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猫の動物カウンセラー2  作者: K・Sメッセ
3姉妹は超能力者
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3姉妹は超能力者(2)

 長谷川の家族とナナたち家族は、自宅に帰ると。ナナは昼食後に、あの話をしなければならない。

 ナナとタマは、複雑な思いだが、いずれは話さないといけないこと。特に娘のリンは、そのことを望んでいる。しかし、よりによって1歳の誕生日会の日に、こんな桜が満開を迎えた日なのに、ナナの出生の秘密とタマの生い立ちを話さなければならないのか。


 ナナの出生の秘密は、ナナ自身は吹っ切れているようだが、あの事件のことを完全に忘れることはできない。

 タマの生い立ちのことは、タマ自身は、そんな昔のことはでうでもいいと思っている、決して忘れられない事実だが。


 昼食後、リビングの時計は午前1時を過ぎ。長谷川と長谷川の両親は、それぞれの部屋に行き。ナナたち家族だけをリビングに残し。桜の香りが薄らと漂い、心地いい風だけが吹き、辺りはわりと静かで。ナナたち家族は床にちょこんと座り。タマは、自分の生い立ちを話し始めた。


 タマは、床の間で眠りにつくと。飼い主は、タマを段ボールに入れ、公園に行き、タマを捨てた。

 タマは、雨音で目が覚め、吹き込む冷たい雨の中で呆然と立ち尽くし。段ボールから外に出ると。両親のような存在だった飼い主に、裏切られた現実に泣いた。人間不信となったタマは、人間に石を投げつけられ、足に傷を負い、心身ともに傷つき。たどり着いた場所が、長谷川の家の、あの犬小屋だった。

 その時、長谷川はタマの名前すら知らないのに、助けようとするが。人間不信となったタマは、長谷川の救いの手を振り払い、拒んでいる。それでも長谷川は、助けたい一心で助けてあげると言い続け。その助けたい想いが届いたのか、タマは泣いていた。そして、タマは、もう一度人間を信じてみようと思い、ここで暮らすことに決めた。


 3姉妹は、黙って聞き。ただ、人間には、いい人間とそうでない人間がいる。母顔からそう教わり、テレビやネットニュースでも知り、頭ではわかってはいたが、何も言えずにいた。そんな中、ナナは、自分の出生の秘密を話し始めた。


 ナナは、あいつら2人を信じていた、というよりも何も疑ってはいなかった。

 東京第一動物病院の元院長、原西の次男である原西徹は、ナナにとって父親のような存在だった。そして、ナナにいろんなことを教えてくれた伊藤さゆりは、母親のような存在だった。


 ナナは、原西の次男の手によって遺伝子操作で作られた猫。原西の次男は、兄を見返すため、父親を見返すため、非常に身勝手な想いでナナをこの世に誕生させ。5000匹の猫たちの尊い命を犠牲にした。


 ナナは、そのことを我が家だと思っていた場所で結果的に知り、この現実を受け止められず。ただ、現実を知った以上は、これ以上猫たちを、犠牲者を出す訳にはいかない。その想いがナナを奮い立て、あいつらの悪事の証拠を掴み、逃げ出すことに成功し。唯一、ナナの救いだったのは、ネットで見た鈴の笑顔と、「私、失敗しないので」という自信に満ち溢れていた言葉。


 ナナの向かった先は、木村動物病院。この人ならなんとかしてくれると思ったが。鈴の自宅の玄関先で倒れ、鈴が助けたが。一部記憶をなくし、逆行性健忘症と判断され。そのあと、欠落した記憶を取り戻し、あいつらを逮捕することができた。


 原西の次男は、逮捕後。素直に自供し、罪を認め。研究データはすべて消去し、ナナという猫は死んだ、俺の研究は失敗だと言っていた。5000匹を集めた帳簿と、その白骨死体は、山中で発見され。動物虐待が適用され、懲役5年と横領の罪等で、懲役8年の実刑判決が下され。他の連中も懲役刑となり、現在服役中。


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