眠れない夜に
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羊は立ち上がり、羊の皮を脱いだ
そこには、スーツ姿の髭を生やしたアラフィフの中年男性がの姿が
「執事が1匹」
執事が柵を跳び越える
「執事が2匹」
執事が柵を跳び越える
「執事が3匹」
執事が柵を跳び越える
「執事が4匹」
執事が柵を跳び越える
「ちょっと待って!」
エリはまたしても羊をいや!いや今度は執事を数えるのを数えるのを辞める
「誰?今のおじさん?」
エリは昔の記憶をたどる
「確か今のは執事だったような気が?」
エリはあっさりと答える
「羊の正体が執事って安直過ぎない?」
バンは思ったことをストレートに言った
エリは布団にもぐった
18
「羊が1匹」
羊が飛んで柵を越える
「羊が2匹」
羊が飛んで柵を越える
「羊が3匹」
羊が飛んで柵を越える
「羊が4匹」
羊が飛んで柵を越える
「羊が5匹」
羊が飛んで柵を越える
「羊が6匹」
羊が飛んで柵を越える
「羊が7匹」
羊が飛んで柵を越える
「羊が8匹」
羊が飛んで柵を越える
「羊が9匹」
羊が飛んで柵を越える
「羊が10匹」
羊が飛んで柵を越える
19
「羊が!?」
羊が柵の隙間に挟まる
「羊が!?」
羊が柵の隙間に挟まる
「羊が!?」
羊が柵の隙間に挟まる
「羊が!?」
羊が柵の隙間に挟まる
「羊が!?」
羊が柵の隙間に挟まる
「羊が!?」
羊が柵の隙間に挟まる
「羊が!?」
羊が柵の隙間に挟まる
「羊が!?」
羊が柵の隙間に挟まる
「羊が!?」
羊が柵の隙間に挟まる
「羊が!?」
羊が柵の隙間に挟まる
「羊が!?」
「はあぁ~」
羊が柵の隙間に挟まる
さっきの執事が寝転がって、羊のぬいぐるみを柵に向かって投げる
羊のぬいぐるみは柵に届きすらしない
「よいっしょっと」
執事のおじ様は起き上がって、柵に向かう
柵に引っかかっている羊のぬいぐるみを引くも抜けない
押しても抜けない
羊のぬいぐるみは完全に柵に挟まって固定されている
「よっと」
執事は鋸を取りだす
ギコ!?ギイコ!?ギイィコ!?
ノコギリを取り出すと、柵を切り始めた
執事は羊のぬいぐるみを全て回収すると何処かに消えた
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「ふっふっふっ我が油断したな!我が消えたと思ったか!」
消えたはずの執事が戻ってきている
消えた執事は消えて直ぐに戻って来た
「集まれ!178匹の羊たちよ!」
178頭の羊が一つになり巨大化する
え?今までの全部つながってたの?
途中1匹の羊が何回も跳んだり、変な執事が出たりしたけど
「眠らない子は居メーえか!」
巨大化した羊は何故か包丁を取り出す
その姿はまさに、なまはげ
「いや!余計に寝れないから!」
エリがたまらず起き上がる
肥本バンも肥本桃も寝ている
エリは眠れない夜を過ごした
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翌朝
「今日は学校休みだから、町を案内したいけど良いかな」
肥本桃は、エリに街の案内を提案した
「うん、よろしくね」
エリは町の探索に乗りきだ
「それじゃあ、3人で出かけようか!?」
桃は肥本バン、桃、エリの3人で出かけようとした
「え?ボクも?」
肥本バンが疑問を返す
「当たり前じゃん?」
肥本桃が即答する
「ほら、もしかしたら忙しいとか、おもわない?」
肥本バンが質問する
「どうせ、暇でしょ?」
桃に完全論破されて、肥本バンは同行することにした
「んじゃあ、3人出て出かけますか」
肥本バンと肥本桃兄妹はエリを島案内に連れ出す
「この時間になるとこの辺りは、車が多いから気を付けて」
白鳥学園男子寮前は昼前になると交通量が一気に増える
「でもまぁ正面の道路は車少ないから」
肥本バンは、一足早く寮を出た
「へ?」
一足先に寮を出た肥本バンに向かって、暴走した車が迫って来る
「むにゃむにゃ」
車の運転手は眠っている
車のスピードは更に加速していく
車は1トン近くの重さがある軽自動車である
「ちょ!?」
肥本バンは、避ける間も無く軽自動車と衝突した
ドガ!?
肥本桃は目の前で兄が車に跳ね飛ばされるのを黙ってみてる事しか出来なかった
エリは、泊めてくれた、少年が車に跳ね飛ばされるのをぼうぜんと見る事しか出来なかった
車に跳ね飛ばされた肥本バンは、空中を舞う
宙高く跳ね飛ばされた肥本バンは、落下して地面にたたきつけられる
「い゛で”!?」
肥本バンは地面に倒れたままだ
「いたったった!?」
肥本バンは、フラフラしながらも起き上がる
は!?
肥本バンは、自分を跳ね飛ばした運転手の事を思い出した
「ヤバイ!早く止めないと!?」
肥本バンは、暴走した車を止めようとする
「それなら、私に任せて」
そう言うとエリは、暴走した車に向かって物凄い速さで走った
暴走した車は後少しで木と衝突する
暴走した車に追いついたエリは、車の後ろの下の部分を掴む
「んぎぎいぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?????????????????????????????????????」
ドガ!
暴走車は木と衝突したが、エリの活躍によって、車の被害は前が壊れただけにすんだ
肥本バンと桃兄妹は、エリが暴走車を止める場面を呆然と見ていた
「ただいま」
暴走車を止めたエリが肥本バンと桃の元に帰って来る
「おかえり」
まだ寮から出たばかりにもかかわらず、バンと桃は激しいい運動をした後の様に疲れてしまった
予定を変更して、島案内は後日に延期された
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「それじゃあ、私達は学校に行ってくるからエリさんは留守番よろしく」
肥本桃がエリにお留守番を頼むと肥本バンと桃の兄妹は学校へと向かった
肥本バンは高校へと向かい、肥本桃は小学校へと向かう
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「あれ?無い?」
肥本バンは教室に入ってすぐに体育服を忘れてることに気付いた
「ヤバ!1時間目、体育なのにどうしよう!」
肥本バンは悩む
「良し!取りに帰るか!」
肥本バンは体操服を取りに寮に戻ることにした
留守番をしている、居候に持ってこさせれば良いのに
しかし、基本的に馬鹿であるこの少年はその考えに至らなかった
(しかしとなると問題は時間だ!)
肥本バンは深く考え事をする
(朝の会まで時間が無い!)
1時間目以前の問題だった
(今取りに帰ると確実に遅刻してしまう)
少年にとって遅刻は死角問題である
(かといって、朝の会が終わってすぐに取り帰ったとしても今度は授業に遅れる)
この少年は基本的には、真面目である。
しかしそれ以上に馬鹿なのである
この少年が馬鹿なのは、コインランドリーの件でもよくわかるだろう
「はい、朝のホームルーム始めるぞ」
担任の馬鹿助兵衛先生が教室に入る
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朝のホームルームが終わり、1時間目が近づく
(どうしよう!このままじゃあ!)
肥本バンは追い詰められる
「お~い!バ~ン!」
廊下から少女が手を振る
肥本バンに手を振っている少女は、居候のエリだった
「どうしてこんな所に?」
幸い教室には誰もいない
「忘れ物とどけに来たけど?」
エリが手に握っているのは、体操服の入れ物だった
「もしかして、これをボクに届けに?」
肥本バンがエリに尋ねる
「うん!」
エリが頷く
「ありがとう、おかげで助かったよ」
肥本バンはエリにお礼を言う
「所で、昼は食うのある?」
肥本バンはエリに昼食について尋ねる
「うん、桃が弁当作ってくれてるから」
エリの昼ごはんの心配はなさそうだ
こうして無事に肥本バンは体育の授業に出れた
「肥本、お前、10分以上も遅刻してれぞ!」
もちろん授業には遅れたが
25
学校が終わり放課後
「ん?あれは?」
肥本バンは、一人の少女に目が留まる。
その少女は、大空梨沙である。
「やっぱり、幼馴染の梨沙ちゃんに、似てるんだよな」
なぜなら、幼なじみに似てるからである。
「それに、名字も同じだし」
それは、高確率でこの少女が幼なじみである。
「でも、梨沙ちゃんは本土の学校に引っ越ししたし」
それなら、幼なじみではないかもしれない。
「そう言えば、あの娘も本土から来たって言ってたな」
それなら、ほぼ間違いなく、幼なじみの少女である。
「とりあえず、声だけでも掛けてみるか」
バンは、速足で梨沙に近づく。
「おはよう!ボク達何処かで会ったことなかったけ?」
まるで、ナンパのような声掛けである。
「あ!」
肥本バンは道の段差に、思わず躓く。
「とっとと」
肥本バンは、大空梨沙の肩を借りて、何とか転ばずに済んだ
「ごめん!でもおかげて、助かったよ」
肥本バンは謝りながら、お礼を言う。
しかし、大空梨沙に返答はない
「いっいっいあヴぁヴぁヴぁヴぁヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴウヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴばばばっばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばっばばばばばばばっばばばばばばばばばばばばばばばばばばっばあばばばっばあばっばばあっばあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!????????????????????????????????????????????????」
大空梨沙は壊れたかの様に、奇声を繰り返す
大空梨沙は顔を真っ赤にして、涙目になっている
「ごっごめん!手を離すの忘れてた」
バンの手は未だに、大空梨沙の肩に乗っている
肥本バンは、大空梨沙の肩から、手を離す
が!時すでに遅し
「い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああ゛ああ゛あ゛あ゛あ゛あああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????」
かつてない程の絶叫が辺りに、鳴り響く
そして、少女は、今自分に触れている少年を涙目で睨み付ける。
ボグブ!?
大空梨沙の拳は肥本バンの顔面ヒットする。
「ボゲギャ!?」
肥本バンは、顔面を思いっ切り殴られて、倒れた。
「いいてって」
肥本バンは顔をさすりながらも、起き上がる。
「ごっごめん!?」
大空梨沙は、一言謝ると、一目散にこの場から去って行った。
まるで、突風のようである
「やっぱり、別人かな?」
まだ答えを出すのは早いかもしれない
それにしても、少し肩に触れただけで、あそこまで拒絶するとは
「もしかして、嫌われてる?」
肥本バンは、幼なじみかもしれない、少女に嫌われている事にショックを受ける
「いや!でもまだ嫌われてるとは限らないし」
あの拒絶の仕方は高確率で嫌われてると言えよう
「もしかしたら、驚いただけかもしれないしね」
肥本バンは、精一杯ポジティブを装う
26
翌朝
肥本バンは朝日に当てられて目が覚めた
「ん?」
何やら柔らかくて暖かい感触がある
肥本バンは布団の中を見る
エリが左隣りに寝ている
肥本バンはもう一度を閉じる
「気のせいだな」
肥本バンは先ほどの光景を見なかったことにした
「いやいやいやいや気のせいだよね!」
肥本バンはもう一度布団の中を確かめる
「すぅ~」
やはり、エリが寝ている
「疲れてるのか?」
肥本バンはもう一度目を閉じる
「三度目の正直だ!」
肥本バンはまたしても布団の中を確かめる
やはり、エリが寝ている
二度あることは三度ある
「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!???????????????????????????????????????????」
肥本バンはは悲鳴を上げた
「あ!おはよ、バン」
エリが起きる
エリは、下着姿だった
「ちょっとバン、朝からうるさい」
桃が肥本バンに注意する
桃の視界に下着姿で兄の布団に入っているエリの姿が映る
「私は、二度寝するからどうぞ!ごゆっくり」
桃は再び布団の中に入った
「誤解だ!」
肥本バンは妹に対して必死に誤解を解いた