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王妃?え、時代は騎士でしょ!  作者: 吉那 薫
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3.自慢のお兄様?

コンコン。

「お嬢様様。失礼致します。朝でございまっ⁉︎」

「おはよう、メイ。そうそう、今日からパパと朝食ご一緒することになったの。あっそうだわ、どうせならお兄様もお誘いしてみましょうか!」

「⁉︎」

?マークでいっぱいの私の専属メイドのメイを置いて私は部屋を出た。

ちなみに、前世の記憶が戻ったおかげで基本的になんでもできるようになったんだよねー。

なのでもちろん、今廊下を走っている私はパジャマじゃない。

さらっとしたAラインの部屋着用ワンピースだ。

ちなみに私は銀髪に紫の瞳に少しつり目がちで完全なる父親似である。

まぁ美少女ってことですよ。ありがとうございます。

なのでこんなワンピースでも十分なくらいに元がいいし、あと楽で動きやすい服って前世の頃から愛用しているのでしっくりくる。


「お兄様っ!」

ばんっ!

勢いよく扉を開けた。

ソファに座って本を読んでいる父と同じ銀髪に亡くなってしまわれたお母さま譲りの金色の目。

まぁ、めちゃくちゃイケメンですよ。

父と同じ銀髪なのに顔立ちがお母さまに似ているからか、優しい顔立ちのお兄様。


「…リリー。こんな時間にどうしたの?眠れなかったのかい、かわいそうに。おいで、ちょうど僕もこれから寝ようと思ってたんだよ」

そう言ってふわりと微笑み、読んでいた本を閉じて部屋の電気を消した。


そう。私とお兄様は仲が良い。

というよりも、父が家に寄り付かなくなり孤独な私は図書室にいることが多かった。

そうすれば、お兄様がいたからだ。

図書室のドアを開くといつもそこにはお兄様がいて、微笑みながら「おいで」と言ってくれた。

特別多く会話をするわけでも無く、横にいてお互いただただ本を読んでいた。

眠くなると膝を貸してくれる優しいお兄様。


ってまって。

今はそんなうっとり〜、素敵ストーリーで私のお兄様最高でしょ?って自慢してる場合じゃないって!

「お、お兄様?今は朝でございますよ?もしかして昨日の夜から一睡もしていないのですか?」

「…。本当だ。朝日が眩しいね」

にこっ。

お兄様ぁぁぁぁぁ。

わざわざカーテン開けて確かめないでも分かることだって。

いったい何時間本を読んでいたの!

そして朝日に照らされるお兄様かっこ良すぎかよぉぉぉ。


「えーと、お兄様?私、今からパパと朝食をご一緒するのでよろしければお兄様もと思い来たのですが…どうされますか?朝食よりも睡眠というのであれば、無理にとは」

「…面白そうだね。いや、ごほん。うん!僕もちょうどお腹すいたなと思っていたんだ。誘いにきてくれてありがとうリリー」

え。

面白そうだねって言ったよね。絶対言ったよね。

「…とんでもないですわ!」

とりあえず笑顔でスルーしとこう。

うん。お兄様はそんなこと言わないもん。



「パパ!おはようございます!お待たせしてしまってごめんなさい」

「あぁ、おはようリリー。そんなに待ってなんかいないから安心しなさい」

「おはようございます、父上」

「っ。ノア。おはよう」

ちらっと父が私をみたのでにこっと笑っておいた。

すると父も申し訳なさそうに少し微笑んでくれた。

気にしないでよ父よ。

みんなで食べた方が美味しいじゃん。

だから私が私のためにやってることだって。

「…ノア。今日から朝食、また夕食も間に合うように帰宅しようと考えている。…よければ一緒にどうだ?」

「はい、喜んで」

お兄様はまたふわりと笑った。


わぁ。し・あ・わ・せ。

こんなイケメン2人と朝晩共にご飯を食べれるなんてさ。

「そういえばリリー騎士になるという意志は一晩寝ても変わらないものとしてよいのか?」

「もちろんよ!」

「…」

お兄様、痛いって。

見つめすぎだって。

その張り付いた笑顔がとても怖いのですが。


「そうか。では、剣の師を探しておこう」

「!ありがとうございます!」

また剣を握れる。そう思うと笑顔が止まらぬ。

「ノア、リリーだけでは不安だ。一緒に剣を習い、リリーが無理しないように見守ってくれないか?」

「はい、もちろんそのつもりです」

「助かる。それでは私は仕事に行く。見送りは結構だ。2人ともゆっくり食べなさい」

「「はい!」」


しーん。

なにこの沈黙。

食べ終わったはずのお兄様が目の前の席で私の食べ終わるのすっごい良い笑顔で待ってるのですが。

「…ごちそうさまでした」

よし。逃げるが勝ちっ。立ち上がって…。

「リリー、どうしたの?そんなに急いで。今日は図書室じゃなくてお庭でお茶でもしながらお話しでもしようか?」

こ、こわいです。

「わ、ワーイ。オニイサマトオチャ」


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