3つの超能力(4)
もしナナの娘リンが眠っている時に瞬間移動したら、シロは書斎にいる角野教授に教えに行くために、書斎のドアは開けっぱなしになっている。
ところが、いつのまにかシロは眠ってしまい、目が覚め、焦り、隣の寝床を見ると。ナナの娘リンは、スヤスヤと眠っている。どうやら、瞬間移動はしていない様子で、卓上用のデジタル時計を見ると、午前6時30分を過ぎていた。
「リンちゃん、リンちゃん起きてよ、6時半過ぎてるよ!?」
いつもなら、午前6時過ぎに起きるはずのナナの娘リンは、目を覚まし、あくびを1つすると。
「えっ!? 6時半!? そうなの……!?」
「リンちゃん、ごめんなさい、私、寝ちゃったみたいで……」
「先輩、私言いましたよね、眠ってもいいって、だから謝らないでください」
「……」
「大丈夫、教授もソファーで寝てるよ!?」
「えっ!? そうなの!? なんでわかるの!?」
「私の耳は特別なの。それに、よくわかんないけど、教授の考えが見える!? そんな時があるのよね、よくわかんないけど……」
このあと、角野教授とシロと交代制でナナの娘リンを見張ることになっていたが、お互い寝ていたことを謝っていた。
角野教授は、もし瞬間移動したら、とにかく家に帰りたいと思えば、きっとここに戻って来るはず、あの書斎に、断言はできないが、と言っていた。
角野教授は、ある程度の料理はできるが、最近はコンビニの弁当が多くなり。朝食もコンビニの袋パンと野菜ジュースばかり。
3人は、リビングで朝食をすませると。角野教授とナナの娘リンは、リビングのソファーに並んで座り。ノートパソコンの画面を2人して見ている。
そこには、昨夜作成した、瞬間移動訓練のスケジュール表が表示され。そのあと、他の超能力の確認方法などが書かれ。シロは、その話を食い入るようにソファーの隣でちょこんと座り、聞いていた。
いよいよ、今日から瞬間移動訓練が始まる。しかし、先の見えない、瞬間移動を制御できるのか、できないのか、全くわからない世界。瞬間移動訓練のスケジュール表には、日程などなく。どやって瞬間移動訓練を行うのか、その方法だけが書かれていた。




