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第019話 ロロとお風呂

 リシュアの部屋の向かいにあった空き室にロロと二人でやってくると、部屋の中央に誰かが用意してくれたお湯が置いてあった。


 これで体を洗えと言うことか……。


 さっき見たリシュアの体が脳裏を過り、ぶんぶんと頭を振ってごまかした。


 エムルの町の宿には普通に風呂が備わってたけど、水って結構貴重なんだろうか?


 そんなことをぼんやりと考えていると、メーティスが、


『この世界でも、水道設備などはほぼどの家庭にも備わっていますが、地域によっては水は高価なため、浴場施設がない建物も多く存在します』


 へぇ、大変なんだなぁ。


 ま、俺にはあんまり関係ないけど。


「《空間製図》、転写! 《精密創造》でバスタブをクラフト!」


 傍に置いてあったリュックから次々と素材が飛び出し、やがて部屋の中央に小奇麗なバスタブが一つ出現した。


 さらに、バスタブに向かって手を突き出し、


「《無限複製》、お湯!」


 手のひらから勢いよくお湯が噴き出し、バスタブの中はあっという間にお湯で一杯になった。


「よし。バスタブ完成っと」


 やっぱりゆっくりお湯に浸からないと疲れが取れないんだよなぁ。


 使い終わったあとはゴミとしてロロに処分してもらえばいいだけだし。


 あぁ! クラフト生活最高!


 ……いや、まぁ、一回死んでるけどな。


「さぁ、ロロ。風呂に入る前に体を拭くぞ」


 そう言うとロロは、「やってー」とバンザイをした。


 どうやらロロの体を洗うのは俺の役目らしく、そのままいつも通り服を脱がし、ロロの体を拭いてやることにした。


 お湯と一緒に置いてあった布で、ロロの体を拭う。


「ふふふ。幸太郎、そこくすぐったい」


「そろそろ自分で体を洗えるようになっただろ」


「やだ! 幸太郎がやって!」


「……はぁ。まぁ、ロロの体を作ったのは俺だし、今はメンテナンスだと割り切るか……」


 魔核人形(マナ・オートマタ)であるロロの体は、人間のものと瓜二つだった。


 関節に継ぎ目もなければ、〈死毒蛇の肉繊維〉で構成した肌も、まるで人肌のように柔らかい。


 一番違いが大きいところと言えば、この蛇の目くらいだな。


 でも、これも慣れればかわいいんだよな……。


「ロロ、この体にも慣れてきたか?」


「うんっ! ほら見て! こんなこともできるよ!」


 ロロは膝のバネを使い、後方へクルクルと回転しながら飛ぶと、右手一本で逆立ちをし、器用にバランスを取った。


「どう? すごいでしょ!」


「あ、あぁ……。すごいな……。けど、女の子が裸で動き回るのはいけません。すぐに戻ってらっしゃい」


「えー、なんでぇ?」


「なんでも」


 ロロはしぶしぶ言われた通りに戻ってくると、少し不貞腐れたように頬を膨らませた。


 そろそろロロも戦闘に参加させてみるか。


 いざという時、戦えないようじゃ危ないしな。


 ステータス値は俺よりもずっと高いし問題ないけど、肝心なのはこの二つのスキルだな。




◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇


〈スキル詳細〉


  《消滅弾》:高威力の光線を口から吐ける。

        ただし、一度使用すると二十四時間は使用できない。


《精霊王の加護》:周囲に存在する妖精の声が聞こえたり聞こえなかったりする。


◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇




《消滅弾》の使用は一日に一度だけ。


 まぁそれは、人一人を簡単に消し飛ばせるあの破壊力を鑑みれば納得できる。


 けど、《精霊王の加護》の方はちょっと説明が曖昧すぎるだろ……。


 なんだよ、妖精の声が聞こえたり聞こえなかったりするって……。


 昔近所の酔っぱらいも似たようなこと言ってたぞ……。


 ……うーん。やっぱりこっちのスキルを戦闘に組み込むのは無理そうだな。


 とりあえず、エデンの調査クエストの実行日までに、《消滅弾》の威力を確認しておくか。


「ねぇねぇ、幸太郎」


「ん? どうした?」


「ロロのおっぱいはどうして小さいの?」


「どうしてって……。なんだ? 大きい方がいいのか?」


「ううん、別に。……でも幸太郎は、ロロのおっぱい見てもあんな風に慌てたり恥ずかしがったりしない……。それは、ロロのおっぱいが小さいから?」


 リシュアのことを言ってるのか……。


「あはは。ロロは家族みたいなもんだからな。家族の裸なんて見ても何も感じないって」


「……むー」


「どうした? 頬なんか膨らませて」


「……別に。なんでもないよーだ」


 なんだ? なんか怒ってるみたいだけど……。


 まさか、反抗期か?




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