バグの正体
___パチリ
何のモーションも無く目が覚める
起き上がるとそこには真っ白な空間が広がっていた
隣には5〜6歳ぐらいの女の子が不安そうにこちらを見てい
「あ!やっと起きたんですね、藤宮さん!」
突然、目の前に金髪の幼女が現われた
『誰、ここ何処』
「ちょ、そんなに睨まないでくださいよ〜」
当然だ、いつの間にか知らない所にいたのだから。ここに来る前の記憶がない。
さらに睨みをきかせると幼女が話し出した。
「私は神。そして、ここは混沌といい、私はこの空間の管理者をつとめています」
『は?』
「本当ですよ⁉」
こんな子供が神なのか?そもそも、神は実在したのか?
そんなことを考えていると、今まで黙っていた少女が
「メーレ様ですか?」
と言った
「いいえ、私の名前はテルです。メーレは貴女が住んでいた世界の神……管理者でしたね」
「そうですか……」
テルが説明を始める
「まず、貴女達には転生をしてもらいます」
『……何故?』
「いやー、ちょっと手違いがありまして。もともと貴女達はあの世界に産まれるはずではなかったのですよ。
藤宮さんが産まれた世界の管理者とセレーナさんが産まれた世界の管理者が間違えてお二人の魂を入れ替えてしまったのです
今まで全く気が付かなかったのですが……お二人は死にかけたことが何度もありますよね」
ある……たくさん
車に轢かれかけたり、海で溺れかけたり
隣にいる少女、セレーナも同じ様だ
「それは、貴女達の魂が入れ替わったせいで魂が世界に馴染めなかったせいなのです
魂が世界に馴染まないというバグが発生した為、世界の生産する機能に少しずつ負担がかかり、子供がなかなか産まれなくなってしまったのです」
「なるほど、だから人口が少しずつ減っていたのね…」
「その通りです!そして、その負担が次第に大きくなり始め、世界が貴女達を本気で消そうとしたのです
それに気付いた神が手を打ち、ここに貴女達を呼び出したと言うわけです」
『つまり私達は神のせいで死ぬところだったということ?』
私の言葉にセレーナが青ざめる
「はい……その事については本当にごめんなさい!!」
『…まぁ、あんたのせいじゃないから別にいいけど』
テルはほっとした表情になり、説明を続けた
「お二人には自分の記憶をを持って転生してもらいます」
「記憶があるままでも大丈夫なのでしょうか……?」
「大丈夫です!これは、貴女達を死なせない為であり、私達の謝罪の気持ちでもあるのですから」
「そうですか……」
「はい!……まだ何か質問はありますか?」
「いいえ……」
『名前はどうするんだ?』
「あぁ、名前は今までのものに似た名前に置き換えておきます。本当は良くないんですけど、今回は特別です」
『そうか…」
「それじゃあもう質問も無さそうですし、それぞれの神の所で細かい説明を受けてもらいます」
『もう行くのか』
「はい!それじゃあ行きますよ〜えい‼」
テルの掛け声と同時に自分の周りが光に包まれた
私は眩しくて目を閉じた