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羊を数えよう


白鳥学園高等部男子寮

「ねえ?家出の理由って、色々めんどくさくなったからって、本当なの?」

バンはエリに、さっきほどの経緯けいいを尋ねる

「うん、本当だけど」

エリはあっさりと答える

「まあいいや」

バンはこれ以上深掘りするのを止めた

「ここがボクの家」

そうこうしているうちにバンとエリは部屋にたどり着いた

「見かけによらず意外と多きとこに住んでんのね」

エリはビルのような男子寮を見上げる

(なんか、今気になることを言われたような気がするが、気のせいだろ)

肥本バンは、考えないようにした

「はふぅ!?」

前を歩いていると、エリは自動ドアにぶつかってしまった。

「大丈夫?」

肥本バンは、エリを少し心配する

私が来たのに、開かないとか、このドア酷くない?」

エリは少しキレ気味に言う

「そりゃあ、部外者は入れないようにしてあるからね」

セキュリティーとして、当然のシステムである

「まあ!私が、部外者だなんて?失礼な!」

エリは、学生寮のセキュリティに文句を言う

「当然の結果だと思うんだが?」

肥本バンは、エリの文句もんくに軽くツッコミを入れる

「それで?私はどの部屋に泊まれば良いの?」

エリの質問に、肥本バンは、目を丸くした

何所どこに泊まるって、ボクの部屋だけど?」

肥本バンは、「当然でしょ?」って言う感じに返した

「まあ!こんなにたくさんの部屋があるのに!」

この少女は、一体何を言っているのだろうか?

「初対面のレディと同じ部屋だなんて!非常識にもほどがありますわ!」

口調くちょうが変わっているのは、気のせいだろうか?

いや、気のせいじゃないな

「言っておくけど、ボクはその一室に住ませてるだけだからね」

このままでは、変態扱いされかねない

「だから、好きに、出来る部屋は一室だけ」

肥本バンは、エリに説明をする

「ふう~んそう言う事」

エリは、たいして興味がないかのように聞き流していた

「って、全く聞いてないな」

肥本バンは、説明を止めた



いよいよ部屋の前にたどり着いた

「もしかして、貴方って、この家の使用人なの?」

エリが今更ながらに疑問も投げかけた

「いや、違うけど」

エリの質問に、肥本バンは、首をかしげる

「ふぅ~ん、そう」

エリは、これ以上の追求ついきゅうはしなかった

「ただいま」

肥本バンはドアを開けて、エリと共に部屋にはいる

「バン、お帰り」

妹の肥本桃が出迎える

「ん?バンそのひとは?」

肥本桃が、エリに気が付く

「これは、大変ご無礼を!今日からこの部屋でお世話になるエリと申します。」

あれ?何か今、聞き捨てならないセリフがあったような?

「ねえ!バン、そのお姉さんどうしたの?」

肥本桃が肥本バンに小声で話しかける

「行く当てがないらしいから、一時的に泊めようかなって」

肥本バンは軽く、桃に説明する

「そう言う事」

肥本桃は割とあっさり、納得なっとくして、承諾しょうだくした

もう少し、粘ってくれると思ったのだが

「エリさん?だっけ?こちらこそお世話になります。」

肥本桃が頭を下げて

「こちらこそよろしくお願いします」

エリが頭を下げる



「へえ~エリさんって、宇宙人なんですか!?」

エリが部屋に入ると、エリと桃の2人の女子会がはじまった

「まさか、地球にまで追ってがくると思わなくて」

話の内容は、エリが地球に来た経緯けいいだった

「え!そんなことが!」

エリの話に桃がおどろ

「桃、ちょっといいかな?」

バンが桃に声を掛ける

「何?」

桃は明らかに不満げに返事をする

「もしかして、あのが宇宙人って本当に信じてるの?」

バンは、桃があまりにもエリが宇宙人であることをあっさり流したので疑問ぎもんに思った

「え?だって、エリさんは宇宙人なんでしょ?」

桃が言ってることは何も間違っていない

「うん、まぁそうなんだけども」

肥本バンは言葉に詰まる

「用がないなら、モモ、戻るね」

肥本桃はエリとの女子会に戻った

「受け入れるの早すぎない?」

肥本バンは詰まっていた言葉をようやく言葉に出来た



「ふうぅ~いい湯だった」

バンと桃はエリを風呂に入れていた

「お風呂を貸していただきありがとうございます。」

エリは懇切丁寧こんせつていねいにお礼を言う

「良いよ!これくらい」

肥本バンが軽く返す

「エリさん!そろそろ晩ご飯が出来るからね」

テーブルの上には、3人分のから揚げとサラダが置いてある

「バン、これ持って行って」

エリはバンにご飯の入った茶碗を渡した

「うわああああああああ!?」

エリは目を輝かせて食事を見つめる

「どれも初めて見るのばかりだ!」

地球に来たばかりのエリが地球の食べ物を知らないのも無理はないだろう

「もし、苦手なのとかがあったら、遠慮なく言ってね」

桃はエリが少しでも遠慮えんりょしないように、前もって言った

「いただきます」

バン、桃、エリの3人は食事を始める

今日の晩御飯は、グラタンである

ジュウ!?

エリは不用心にグラタンの器に触れた

「キャ!」

エリは手を軽く火傷した

「だ!大丈夫?」

桃が心配して駆けつける

「大丈夫。ちょっと驚いただけ」

エリは軽く手を振る

「ごめん!グラタンの皿が熱い事伝えてなかった」

桃は自分の失態しったいあやま

「大丈夫、気にしないで」

エリは軽く笑みを浮かべる

エリはスプーンでグラタンの具をすくって口に入れる

!?

「これ!凄く美味しい!?」

一口、グラタンを口に入れると、グラタンがどんどんエリの口に入って来る

エリは目を輝かせて、グラタンを口に入れる

「気に入ってくれて良かった」

美味しそうに食べるエリを見て桃は凄く満足している



夜も遅くなり、肥本バン、桃、エリの3人は布団に付いた

「おやすみなさい」

肥本バンが明かりを消す

「どうしよう!眠れない!」

エリが呟く

「もしかして、明かりが無いとダメだった?」

バンがエリに尋ねる

「そうじゃなくて、何となく眠れない」

初めて来た土地で緊張きんちょうしているのだろうか?

エリの見た目は地球人とあまり変わらないが、れっきとした宇宙人には変わりない

「それなら、羊を数えると良いよ」

桃がエリにアドバイスする

「因みにこれが羊ね」

桃がエリに羊の写真を見せる

「布団に入って目を閉じてから、「羊が1匹、羊が2匹、3匹」と数えるの」

桃はエリに羊の数え方を教える



エリが再び布団に入り込む

「羊が1匹」

エリが目を閉じる

「羊が2匹」

エリが羊を数え始めた

「羊が3匹」

羊を数える

「羊が4匹」

羊が通り過ぎる

「羊が5匹」

羊がさくを飛び越える気配がない

「羊が6匹」

それどころか

「羊が7匹」

柵が全く見当たらない

「羊が8匹」

柵が見当たらないのではない

「羊が9匹」

柵が無いのだ

「羊が10匹」



エリが起き上がって口を開く

「ちょっと待って、柵は?」

これじゃあ、ただ羊が跳んでるだけで、柵を跳び越えてない無い

「羊を数える時って、地球こっちでも柵あるの?」

バンはエリに羊の数え方を説明する

「とりあえず、羊が柵を跳び越えて1匹って数えるんだ」

バンはエリに柵の写真を見せる

エリは再びを閉じる



「羊が1匹」

エリは再び羊を数える

「羊が2匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が3匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が4匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が5匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が6匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が7匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が8匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が9匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が10匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が11匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が12匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が13匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が14匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が15匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が16匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が17匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が18匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が19匹」

羊が柵を飛び越える

「羊が20匹」

羊が柵を飛び越える


10


「羊が!?」

羊が柵を飛び越えない

「羊が!?」

羊が柵を飛び越えない

「羊が!?」

羊が柵を飛び越えない

「羊が!?」

羊が柵を飛び越えない

「羊が!?」

羊が柵を飛び越えない

「羊が!?」

羊が柵を飛び越えない

「羊が!?」

羊が柵を飛び越えない

「羊が!?」

羊が柵を飛び越えない

「羊が!?」

羊が柵を飛び越えない

「羊が!?」

羊が柵を飛び越えない

「羊は飛ばない」

「いや!そうだけども!今更!?」

エリは自分が数えている羊にツッコミを入れる


11


「羊が1匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が2匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が3匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が4匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が5匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が6匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が7匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が8匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が9匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が10匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が11匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が12匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が13匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が14匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が14匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が15匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が16匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が17匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が18匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が19匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が20匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が21匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が22匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が23匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が24匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が25匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が26匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が27匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が28匹

羊が柵を跳び越える

「羊が29匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が30匹」

羊が柵を跳び越える


12


「羊が!?」

羊が柵を跳び越えない

「羊が!?」

羊が柵を跳び越えない

「羊が!?」

羊が柵を跳び越えない

「羊が!?」

羊が柵を跳び越えない

「羊が!?」

羊が柵を跳び越えない

「羊が!?」

羊が柵を跳び越えない

「羊が!?」

羊が柵を跳び越えない

「羊が!?」

羊が柵を跳び越えない

「羊が!?」

羊が柵を跳び越えない

「羊が!?」

羊が柵を跳び越えない

「羊が逃げた」

羊は柵を前に回れ右をする

「メェー」


13


「ヒツジが1ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが2ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが3ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが4ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが5ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが6ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが7ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが8ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが9ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが10ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが11ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが12ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが13ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが14ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが15ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが16ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが17ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが18ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが19ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが20ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが21ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが22ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが23ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが24ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが25ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが26ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが27ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが28ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが29ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが30ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが31ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが32ひき」

ヒツジがサクをとびこえる

「ヒツジが消えた」

ヒツジが突然とつぜん姿を消した

「って!オカシイでしょ!」

エリがツッコミながらが起き上がる

「ヒツジに何があったの!?」


14


「ひつじが1ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが2ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが3ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが4ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが5ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが6ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが7ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが8ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが9ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが10ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが11ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが12ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが13ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが14ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが15ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが16ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが17ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが18ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが19ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが20ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが21ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが22ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひつじが23ひき」

ひつじがさくをとびこえる

「ひぃい!?ひぃい!?ぜぇえ!?ぜぇえ!?」

羊は相当息があがってる

周りを見回しても羊が何処にもいない

どうやら、今まで1頭の羊が何回も柵を越えていたようだ


15


「ヒツジガ1ヒキ」

ヒツジガサクヲトビコエル

「ヒツジガ2ヒキ」

ヒツジガサクヲトビコエル

「ヒツジガ3ヒキ」

ヒツジガサクヲトビコエル

「ヒツジガ4ヒキ」

ヒツジガサクヲトビコエル

「ヒツジガ5ヒキ」

ヒツジガサクヲトビコエル

「ヒツジガ6ヒキ」

ヒツジガサクヲトビコエル

「ヒツジガ7ヒキ」

ヒツジガサクヲトビコエル

「ヒツジガ8ヒキ」

ヒツジガサクヲトビコエル

「ヒツジガ9ヒキ」

ヒツジガサクヲトビコエル

「ヒツジガ10ヒキ」

ヒツジガサクヲトビコエル

「ひぃい!?ひぃい!?ひぃい!?ぜぇえ!?ぜぇえ!?ぜぇえ!?」

羊はさらに息を上げている

周りを見てもどこにも羊がいない

どうやら柵を跳び越えてた羊はさっきの羊と同じ羊のようだ


16


羊は立ち上がり、二足歩行で策に向かって走り出した

「羊が1匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が2匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が3匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が4匹」

羊が柵を跳び越える

「羊が5匹」

羊が柵を跳び越える

「はあぁ!?はあぁ!?」

羊の息が上がる

ずっと1匹で跳び続けて、更に二足歩行までしているのだから、息が上がるのも当然である

「いや!他の羊が跳べばいいだけの話だろ?」

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