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第22話 王都の騒動 王太子目線

第二王子一派の動きが不穏になったと連絡が来た。毎度、毎度、こいつらは・・・・変わり映えしないのも飽きてきたから、ジルに頼っちゃおう。


だが、いいタイミングで行動してくれた。褒美をやりたいぐらいだ。おまけにジルフォードの母親マリールイーズの実家が一枚噛んでいるとか・・・・楽しすぎだろ。


ティーナはギルドが守ってくれているから安全だし、新しい薬をどんどん作っている。はっきり言って今、ジルフォードが迎えに行くのは国の利益に反する。どうやって止めようかと思っているところで、この騒ぎだよ。最高だよ。



公爵をやめてティーナを探しに行くというジルにこう言った。


「ジルフォード、落ち着けばわかることだよね、ちょっと言ってみてるだけだとわかっている。この町だってここに来る途中でも気づいていたと思うけど、フォグ侯爵とマレナ伯爵が協力してる。彼らは信頼できる。上の者として取るべき態度はわかっていると思う・・・・今からわたしは王太子のヘンリーだ」


「・・・わたしはジルフォード・レッド公爵」そう、どんなに卑怯な相手でも怯まず、屈せず、正攻法で勝利する男だ。



帰りはフォグ侯爵とマレナ伯爵が兵を同道してくれて隊列を組んで王都に戻った。



先ず、王宮に二人で戻った。王宮は静かだった。危険な魔物が近づいた森のようだ。小鳥も虫も、鳴りを潜めている。


だが、


「おや、ジルではないか。なんでも乱心して母親を乱暴に扱い、姉と妹にも暴力を振るったとマリールイーズから連絡があって仰天したぞ。事情を聞きたくも、おまえはいないし・・・・使用人たちも口を揃えてお前の非を訴えて来るよってに・・・・当主交代の要請をした所だ。新しい当主はフレデリックだ。我が息子ながら昔から、おまえが目立つように実力を隠しておってな・・・・遠慮せずに力を示せと息子可愛さで父は言うたもんじゃが・・・あいつは奥ゆかしくてな。だが、今回は当主となることに首を縦に振った。今、公爵邸に詰めておまえの後始末をしておる」


気に触る虫がでた。


「叔父上、お久しぶりです。そのような事態にしたんですね。母上の実家のハメル侯爵も足並みを揃えたんですか?」


「あぁハメルの所のなんて言ったか、おまえの従兄弟が憤慨していたぞ。マリールイーズが気の毒だと言ってな。伯母思いのいい子だ」



「クリフとパーシーは?」


「フレデリックと一緒に公爵家におる。兄弟仲がいいからな」


と似合いもしない鷹揚さでジルの叔父は答えると、ことさら驚いた表情を作り


「おや、王太子殿下、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。聞いてらっしゃったでしょう。今、公爵家は少々ごちゃごちゃしておりまして、王太子殿下にまで気が回りませんでした」


俺の護衛が緊張したが、軽く合図を送ってなだめた。


「当主交代の要請とは剣呑だな。フレデリックをレッド公爵家の当主とするとは・・・・ここにいるジルフォード以外は一族が賛成していると見ていいのかな?」


「一族どころか、マリールイーズの実家のハメル家を始めとしてですな。殿下も情勢を・・・・」


「わかった、情勢を見て賢く立ち回ろう」



こんなのを相手にするのは面白くないし、虫に触りたくないから、さっさと始末をつけよう。


先ずはハメル邸とレッド邸の出入り口を塞いだ。女どもがお茶会を開いていたようだが、ちょうどいいから纏めて封印してやった。



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