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第002話 ステータス確認

「あいたたた……。どこだ、ここ?」


 さっきまで真っ白だった周囲の景色は、いつの間にか鬱蒼とした森に変わっていた。


 立ち上がり、服についた砂ぼこりを払っていると、どこからともなく声が聞こえてきた。


『ここは異世界です』


「うわっ! なんだ!? どこからか声が!?」


『私はスキル、《叡智》により生み出された思考存在です』


「《叡智》……? 俺のスキルって、《贋作》じゃなかったっけ?」


『《贋作》により、女神シュシュ・アルバ・ノイス・ヴァルロードが所持していた《完全覚醒》を獲得。そのため、《贋作》は最上位スキル、《無限複製》にランクアップ。《贋作》の効果継続時間、〇・〇〇〇一秒が経過したため、取得していた《完全覚醒》を消失。その後、《無限複製》の効果で《完全覚醒》を再獲得。他に《叡智》、《天啓》、《不老》、《全状態異常耐性》、及び、全ステータス値を獲得しました』


「えっと……とりあえず、俺のステータスを確認したいんだけど……」


『目の前にステータス画面を表示したいと念じれば可能です』


「……なるほど」


 ステータス画面……。ステータス画面……。


 すると、ピコン、と目の前に小窓が表示された。



◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇


[ステータス]

〈名前〉倉野幸太郎

〈職業〉無職

〈称号〉なし


体力:105

筋力:105

耐久:105

俊敏:105

魔力:99999999999


〈魔法〉:なし

〈スキル〉:《無限複製》・《完全覚醒》・《叡智》・《天啓》・《不老》・《全状態異常耐性》


◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇



「いろいろ言いたいことはあるけど、とりあえず俺の魔力がおかしい」


『《無限複製》の効果により、女神シュシュ・アルバ・ノイス・ヴァルロードの全ステータス値を獲得。そのため、本来持っていた基礎値、『100』に、女神シュシュ・アルバ・ノイス・ヴァルロードのステータス値が加算されました』


「てことは、あの女神様、魔力以外のステータス値は『5』しかないのか……。基礎値の『100』より下ってどうなんだ……」


 ……まぁ、深くは考えないようにしよう。


 じゃあ次にスキルの確認を……。


「俺が持ってるスキルの詳細とかって表示できるか?」


『そのように頭の中で念じれば表示されます』


 言われた通り、スキルの詳細について思い浮かべると、小窓の中にさらに小窓が表示された。



◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇


〈スキル〉

  《無限複製》:触れた対象者のスキルとステータス値を複製し、自分のものにする。

          触れた対象物を複製し、自由に生み出すことができる。


  《完全覚醒》:所持しているスキル、魔法を最上位のものに変化させる。


    《叡智》:思考存在が宿る。


    《天啓》:対象の位置と距離を把握できる。


    《不老》:歳をとらなくなる。


《全状態異常耐性》:害のある状態異常に陥らなくなる。


◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇



「なんだかわからないけど、とにかくすごいな……。ところで、思考存在って、具体的にどんなことができるんだ?」


 そうたずねると、『お答えします』と、また別の小窓が表示された。



◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇


〈思考存在〉


絶対記憶:全てを記憶できる。


瞬時演算:膨大な演算を瞬時に行ったり、思考を代行したりすることができる。


精密鑑定:知覚したアイテムを精密に鑑定することができる。

     知覚したモンスターの名前と主な特徴を鑑定することができる。


◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇



『以上の能力が、私の基礎能力です』


「すげぇ……。ちなみに、《無限複製》って、人間は複製できるのか?」


『魂と呼ばれる存在を持つものを複製することはできません』


 じゃあ、スキルが暴発して複製人間を作ってしまう危険性はないってことだな。よかった……。


 とりあえず、《無限複製》のスキルで物体の複製をしてみるか。


 えっと、何か手頃なものは……。


 近くの木の下に、茶色いキノコが一つ生えていた。


 試しにそのキノコを手に取ると、キノコの真上に半透明の小窓が表示された。



〈[G級]フライキノコ〉

 湿気が多く、陽の当たらない場所で採れるキノコ。揚げ物にするとサクサクとした歯ごたえになるのが特徴。揚げたフライキノコに塩を振って食べるのが一般的。



 へぇ。これが思考存在の言ってた『精密鑑定』ってやつか。なんか、ほんとにゲームみたいでおもしろいな。


「このG級って書いてるのは、レア度のことか?」


『はい。この世界には、G~SSS級までが存在します』


「G級は一番下か。てことは、これは見た通り、ただのキノコなんだな」


『《無限複製》を使用する場合は、手のひらを前に突き出し、周囲の安全を確認して、明確な意思を持ち、《無限複製》を行う旨を言葉にする必要があります』


「えっと、じゃあ……《無限複製》でフライキノコを複製!」


 手を突き出してそう言うと、突き出した手の先に青白い光の玉が出現し、そこからパッとフライキノコへが出現して、コロンと地面に転がった。


「おぉ……。ほんとにできた」


 ハズレスキルを引いた時はどうしようかと思ったけど、まさかこんなチートスキルに変化するなんてな……。


 転がったフライキノコと、さっき採取したフライキノコを見比べてみる。


「ふ~む……。カサの形から、柄の太さまで、そっくりそのまま一緒だな……。ほんとに完全な複製だな」


 複製したはいいものの、鞄とか持ってないし、持ち運びとかどうしよう……。


 捨てるか? いや、でももったいないし……。


 というか、俺、家でゲームしてた時に着てたTシャツにジャージ姿のままなんですが……。


『まずは人のいる場所へ行くことをおすすめします』


「人のいる場所? 町とか?」


『そうです。今現在、幸太郎様は身を守るためのスキルや魔法を所持しておりません。なのでこのままモンスターに出くわすと、場合によっては死ぬ可能性があります』


「……え?」


『そうなる前に、《無限複製》と《完全覚醒》を使用し、他者からスキルとステータス値を複製し、武装することをおすすめします』


 転移早々死んでたまるか!


「よし! 町へ行こう!」






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