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あの絵の秘密




夜別荘…

3階のベランダで、

美岬に大胆に告白をした飛鳥


でも、美岬は考える

時間をもらった…

飛鳥の事が本当に大好きな美岬


大好きな飛鳥の事を思ってなのか

真相は、分からない…


それを近くで隠れて

聞いていた楓と葵と国枝



飛鳥と美岬は

自分の部屋に戻る


ガチャッ


(楓)あすかぁ…

遅かったね、どーしたの?

なにかあったの?


先に部屋に戻って

ベットに座っていた楓

盗み聞きをしていたが

知らないふりをする


(飛鳥)いやっ なんにもねーよ

もう疲れたから今日は寝るよぉ~


まっすぐ布団に入った飛鳥



美岬達の部屋…



窓の隣で椅子に座って

黙って窓越しに夜空を眺める美岬


少し重たい空気


葵は寝ころがって美岬の

横顔を見つめていた



(葵)みっ 美岬先輩…?

(美岬)…


(葵)美岬先輩っ!

(美岬)っ!?

起きてたの?夏川さん


(葵)さっき美岬先輩と

飛鳥の会話をこっそり

聞いちゃきました…

(美岬)…

(葵)…

…考える時間って…なんですか…?

美岬先輩って飛鳥の事

好きなんじゃ

ないんですかっっ?


強い口調で美岬に問いかける


(美岬)…


(葵)飛鳥にあんな事してたら

誰だって飛鳥に気があるのかと

思いますよっっ!!


(美岬)…


(葵)あんなの…

飛鳥が可哀想ですょ…


美岬の本当の飛鳥への

気持ちが分からなくなった葵

飛鳥の事を思うと感情的になる


(美岬)夏川さん…

私も…考えたい事が

本当にあるの…


美岬は深刻そうな顔をしていた


(葵)考えたい事って…

一体なんなんですか…?

(美岬)それわ… …


葵は美岬の深刻な顔を見て

それ以上の事は強く聞けなかった



スタッ


…立ち上がった美岬


(美岬)…夏川さん…もう寝なさい

私はもう少し絵を描いてくるわ…

(葵)…


ガチャッ

部屋から出ていった美岬


(葵)… バサッ


ベットに座っていた葵は

そのまま横へ倒れた


(葵)なんなんだろ…

美岬先輩…


呟く


飛鳥達の部屋


クゥーzzz


寝静まった楓

隣で布団にくるまって

目をつむり考え混んでいる飛鳥


(飛鳥) … やべぇ…

   ショック過ぎる…

  絶対いけると思ってた


  どや顔であんな事して

  俺恥ずかし過ぎるって


  まだフラれたわけじゃねーのに

  今までで1番キツイわ …


…ぁぁ~…


美岬が即答で返事をくれると

思い混んでいた飛鳥は

思いのほか大ダメージを受けていた


…1階の玄関…


1階の玄関で

絵を見つめていた美岬


(美岬)…


広い玄関の絵の前でポツンと

悲しい表情で1人つっ立っていた



サッ


片手を絵に優しく触れ

思い詰めた顔をしている


(美岬)…はぁ


目をつむり

小さい頃の出来事を思い出す美岬


………………回想


小さい頃の美術館での出来事


美岬がまだ小学3年生の頃

自分の書いた絵が学校から

市の展示会に出展された


その同じ展示会に

学の書いた絵も出展されていた



学の書いた絵をみんなで

見に来た当時小学2年生の

飛鳥と葵と楓と学と保護者達


美岬とは地域も全然違う

小学校に通っていた飛鳥


学の絵を見て同年代の子供達は


お前の絵すっげぇーなぁっ! 


と学に声をかけ

あっという間に学の周りに

子供たちの人だかりができた



少し離れた3年生の作品が

展示されている場所で、大人に

囲まれながら同年代の子達に

囲まれている学を見ていた美岬



この絵をお嬢さんが

描いたのですか?

凄いですねぇ



本当に凄い絵だったが

父親の付き合いできていた大人達の

感情のない言葉を何回も何回も

聞いて嫌気がさしていた美岬


大人達もいなくなって

1人自分の絵を見ていた


……


学ぶの周りで集まっていた、

子供達が美術館で騒ぎ始めた


(飛鳥)あははははっ


大笑いしながら

美岬の絵の前を横切ろうとしてた時



タッタッタッタ…


ピタ…


別荘の玄関で見た凄い絵を

目にした飛鳥


………………っ…!………………


(飛鳥)…すっ…すげぇー…


まだ子供の飛鳥でも

絵のすごさを見て度肝を

抜かしていた


そんな飛鳥の横顔を隣で

見ていた美岬


(美岬)………


顔を赤くしていた


(美岬)…そっ…それっ…

私が書いたの…っ


えっ?


チラっ


美岬の方を見た飛鳥


目を合わす美岬と飛鳥


これが2人の始めての出会いだった


顔を真っ赤にしながら

美岬が話した


それっ…私が書いたの…


(飛鳥)えーっ?

お前が書いたのぉ?

凄いなぁっ♪


(美岬)ホントっ?


(飛鳥)ホントに凄いよっ♪

将来絵を描く人になるのか?


(美岬)そんなのなれないよっ…

でも絵を描くの好きなの…


(飛鳥)なれるってっ!絶対!

サイン貰っとこうかなぁ♪♪


…あっ♪

大人になって絵を描く人になったら

俺がお嫁さんにしてやるよ♪


(美岬)…ポッ…


顔を赤くして下を見ている美岬


そこに葵達が走って来た


あすかーーなにやってんのぉー♪


(飛鳥)おいおいっ!

めっちゃすげぇぞっ、この絵っっ

見てみろよっ

こいつが書いたんだって♪



……

すっ…すごぉーーーいーーー…


ねぇねぇホントに書いたの?

凄いねぇ♪


あっという間に美岬の周りに

子供達の人だかりができた


人だかりから離れて

人だかりをポツンと

見ていた学の横に立った飛鳥



(飛鳥)まなぶぅっ

拗ねんなってぇー♪



(学)…拗ねてないし…


ボソッと呟いた学を



美岬の父親達が

子供達に囲まれている

美岬に気づいて走ってきた

  

でも美岬は凄く幸せそうだった


おいおいおいおいっ…

どうしたんだ


(子供達)おじさん

この絵書いたの

この人なんだってぇー

凄いよねぇ♪


おっっ そうだろぉ…♪

よしよし


凄く機嫌が良さそうな美岬の父親


…それじゃ美岬行こうっ


(美岬)…うんっ


子供の人だかりから

手を繋いで離れようとする

美岬と美岬の父親

美岬は飛鳥の方をジッと見ていた



ちょっと待って…


バッ


タッタッタッタ


父親の手を離して

飛鳥の方へ走った美岬


ねっ…ねぇっっ


きみ…名前は?


飛鳥に近づき、

とっさに名前を聞いた


(飛鳥)えっっ…

…あすかっ♪


ニッ


ニコッと笑う飛鳥


…そうっ♪

…じゃあね


タッタッタッタ



それだけ聞いて走って

父親の所に戻った美岬



この時飛鳥と出会って

本気で絵描きになろうと

決めた小学3年生の美岬


それから2年が過ぎた

飛鳥の事を忘れた事は

1度もなかった美岬


美岬は用事で、ある小学校

の前を車に乗って通った


車の後ろで飛鳥の事を考えていた



(美岬)飛鳥くん…

もう会う事ないのかなぁ…


暗い顔で呟きながら通りかかった

学校の校門を眺めていた



…っっあれっ…?


飛鳥、葵、楓、学が走って

楽しそうに学校から出てくる所を

車ですれ違った美岬


あっ…飛鳥くんだ…

あれっ…絶対飛鳥くんよね…


北枝小学校なんだなぁ…



家に帰った美岬は、

自分の部屋に駆け込んで

パソコンで北枝小学校について

くまなく調べて


そこで分かった、

北枝小学校の生徒はほぼ全員が

小学校と同じ地域の中学校に

行く事をしった


パソコンを見ながら1人

黙り混んで考えていた


…うんっ

決めたわっ…


バッ


勢いよく立ち上がる美岬



コンコンっ

ガチャ


父親の部屋をノックして入った


お父様、

私…行きたい中学校があるの、


初めは隣町の

全く友達のいない中学校に行く事に

反対していた父親


飛鳥と同じ中学校に行きたくて

行きたくて仕方がなかった美岬


反対されても反対されても

気持ちを曲げずに説得し続けた

長い話し合いの末

父親もしぶしぶ納得した



初めての中学校当校の日

同じ小学校のお友達とも離れて

飛鳥が1年後来るはずの中学校に


1人、車で当校した美岬


同じ中学校の同級生からは


高級車で当校してくる

目鼻立ちの整ったすごく綺麗な

長身、長髪、金髪のお嬢様…


その容姿から周りに壁を作られた


でも美岬は1年後の事だけを

考えていた、


飛鳥に会うのが

楽しみで、楽しみで、

仕方がなかった、


学校で会話もろくにせず

家でも大事な事しか

話さなくなった美岬


話さない事に特に理由はなかった

ただ話す事もなかっただけ


でもそんな美岬に、

美岬の両親や執事の国枝は

不安を抱いていた


誰とも話さないまま

1年が過ぎた、、


新1年生の入学式

体育館に座る生徒達の中で

美岬は1人チラチラと

飛鳥の姿を探した



(美岬) …飛鳥くん…



飛鳥の姿は見当たらない…


それから毎日すれ違う1年生

の姿を確認していたが

1度も飛鳥の姿を見る事はなかった…



入学式から1ヶ月


休み時間、

飛鳥の事も探すのも諦め始めて

どん底に落ち込んでいた美岬


1人教室で勉強をしていた時の事…



ガターンっっっ!!


うぉりゃぁぁぁ


廊下から凄い音と声がした



(他生徒)おっ おいっ!

1年と三上が喧嘩してるぞっ♪



…ピク


1年という言葉に

少し反応し勉強を止めた美岬


(美岬)  …まさか、ね…


また勉強を続け始めた


喧嘩も終わって

1年生達の声が教室に近づく

ピタ…

また手を止めて

いつものように

1年生の姿を確認した



………ぁ、っっ……!


目が会う2人








やっと…


やっと会えた……


飛鳥くん…




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