① ココハドコ?
初めまして!Reil_saiです。これからよろしくお願いします。拙いですが、どうぞ最後までお付き合いください。それではどうぞ。
-白伊 蓮人 (主人公)-
目を開けるとそこは、異世界のようだった。
地球では考えられない黒い太陽が、白銀の光で全ての色を鮮明に照らし出す世界。その美しくも異形な世界に、俺、白伊 蓮人はいる。
この場所、この景色。
語彙力のない俺では凄いとしか表現できないほどの再現度。そう、青々と生い茂げる草も、近くを流れる川も、地面から突き出たあの岩も、優しく頬を撫でるこの風の感触も、瞳に映る風景の全て、今、体感している感覚の全てが、最新のVR技術によって創り出された虚像なのだ。と、思っていた。そう、このときは───────
「こんなもんか?」
そこまで書いてから俺は筆を置く。
「はぁ、日記って書いたことねぇんだよなぁ…」
「夏休みの宿題とかで書かなかった?」
「ん?あぁ、そんなのもあったなぁ…」
今、俺がいるのは巣来娘という鳥人の営む宿屋の一室。そこに、俺ともう1人が宿泊している。
「なに?そんなにあたしの顔を見て、なんか付いてるの?」
そう言いながら、自分の背中を見ようとクルクルとその場で回る同居人であり彼女でもある女性、五十嵐 月詠。顔見てたのになんで背中見ようとしてんの?
あ、彼女っていうのは自慢じゃないよ?まぁ、確かに綺麗だしどこか抜けてるところとか彼女補正無しで言ってもめちゃくちゃ可愛い……
綺麗で滑らかな黒髪は腰あたりまで伸びていて、スラリと伸びた手足は雪を思わせるほど白く、だが、ほんのりと桜のような赤みを帯びている。そして何より素晴らしいまでに整った容姿。お世辞にも大きいとは言えない控えめな膨らみを精いっぱい主張しているかのような可愛らしい胸!どこを見ても素晴らしい!
「れ〜ん〜と〜?今なんか失礼な事考えてなかった〜?」
やっべ、月詠に胸の話はタブーだった、顔に出てたか?
「いや、月詠が相変わらず綺麗だなって考えてた。」
誤魔化されてくれるか?
「……………………………」
…ダメか?
「はぁ…」
あ、やば。
「…いいよ、そういうことにしておいてあげる。」
勝訴!
「ただし、次はないからね?」
「ハイ…」
ニッコリと満面の笑みを貼り付けたその顔を俺は直視出来なかった。
だって怖いじゃん。コノココワイ。
………さて、先程の文章だが、「日記」と言った通り、創作した物語ではない。では、俺達がどうして異世界にいるか、だが。どこから話そうか………とりあえず、アレは、確かほんの2、3週間前のことだった。
いかがでしたか?
まだ、プロローグだけですが、続きが気になっていただけたら幸いです。それではまた会いましょう。