に受けない」。
その言葉を口にするたび、
彼らは自分が“進んでいる側”に立ったつもりでいた。
だが、伝統芸能とは娯楽ではない。
それは失敗と成功、土地の記憶、
言葉にできなかった感情を身体に刻み込んだ知恵の塊だ。
理解できないものを切り捨て、
残った薄っぺらな流行だけを「文化」と呼ぶ。
その態度こそが、最も古く、最も愚かな思考だと、
彼らは最後まで理解しなかった。
第二章 地方の言語を認めん○○
「標準語で話せ」
「訛りがあると頭が悪く見える」
そんな言葉が、笑い話のように投げ捨てられた。
地方の言語は、情報伝達の道具ではない。
それは生活の速度であり、距離感であり、
誰に心を開き、誰に壁を作るかという社会の設計図だ。
それを「分かりにくい」の一言で排除する。
自分が理解できないものは、存在してはいけないと決めつける。
この○○どもは、
言葉が消えれば人も消えるということを、
最後まで想像しなかった。
第三章 地方の祭りを認めん○○
「無駄だ」「危険だ」「意味が分からない」。
祭りを、ただの騒音と混雑としてしか見なかった者たち。
彼らにとって、合理性は数値でしか測れなかった。
だが祭りとは、
共同体が一年に一度、
自分たちがまだ繋がっているかを確認する儀式だ。
誰が残り、誰が去り、
それでもこの土地で生きると決めた者たちの、
静かな覚悟の表明でもある。
それを切り捨てた結果、
何が残ったのか。
便利で、孤独で、壊れやすい日常だけだった。
第四章 地方の文化を認めん○○
文化を「非効率」と呼ぶ者は多い。
だが文化とは、効率を捨てても守ると決めたものの総体だ。
食べ方、挨拶、距離の取り方、沈黙の意味。
それらを一つずつ笑い、否定し、平準化した結果、
人は人である理由を失っていった。
この○○どもは、
「認めない」と言うことで
自分が上に立ったつもりでいた。
だが実際には、
世界を狭くし、浅くし、
最後には自分たちの居場所さえ削っていたのだ。




