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よくわからん転生

 何か気づいたら転生していて戦場にいた。

 何を言っているか分からないかもしれないが、俺も一体何を言っているのか分からない。


「イケル様! イスカディ家の連中は既に布陣を終えこちらに押し進めてくる様子です。その数五百! こちらは百しかおりません! ご指揮を!」


 近くにいる人が言ってくるが状況把握は耳目で通信手段が伝令しかないような戦場で百対五百って絶望的じゃね?


「う~ん、無理!」


 思わずはっきり言ってしまうがしょうがないでしょ!


「そ、そんなイケル様~」


 周囲の連中が涙声を上げるが泣きたいのはいきなりこんな状況に放り込まれたこちらの方である。


「そんな言っても数から言ってまともに当たっても負けるでしょ」

「そこをなんとかイケル様の采配で……」

「無理無理無理のカタツムリ」


 大体こっちは何も知らないのだ。どうしろと?

 その時! 不思議な事が起こった。頭の中にデータ編集という画面が思い浮かんだのだ。

 データ編集? なんだそれ? 試しに人物編集というのを選んでみると一番上に『イケル・エウスカ』とある。もしかして俺がこれか?


「俺ってイケル・エウスカって名前なの?」

「は、はあ…… そうですが……」


 尋ねられた方は戸惑っているがそらそうだ。この状況でいきなり自分の名前を確認するのはヤバイ奴だと思う。

 どれどれ、統率、武力、知力、政治、魅力、性技が基本能力で他に色々と特技みたいなのを覚えるらしい。性技ってなんだよ性技って。

 まあいいや、とりあず能力を全部カンストの100にして特技も全部最大にしておく。この間二十分、どんだけ特技選べるんだよ。おっと寿命も忘れないようにね。


「イケル様~」

「あ、すまんすまん」


 色々弄っている間は無視していたけどさすがにずっとそうにもいかない。

 ……… で、どうやって勝つの?

 ええいヤケクソだ! スペックの暴力を信じる。


「道を開けろ!」


 そう一喝して兵たちに道を開けさせると馬を駆り最前線に駆け出す。

 一騎打ちで敵の大将を倒そう、そんな事を考えながら編集画面でそれっぽいのを探す。

 あったあった『フランシスコ・イスカディ』統率100、武力95、知力98、政治99、魅力100、性技75。

 うははは、性技だけ低い(笑) じゃねえよ! 強すぎだろ!

 うん、全部1にしよう。


「俺が怖くないなら一人でかかってこい?」


 とりあえず適当に挑発してみる。


「おのれ! そこまで言った言葉後悔させてやる!」


 スペック差凄い! 挑発に成功した!


「うおおおおおお!」


 スペック差凄い! まるでカタツムリである。これは勝てる(笑)


「えい」

「ぐはあ!」


 殺さない注意をして圧勝した。

 よし、数値戻そう。可哀想だから性技だけ80にしてあげた。


「負けた身としておこがましいのは分かっている。だが、兵の命と領民の安全は保証してもらえないか?」

「うんうん、歓迎歓迎。これから一緒にやっていこうよ!」


 なんといっても元々これだけ優れているのだ。こっちの方が世話になりたい。


「それは負かした相手に対等な協力関係を築きたいという事か?」

「いやあ、むしろこっちが世話になりたいかな?」


 フランシスコさんを少し驚いた後苦笑いをする。


「なるほど、自分でも出来るだろうに面倒事は押し付けて自領の利益は確保したいのか。食えないヤツだ」


 だって俺、何も分からないもん……

 こうして第二の人生は始まった。

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