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第3話 乗合馬車

指輪はおもったより高く売れた。わたしは目的地への切符を買えた。余ったお金で干し肉と焼き菓子と飲み物を買った。


出発まですぐだ。明日の朝の出発だと思ったけど、次の町で大きな荷物を積んでそれからが本格的な馬車の旅だと聞いて納得した。


それならとわたしはひさしぶりにエールを買った。飲んでいると出発の時間になった。


わたしがさよならの乾杯をしている間に馬車は王都をでた。




久しぶり、なおかつ空腹にエールはおいしくて気持ちよく酔っぱらえた。



眠っていたようだ。頭が痛い・・・・はっと辺りをみまわすといろいろな人と目が合った。



明るい?なんで?


「まだ夜にならないんですか?」と誰にともなく聞くと



「お嬢さん、酔っ払って馬車に泊まったんだよ。夜になって朝になったんだよ」


は?泊まった?


「泊まった?」と言いながら身を起こすと頭の痛みが増した。


「ほっほっほ昨日の午後王都を出て、最初の町で我々はホテルに泊まったが、お嬢さんは馬車に残ると主張されたので・・・・・」


「は?」


「まぁ見張りがいるので一人じゃないからいいやってことで・・・・・」


「ご迷惑を・・・・・」


「ポーション作りたい・・・飲みたい」と言いながらのろのろ起き上がると、座席に座り、マグカップに水を出すと飲み干した。


「お嬢さん薬師かい?」とおじさんに話しかけられた。


「うん、そうだけど」


「次の休憩地でポーション作らないかい?お昼を食べるから、どこかを借りて」


「材料がない」と答えると


「薬草を持ってるんだが、きちんと干してなくて・・・・このままだとただの枯れ草になるからポーションに出来るならお願いしたい」


「いいよお」


「頼む」とおじさんはちょっと頭を下げた。わたしも頭を下げたが、少し目が回った。



小さな洋服屋の台所を借りられたので、そこでポーションを作った。


詰める瓶は雑貨屋にあるというのでとりあえず二十本買ってきてもらった。



薬草はどれも半分枯れてて、泥がたくさんついてるのでいやだったけど、おじさんに頼んで、水洗いして貰って、水をいれた鍋にいれてかまどに置くと見守った。


薬草の種類が多いからわけてやるかなってつぶやくと聞こえたみたいで


「たくさん鍋があれば一度にいける?」って聞いてきたのでうなづいた。


すると出て行ったおじさんは鍋を五個かかえて戻ってきた。



わたしはそれぞれに水をいれて薬草を入れると今回は見守るだけではなくかまどの上で時々位置を変えながら見守った。



早く作り始めた物を火からおろした。鍋のそばに瓶を十個置いてもらった。


それから時間差で火から下ろすと、それぞれの鍋のそばに瓶を置いてもらった。十個のところもあれば十五個、なかには一つもある。



わたしは魔力を使って鍋から瓶へポーションを移して行った。


「これは傷薬。これは腰痛。これは喉というか咳止め。熱冷まし。二日酔い。あっ傷はやけども大丈夫」


「ギルドで鑑定してもらっていいかい?」


「もちろん、それと二日酔いの薬の鍋に残したのを貰っていい?」


「あぁどうぞ、どうぞ」



わたしはカップにいれたそれをぐいっと飲み干した。それからふーーーと大きな息を吐いた。


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