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やさぐれジョンとアンクルサム  作者: イエローモンキー
17/27

17

現在、俺は前線拠点北側のキャンプグワンにある竪穴式ログハウスにいる。中隊が規模に拡充してから1か月くらいだろうか。そんだけ経てばこの寂しかったグワン1号館も色々と充実するよなと一人思いに耽けたくなる。だって快適度がすこぶる上がったんだもの。

まず長方形のこのワンルームの家屋の床は粘土質の土が露出していたが、今は隙間の無い木のすのこみたいなのが最奥の調理場の手前まで引かれている。ついでに土禁になりました。やっぱ室内は靴脱ぎてぇよな、日本人にはやっぱこれよ。あとエルフ達にも好評だった。。ここで皆で雑魚寝して寝泊まりするから、それがやり易くなったのが嬉しいらしい、このまま室内は土足禁止の文化を奨めていかへん?

で、物も増えた。前に猟師シエラが狩った大熊アルウサスの毛皮絨毯の上に、会議用の足が低くて大きい木の長机を用意したんだ。それは我が森林猟兵中隊の幹部連が囲んでもまだ2、3人いけるサイズで、やっとこれで軍議っぽいことが出来る。それだけじゃない、エルフ組の木工職人の頑張り以外にもドワーフのブラッカス工房の作品ももちろんある。今長机の上のには、薄く青がかったガラスのショットグラスと装飾の細かい銀の水差しっていう食器類も乗っかってる。

ああ文明的なんじゃなぁ、ドワーフって結構細工職人よりなんだなぁって呑気な感想は今はいいかお仕事しなきゃ。なんでショットグラスなんだとか、ウィスキー入れたら丁度良いとかそういうのは一回頭から捨てよう。


「果実水です。さー」


めんこいマリアが水差しからお誕生日席の俺のグラスに飲み物をくれた、ありがたやー。

パッと見JKの金髪ボブに酌させるとか俺最低やんな。凄腕の擲弾猟兵様やぞ、コンパニオンじゃねぇぞ。とかいうのはめんどくさいか。そのまま、従卒よろしくねー。


「何を話したいのかしら。あんまり変わったことは起きてないわよ?」


俺の左前に座る副官シエラは今日も今日とて鈴を転ばすようにお話になった。

ただ若干声が硬い気がするな、何に引っかかってるやら。ブラッカスも呼んだことか、カルマン人に動きがないことか。まぁ諸々だろうけどよ。


「そうな、暇なのは良いことだな。でも暇なのは俺だけじゃないか?忙しいのはノリスさん、というかみんなして木工やってるじゃん。んでノリスさん、どんな感じになってます。良いのは出来ましたか」


シエラと俺は暇なんよ、ただ他は違う。装備の改造許可出したら皆していじり始めたわ。特にノリスがフォールに一度連絡業務に行った後から、自作ストック作りが流行ってる。ノリスがフォールの里から防腐塗料とか艶出しとか持って戻ったから猶更ハマってるんよな。増員組だってスプリングフィールドの習熟はそんな掛らなかったから皆して作ってる。


「私個人は1911のグリップの滑り止めを換えたぐらいだからなんてことないよ。他はそうだな、マリアのスプリングフィールドのストックが良さそうなのは見たぞ」


1911を少し弄ったのか。でもノリスは背がでかいからアメリカンサイズのまま使う感じね。俺にはデカいから羨ましいこった。

それとマリアのストックが良い出来なのか。どういう感じにしたのかね?多分純正より短くしたんだろうなくらいしか分からん。聞いてみるか、丁度飲み物差して周るの終わったみたいだし。


「マリア、曲銃床のままでサイズだけ短くしたの?やっぱり大分変る感じ?」


シエラから始まって俺、ノリス、ティルク、ブラッカス、ジルの飲み物を注いだ後に、シエラの横にちょこんと座ったマリアがアヒル口を開く。

目が爛漫として満足気や、出来に自信が見える。


「軽くなってハンドリングが良くなりました。さー。内容はストックとハンドガードを元より少し短く薄く作って、板目の白木に艶出しだけ塗りました。軽くなったのと木が少し撓るのとで射ちやすいです」


顔の動きがふんふんってご機嫌になってるとこ悪いが善し悪しが分からねぇ...

うーん、板目の白木って言われると野球のバットみたいだわ。良し、カルマン人がキャッチャーな、7.62㎜弾をちゃんと受け取ってくれよ。


「良い出来みたいね、自家製で気分が上がるならこれからもやってってな。ブラッカスの方はどうよ、ミニミって肉抜き出来そうだった?」


「強度が保てんから機関部以外に手を入れたわい。アルミだけじゃ弱いからのう、アルミとオリハルコンで合金作ってそれを肉抜きして色々交換したわ、大体18パルから16パルくらいになったから上々じゃろ」


ブラッカスは指で耳をほじくりながら余裕を返して来やがった。

ドワーフもファンタジー全開になって来たもんだ。その謎金属ってどうなんだかなぁ信用できんのか、量産できんのかそれ。で、まぁた訳分んねぇ単位だして来きおってからに。まさかそれポンドとかじゃないよな、俺はポンドもオンスもよう分からんからそれだと困るんだが。


「まぁ軽くなったんなら良いや。終わったミニミからバーリン組で使う3丁、コルディ組に2丁回しといてくれ。もひとつ頼んでた1911の方はどんな感じ?弄れそうか」


「ミニミで余ったのが出たかいの、片手間に1丁だけやってみたわい...ほらエルフ!現物持っとるじゃろうが」


ブラッカスが飲み物で一息つきつつシエラを顎で促す。ああ注文出したのシエラなん。確かにいっちゃん使いづらいそうだもんな、そりゃそうなるか。

シエラさんもそんな眉間に皺作ってないで出してよ、ホラホラ。


「...まぁジョン、こんな感じになったわ。グリップは細くなって良い感じね。下半分が軽くなったから撃った時の跳ね上がりが少し大きくなったけど、それは大したことないから概ね満足ね」


腰に吊るした牛革のホルスターから1911を抜いて机に出してきたから、俺はそれを手に取ってみた。

ええ...フレームから新造したの?黒いスチールから艶消しされた銀色ぽい感じになってフレームが変わってるわ。でグリップセイフティはオミットしてますねぇ。ほーん、良さそうやなこれ。

海兵隊工廠のMEUピストルはスライド交換でフレームそのままでやったけど、こっちはその逆か。いやぁドワーフ工廠のカスタムとか豪勢でいいですな。


「何が概ねじゃ、注文が多いんじゃ。親指のセーフティとマガジンリリースを左右に付けろとか最初の注文になかったじゃろうが」


アンビ化してんのかよ、片面しか見てなかったわ。オフィサーモデルのつもりだったけどこれじゃCQCとかスポーターモデルやな、使う気満々ですわこれ。

俺はどうっすかなぁ...このまま純正で持っておきたい気もするんだよな、サムから貰った1911は皆がイメージするガバメントそのままで美しいんだもんよ。アンクルサムの魂そのものだし、暫くこのままで良いか。


「射撃時のバランスが気になるならマガジンで何とかする手もあるぞ。7発サイズのマガジンから10発以上のサイズにすれば、弾が入ってるうちは重心が下がる」


ついでにハイキャパシティになるから戦闘力も上がるでしょ。二重に便利になって最高やん。拳銃ってのは胸に2、3発撃たなあかんからな。45口径でも油断はしちゃいけん。

でどうなの、出来そうなんか、頭の後ろに手をやったブラッカス工房長。


「ほー、ようそんなにポンポン思いつくのう。どうせスチールじゃしすぐ出来るからやってみるわい。じゃけどミニミと腕時計で暫く忙しいから、他は受けれんし材料が足りんことは言っておくぞ」


言うなり立ち上がるブラッカス。いつも通りにせっかちだな、まぁ仕事熱心で良いんだけど。

いやぁ良いっすねぇ。どの銃も最低限の互換性を残しつつオーダーメイドになっていく、贅沢な兵隊になって来たわ。


「全部手作業なんだろ?忙しいのに来てくれてありがとうな、ゆっくりでいいから頼んだわ。でティルク戦士長、バーリン組はどうですか」


俺はブラッカスを手でひらひら送りだしつつティルクを見た。左目はいつも通りに濁ってるが右目は穏やかそうで何よりだ。仕事与えたら生き生き働いてくれるようになったからな。藁だの蜘蛛の糸だのを掴む気概はうちの中隊に要らないのでそのままでいてくれ。


「かつての里の手前までは終了した。植生というか、奴らの手が入ったせいで変わった部分はあるが大きく見れば地形はそのままのようだ」


アルダンの学者エルフ、ジル翁が持ち込んだ地図の修正はまずまず順調のようでなにより。彼らの庭だし本領発揮って感じで素晴らしいわ。地図自体は簡素なのがあれだが。

その地図はまたしても等高線とかないのよ。でも昔使ってた道とか確認できればそれで良いか、土砂とか崖とか崩れて地形が変わってましたとかなければ当座は困らんだろう。


「哨戒ついでの確認でしたけど、やっぱりカルマン人とか全然見ない感じなんですか?」


「あまりいない、4人程度のパーティが稀にいたがその出どころは遠いな。一度半矢にして追跡したが、深入りになる恐れがでて途中で打ち切った」


渋い顔して唸りながら首を振っておられるティルク閣下。

いやぁどうしたんだろうな、やっぱり連中は逃げ足早いんだろうかね。中世レベルの人間に銃の脅威が正しく伝わらないってのがうちの共有事項だけどよ、これが間違ってたりするのかどうなんか。逃げられてんのかこれは。


「遠いですか...いやぁ林業と猟をやれたらそれで満足なんか連中は。ノリスさんはどう思います?このままが続くと俺は思わないんですけど」


大きな戦いっていや、俺とカルロの分隊の40人だか50人だかだろ。それと即席のノリスチームの50人だかで終わりだ。いつかの高位聖職者の捕虜が言ってたのは町二つから200人、大きい町から500人くらい動くって話だったはず。

純粋に数字が合わねぇなこれは。


「奴らからすれば短い期間で死人が出すぎたからな。森で何かが起こった、そしてそれは恐ろしいことだ、ってとこまでは考えるじゃないか?ただ喉元を過ぎれば戻るだろうと思う。...前に似たような状況を聞いた気がする」


年季の入った渋い顔に思慮を浮かべるノリス准尉、目線を伏せて顎の皮膚を指で挟んで引っ張って記憶を掘り返してもいる。

これ絶対昔の話だろ、それもすげぇ前だわ。あー、でも寿命300年とかいうエルフは記憶力もそれに相応しいのか?まっ聞いてみるか、案外最近かも知れない。


「いつまでかは分からなくても、戻るまでは平和そうな感じですかね。前例がありますか?」


「カリマン人が封じの魔晶石を持ち出す前の話だ。90年以上前だったか、バーリンの剣士から聞いたことがある。纏めて殺すと暫く退いて忘れた頃にやってくる、だったかな。どうだろうティルク戦士長」


准尉殿は素晴らしい記憶力の持ち主のようだ。そのすっきりしたらしい顔が羨ましいわ、俺の記憶力なんて昨日の晩飯も怪しいんだよ。

とまぁどうでも良いことは置いといてだ。隻眼ティルク閣下はどうも戦歴が豊かみたいだな、戦訓とかなんかない?振られたことだしなんか頂戴。


「当時はその様な戦況だったな、魔法に優位性があった頃の話になる。数に頼んだ王国軍を相手取っていた我々は勝利を重ね、そしてその勝利は暫くの平穏の呼び水になった。ただ今回は...」


厳つい顔で渋い顔すんな、何事かと思うじゃねぇかよ。そこで言葉を切られると、こっちは怖いじゃねぇかよ。

で王国軍ね、その頃は軍が来ていたのか。そりゃそうだ敵地だもんな、市民は来ないだろうよ。ただ今回の事例は市民な訳でどうなるかが引っかかってんだろうなぁこれ。俺には分からん、続けてどうぞ。


「義務や怨恨で決死兵になることはあれども、金銭目的や日々の営みの為にそうなるかは疑わしいな。故に市井の者は確実に減るであろうよ。そして、減ると困る者が別にいるではないかと考えるが」


喉の渇きを潤しながら戦士長の右目の冷たい眼光が光る。

にしても決死兵ねぇ。スプリングフィールドの自動小銃は奴らを決死兵にするのが、ティルクの中では確定事項らしいな。そん調子で士気をあげってってくれや。

で王国はエルフ奴隷の供給が止まり木材やら木炭やらジビエ肉やらも合わせて止まることになる。そりゃ困る奴がいるよな、俺にも分かるわ。

でも答え合わせしとくか。そこで髪を耳にかけたりしとる副官殿はどう思うよ。


「これは多分だけど森に深く入って来るのって腕利きだけなんでしょう?そいつらから死んでいる訳だから、これだけでも連中が鈍る理由になると思うんです。それでも尻を引っぱたいて市民を出すか、それ以外か。シエラはどう思うよ」


俺は国軍がもう来ると思うのよ。だからその為の準備をした訳でさ。そりゃサウスエルフが動員かけてくれたから出来たけど、元より小隊だけだったとしても陣地防御する気だったからね。

さぁオーダーをくれ。俺が始めたようなもんだが、それだとしてもエルフの戦争だからな。この亜人蔑視の百年戦争をどうしたい?麗しの副官殿。


「連中は来るでしょうね、それも面倒な軍が来る。クソ貴族がどう動員をかけたかは知らないけど少なめならそろそろかしら。で、ジョンはやるつもりなんでしょ?」


顎を引いて上目遣いしたシエラと目が合った。シニカルな笑みですねぇ、俺の方がクラクラしちゃうわ。

それと面倒つっても大したことないんじゃないの?逃げる奴より逃げれない奴の方が始末しやすいからな、纏めてサヨウナラする手段なんて腐るほどあるわ。


「勿論、最後まで助けるからな。ってことでグワンタナモ砦で王国軍に歓迎会を開いてやろうじゃん。取りあえず正面戦力とやり合うのなんて最後で十分なんで、色々と出し物をご覧頂いてからここに招待します」


さぁ何からやったもんかな。大軍を止めるのって色々事例があるからな、コッラー川とかパブロフの家とか。まぁそれは最後で良いんだけどさ。軍隊って官僚機構で胃袋だから、嫌がらせなんてクソほどある。

で俺の手持ちの兵隊は何人だ、フォール3個分隊にコルディ3個分隊、バーリン5個分隊か。


「その為にも一度王国軍を見てみたいですね。だからノリスさんとティルク戦士長、分隊の割り振りを変えましょう。夜番は2個分隊に一週間交代で専任させます。んで哨戒班は6個分隊に増やして毎日バラバラに捜索させましょう。そうしたら、シエラは何が最初に見つかると思う?」


手持ちの11個が2個減ってもう6個減って、残りは3個分隊になるか。でグワンタナモに残す3個分隊は即応待機と休暇を足して割った感じで良いや。

俺の予想が外れなければ輜重部隊だと思うんだよな、俺らが襲撃したベースキャンプは破却してる訳だし兵隊入れるとこがないだろ。...それで良いよな?異世界過ぎて自信ねぇわ。


「そうねぇ...偵察のパーティか物資を運ぶ馬匹かのどっちかでしょうね。賭けろって言うなら馬匹にかけるけど。どうする?すぐ始末するの」


良し、輜重科のシエラ副官と意見が合った。これで大外れってことはないだろう。

で本題の方はなぁ...ある程度引き込みたいんだよね、簡単に戻れるところでおっぱじめたら逃げられそうだしで面倒だ。それにこっちの襲撃の行き帰りが伸びるのも面倒なんよ、殺してやるからこっちに来いよって感じ。


「すぐに始末はしない。連中の活動圏が押され返された訳だからそれを戻しに来ると思うんだ。連中が必要とする物資が集まりだしてから、始末するなり強奪したい」


それが出来れば食い詰めた連中が物資を取り戻すしかなくなって決戦を強いられる訳になる。

ただ出来ればだがな...どうやって物資の移動させるかねぇ。連中の馬なり馬車なり使えれば良いんだけど、使えなかった場合の備えはどうしたもんか。

つうか馬しかないのか、俺乗れないと思うけどよ。バイク注文した方が良いのかこれ?


「そう。念のためにだけど、今まで奪った馬が、何頭だったかしら?がフォールにいるからグワンタナモに持ってこさせておくわ」


いつもの涼しい顔を崩さずにすっ惚けたわ。そんなんで大丈夫か輜重科。

そう言う俺も馬は忘れてたわ。そういや何頭か預けて...預けた扱いなのかは知らんけどフォールに送ってたね。

どうでも良いけど森で騎兵隊ってどうなんやろね。一応南西に行けば行くほど起伏は穏やかになる感じだしで、アルデンヌを戦車で通るくらいの難易度には感じる。


「そうね、あった方が助かるわ。纏めると対王国軍の方針は、敵の物資を片っ端から鹵獲してく形を目指します。取り返そうとしてきたら罠を張って始末、逃げ帰るでも獣の餌に。てな感じに引き込んで衰弱させる案でどうでしょう」


馬を用意するって言ったシエラは勿論、ノリスもティルクも良い感じっぽい。ティルクは頷き一つ返した後に目線が上に向いて考え出したし、ノリスも薄い笑み浮かべてくれたしで上々ね。


「...すまない、私が口を挟むことではないが。ないが簡単に勝てるなのかな?私は何度かバーリンが行った戦闘の記録をつけたことがある。1000から2000は動員してくるのではないかと予測するが如何かな?」


長机にあるお誕生日席に座る俺の対面、もう一つのお誕生日席に座るジルの翁が困惑しているらしい。

アルダンから来た70代ぐらいに見えるこの爺様はここまで発言していなかったが、沈黙を解きたくなるくらいには心配になったんかね。左目のモノクル越しでも分かるくらい目が丸いや。


「この森に1000人が入れる砦はありませんし作れないと思います。100や200ならどうとでもなるので、うまく選別して当たれば森から出ることはないと思いますよ」


大言壮語に聞こえるかもしれんけど信じてくれや。

だって近代的な軍隊やぞ。M14のセミオートモデル持った3個小隊がだよ、海兵隊が使ってたウィンチェスターM70を選抜射手に持たせた上にM79の擲弾まであるんだぜ。軽機関銃持った分隊もあるしでまず負けねぇよ。ベトナム戦争の歩兵火力くらいある精鋭猟兵にチャンバラで勝とうとかやめてくだち。


「そういうものかな...いやそうとも、狩り長ジョンドゥの御業に縋るとしよう。私に出来るのは精霊の子が助かるのを祈るだけだろうね」


まぁたそういうこと言う。精霊の子ってエルフってことで良いんだよな?含意が広そうなワードばっかいうから困ったもんだわ。でなに、精霊って森とかその辺の意味合いだったりするのかね。

考えてもしょうがねぇか。ジル翁もなんか書き物再開したし、まぁこの辺で軍議終了でいいや。


「まぁ助けられる子は助けますよ。最後にですけど、ノリスさんとティルク戦士長に分隊の割り当てはお任せするのでお願いします。これで問題なければ今日決めるのはここまでにしましょう」


さぁ哨戒に何か引っかかったらジョン中隊長の将校偵察だ。何が出てくるやらなぁ、あんましファンタジーなの来たら大変だ。用心していこう。

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