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51.振り返り

「あー……明日、どんな顔をすれば……」


 あれ以上一緒にいると変な空気になるかなと、もう質問はないからと言って急いでレイモンドを部屋から追い出した。


 持ってきてもらった本をベッドの枕の横に積み上げつつ、うつ伏せで寝っ転がりながら、足をバタバタさせる。


「どうすんの、明日どう話すの、どんな顔するの……あー!」


 最後の「大好き」は余分だった……結構好きになっているって伝わってしまった気がする……。


 ま、考えても仕方がない。

 気を取り直して借りた本でも読もう。もうほとんど保育科に決めてしまっているけど。


 うん……色んな職業があるなぁ。戦うのは怖いからそっち系だけは避けるよね。

 まずは学科かな……学園の冊子を開こう。うーん、戦術学科は絶対嫌。応用魔術は総合的に学ぶ感じなんだ。総合だから戦術学も軽く入ってはくるのか……それも嫌だ。


 あ、レイモンドのお母さんが選んだって言ってた魔道具造形学科だ……けど、イマイチよく分からないな……あれ、参考として、そっち系の子供向けの本も混じっている。大人向けだと私が理解できないからかな。

 えっと……タイトルは『僕と私の便利魔法』……ううん、前の世界の折り紙とかあやとりの本みたいなノリだ。


 これはなんだろ……遊びながらできる魔法の上達方法? 友達と紙相撲で指の代わりに魔法の力で石をトントンする……トランプを空中で綺麗にシャッフルする……魔道具じゃないな、これは。


 こっちは……ふぅん……洗剤は鉱石から作っているんだ……それに水を足して綺麗な色をつけてゼリー化して潰すと綺麗な泡が発生して、楽しみながら洗い物ができてお母さんも嬉しい的な……いや、それでも楽しくないよね。あ〜でも、子供向けなのに文章が小難しい……。ゼリー化の魔法が肝だけど……材料も特定の他の鉱石の粉が必要みたい。


 他には……これはただの灯りかな。ものすごくシンプル。材料を置いておくだけだ。材料は魔導電磁リレーとガラス球……何それ……。

 え……魔石って魔獣を浄化しても入手できるの。大した力が宿っていないものは安価みたい。それを使った簡易な工作向けの魔導電磁リレーも普通にお店で買えるって書いてある。

 

 んーと……リレーに取り付けられた魔石がスイッチで、光魔法を使って自己保持回路を想像して作動させることで、魔石の力を使い切るまで側に置いてある物になんらかの動作をさせ続けることができる……らしい……。リレーとガラス球に見えない回路があることを想像しなければならない……ううん……。

 魔石に力を込めると大いなる存在に願いが伝わるものの、それだけでは灯りを維持できない。魔法誘導作用によって魔力の起動力が魔導コイルに発生することを意識して念じると……魔導リレーが動作し、その力は人の領域から離脱して……側にあるものに魔石から溜め込まれた魔力が流れ続ける……その関係性は脆弱で……術者の能力にも左右されることから……商品として売られている魔道具は魔導回路によって接続されている……。


 眠い!

 何も頭に入ってこない!


 もう寝よ……興味も湧かないし……誰かが開発した製品を買えばいいじゃんって思うよね。たかだか子供工作でも読むだけで疲れた……。他にも魔法環境資源研究学科とかあるけど、学科名だけで頭が痛くなる。


 とりあえず今は……消去法で魔導保育士課程を受けたい……かな……。


 すやぁ……。

 

 ――お昼寝もしたのに夜もあっという間に眠れたのは、成長期だからだと思う。

 

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