表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王命なんて・・・くそくらえですわ  作者: 朝山 みどり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/60

第13話 やけどでしょ ティーナ目線

馬車は同じような道を通り同じようなちいさな村に止まる。こういった村をみて驚いたのはハーブティが小袋になっていないことだ。


あのメバントタウンにティーバッグがあったのは運が良かったんだ。


でもこういう所はそこの家の人が栽培した香草を使って、薬草じゃなくて香草だ。どう区別しているのかわからないが、薬草事典に載っていない植物?香草の事を知ったのもお料理の本を読んだ事がきっかけだから・・・・香草が身体に良いと書いてあったので。体にいいなら薬になるよねって思っていたけど、王宮は材料使い放題だから、香草を使おうなんて思わなかったけど、あんの野郎に騙されて・・・・・まぁこの知識を使ってハーブティでポーションと言うかドリンクを作れたのは、ほんとに運が良かった。飢え死にしなくてすんだ・・・・



それでこんな小さな村で薬草というか香草の知識を得られるのは、あの野郎・・・・いんや・・・わたしの努力のお陰だ。


自家製のハーブティを少し買って話しているうちに出発の時間となった。おうちの人にさよならして乗り込んだ馬車はガタゴト走り出した。


今日はひさしぶりに大きな町で泊まれる。食料品屋で、ティーバッグのハーブティを買い込んだ。


これを見かけるとほっとする。ティバッグはわたしの命綱だった。




この町はとても賑やかな町で夜中も人の出入りで煩かった。


明け方、やっと、うとうとした頃、通りに人が出て来て大騒ぎをしている。


一体なんだとロビーに降りると、誰かが説明していた。


なんでも火を吐く魔物がでて、冒険者がそろって討伐に行ってなんとか仕留めたが、大やけどを負った人がどんどん運び込まれているというのだ。


火傷・・・・村で買ったハーブティに使われている草が効く。知らんふりは出来ない。


それでわたしはけが人がとこに運び込まれたか聞いていると、この宿にも五人ほど運び込まれた。


ざっとみると全体的に火傷をしているし、なんだか血まみれだ。煙を吸って喉も痛いようで、低く呻いている。


「わたしは薬師です。すぐに対処しますので、少し待っていて下さい」


そして宿の人に台所をかしてくれと言うと


「お嬢さん、台所で作った薬なんて・・」とか言っていると


「頼む、もうどこにも薬がないんだ・・・せめて痛み止めでも」と少し動ける冒険者たちがすがってきた。



「わかった、こちらへ」と案内されたわたしは鍋を用意してくれるよう頼むと自室に戻って買い溜めたハーブティを持って台所に言った。



火をつけて貰うと鍋に水を入れ、村で買った火傷に効く草が混ぜてあるハーブティ。痛み止めを混ぜてあるハーブティとあとはいつものティーバッグを入れると空いた鍋がなくなった。後でもう一度何種類か作ればいいかなと鍋を見守った。

初めて作るものは本当に丁寧に見守った。


できあがったので、出して貰ったカップに入れて運んで行った。


一番痛そうに見える人のそばに寄ってまだ熱いそれを喉に流し込んだ。


「まだ熱いんだろ」とそばに付き添っていた冒険者が言うから


「うん、熱いよ。出来立てだから」と答えた。


「だから熱いと火傷」と言っている間に焼けだだれた部分に新たに皮膚が出来ていく。


「熱くても治るでしょ。火傷の薬だから」と答えると



「そりゃ、そうだけど・・・・なんか・・・」とぶつぶつ言っている。


「完全にはまだ無理だから、もう一回飲んだほうがいいけど、明日になるかな。痛み止めも飲んでね」と言っておいた。


他の場所に運ばれた火傷の人の所へは、宿の人が鍋ごと持って行った。



誤字を教えていただきました。ありがとうございます(_ _)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
たしかに、飲む時にやけどをしても薬が効いたらまとめて治りますね! ワイルドだなぁ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ