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19/21

終わったはずファーストキス争奪戦…


星の綺麗な雲ひとつない

夜の空海辺立つ静まった別荘



2階の暗い廊下

窓から月明かりが廊下に

射し込んでいる

その窓から空を見上げながら

今日も寝る前に唯と

電話をしていた飛鳥


キラッ


(飛鳥)あっっ!!

流れ星だっ

(唯)流れ星ぃ♪?

いいなぁ

流れ星唯見たことな~い

(飛鳥)お兄ちゃんだって

今初めて見たよっ

多分めったに

見れるもんじゃないぞっ

お利口にしてたら

そのうち見れるかもな

(唯)ん~

唯はお利口にいつもしてるよぉ~

(飛鳥)そーだな

ならそのうちぃ …?


階段から灯りが点いていた


(飛鳥) … 美岬先輩か…


(唯)お兄ちゃん?

(飛鳥)おっ おう唯わるいっ

お兄ちゃんもう眠たいから

そろそろ寝るよっ

明日の夕方くらいまでには

帰るからなっ

母さんにも伝えといてくれ

(唯)うん… わかったぁっ

(飛鳥)ちゃんとお利口に

寝ろよ?わかったか?

(唯)うん、お兄ちゃんもね

(飛鳥)おうっ おやすみ

(唯)おやすみなさぁ~い


プチ

階段の方を見る飛鳥


(飛鳥)ふぅ~

よしっ


覚悟を決めた様子

階段の前に立ち3階を見上げる

すぐ後ろの葵達の部屋の

明かりは消えている

葵は寝ているようだ


ガチャッ!


(飛鳥 葵)うゎぁっっ!


(飛鳥)なんだよっ

寝てんのかと思ってたよっ!

(葵)なんだよって

寝る前にトイレに行こうと

思っただけよっ、あんたこそ

そんな所でなにしてんのよっ?

(飛鳥)なっ なんでもねーよっ

(葵)気になるじゃん

部屋の前でっ! なんか

企んでたでしょ?

(飛鳥)なんでだよっっ

コクりに行くんだよ…

(葵)コクるって美岬先輩に?

(飛鳥)あーっ そーだよ

めんどくさいなぁ

もういいだろっ!

(葵)っちょっ


葵を軽くあしらって

階段を上がって行く


(葵)あすかぁ~… (小声)


クルッ

振りかえり葵を見る


(葵)がんばってぇっ! (小声)


(飛鳥)… 

… ! (敬礼)


飛鳥は片手で軽く敬礼

をして階段を上がって行った

そんな飛鳥の背中

を見上げていた葵



階段を上がって広い部屋

前のめりにを覗き込んだ


(美岬)…


集中している


薄暗い灯りの中

葵を喜ばすために

必死で描いているのが

伝わる飛鳥


コンコンッ


階段の手すりを叩く


(美岬)あら? 飛鳥くん

どーしたのかしら?

寝れないの?

(飛鳥)いっ いゃ…

美岬先輩と話しがしたくて

邪魔じゃないですか?

(美岬)えっ? えぇ

もうすぐ描き終え

そうだし大丈夫よ



ベランダに出た2人


夜の真っ暗の海に

月の明かりや星が

キラキラと反射する


夜の綺麗な海と星を一望

できる告白にうってつけの

シチュエーション



白色の七分袖の

セットアップに灰色の

薄地のカーディガンを

肩から羽織っている美岬


ベランダの手すりに

両肘をついておぼろな瞳で

どこか遠くを見て話す

風に吹かれ軽くなびく後ろ髪


窓にもたれかかって

美岬の後ろで海を

見ながら話す飛鳥


今日あった出来事を

振り返りながら話す2人


何気ない適当な会話でも

普段とは少し違う

どこか幸せそうで

楽しそうな2人



(飛鳥) …

(美岬) …


少し話に間ができる



2階の飛鳥達の部屋


コンコンッ


ガチャッ


(葵)かえでー 起きてる? (小声)


部屋でベッドに座って

飛鳥の持ってきた

漫画を読んでいた楓


(楓)夏川さん?

どーしたの?


部屋に入って扉の前で

立って話す葵


(葵)飛鳥…

美岬先輩に告白しに行ったの

知ってる?

(楓)んー…

さっき言ってたし

多分行ったのかな

とは思ってたけど どーしたの?

(葵)気にならないっ?

こっそり見に行こうよっ

(楓)えっ?いゃ

それはまずいよ

また邪魔したらダメだし

やめとこうよっ

(葵)もう気になって

仕方ないもんっ

お願いいっっ

一緒に行こうよ?

階段をちょっと上がって

声が聞けたらいいからっ

1人じゃなんか

心細いもん…



(楓) …まぁ 夏川さんの

    気持ちも分かるけど…

う~ん

分かったよぉ

共犯者になったら

いいんでしょっ

ちょっと声きくだけだよ?

(葵)ありがとぉ~




のそ のそ のそ のそ


ゆっくり廊下を進んで

楓が前で

階段を上がる2人


階段を登りきる

手前で足を止めた


葵の耳元に顔を近づける

(楓)何も話し声聞こえないよ?

誰もいないのかも(小声)


楓の耳元に顔を近づける

(葵)…

2人でどっか行ったのかな(小声)


(楓)…


ゆっくり前のめりに

階段から顔を出した楓


っ!


(楓)ベランダに

2人ともいるっ(小声)


2人して前のめりに

なって飛鳥と美岬の

背中が見えた

窓は開けっ放しで

ちょっと声も聞こえる様子


(国枝)夏川さん?


(葵 楓)っっ!


美岬がいつも遅くまで

絵を描いているのを

気にしていつも夜に

美岬を見に来る国枝


クルッ


同時に階段の下を見た


(葵)なんだぁ…

国枝さんか…(小声)


(国枝)なっ

なにをしてるんですか?


(葵 楓)っっしぃーーー!


2人同時に人差し指を

鼻に当て国枝に合図をした


気付かれてないか不安がりながら

もう一度ベランダの方を見た



ベランダの2人


(飛鳥)明日でもう帰るの

なんだか寂しいですねぇ

またみんなで来てもいいですか?

(美岬)…

えぇ またみんなで

来れるといいわね…


海の遠くの方を見ながら

話す飛鳥と美岬


(葵 楓) ホッ…

(国枝)なっなにを

してるんですか(小声)? 


葵と楓の後ろに

来た国枝


(葵)国枝さんっ今飛鳥達

いい感じなんですよっ

気づかれたらダメですよっ(小声)


飛鳥達の後ろ姿を目にして

今の状況を理解した国枝


そのまま3人で前のめりになり

耳を澄まして会話を聞く


ベランダの2人


(飛鳥)俺こんな楽しい

夏休み正直、初めてですよ

(美岬)そうよね

私も初めてよ

最後の中学生の夏休みに

素敵な思い出ができたわっ

あっそうだ


飛鳥の方に振り向く


(美岬)2人で写真撮らない?

海をバックに?素敵でしょ?

(飛鳥)いいですよ

よいしょっ


手すりに2人で、もたれかかって

身体同士をくっ付け

美岬のスマホで

海を背景に写真を撮る


(美岬)撮るわよ?

(飛鳥)いいっすよ


カシャッ


カメラを見る2人


(飛鳥)って!

めっちゃブレてるじゃ

ないですかっ

(美岬)…しっ 仕方ないでしょ

夏川さんみたいに

上手く撮れないのよ

こんな写真の撮り方

するの初めてなのっ


(飛鳥)美岬先輩…

ホントに女子ですか?

貸してくださいっ

バッ


スマホを持って

美岬にくっ付く


(美岬)…


顔を赤くして照れている美岬


(飛鳥)撮りますよ?

カシャッ


2人でスマホの

画面を覗き込む…が

写真は美岬が照れて

少し下を向いていた



(飛鳥)…もぅ美岬先輩どこ

向いてるんですかっ 


顔をあげる2人

顔の近さにお互い気づく


(飛鳥)…

(美岬)…



さらに顔を真っ赤にして

顔を反らす美岬


(飛鳥)美岬先輩?

もう1回撮りますか

(美岬)いっ…いえ

今のでいいのっ

ありがとっ


サッ


照れた美岬はスマホを

取り返し両手で握りしめて

また海を眺めた


海に背を向けて

下を向いて黙っている飛鳥


(葵 楓 国枝)………


葵達も顔を赤くして

飛鳥と美岬に釘付け


(美岬)…そっ そろそろ

冷えて来たわね

部屋に戻りましょう?


(飛鳥)…


部屋に戻ろうと

扉へ入る美岬


(飛鳥)…

…っギュ


(美岬)っ?


ッバ!


(葵 楓 国枝)…っっっっ!



片手で美岬の手を握り

もう片手を美岬の腰に回し

見下ろすように

美岬の唇を静に奪った飛鳥


キラキラと輝く夜空の下で

波の音が微かに聞こえる

静かな空間で唇を重ねる


(美岬)っっ……!


美岬は目を開けたまま

顔を見上げ真っ赤にして

少し身体が震えている


驚き、照れ、嬉しさで

唇を奪わた状態でも

動揺が顔から表れている


だが動こうとはしない


(葵)…

 

葵達からは2人の 

時間が止まっている

ように見えていた


(飛鳥)…

(美岬)…


直に震えも止まり

手と腰を持ったまま

ゆっくりと唇を離す


(美岬)…


美岬は口を強くつむって

飛鳥から目を反らす


(飛鳥)美岬先輩…

俺 美岬先輩の事 好きです…

(美岬)…っ… 

俺と… 付き合ってくれませんか?


美岬を抱き寄せたまま

美岬の目を見て気持ちを

そのままぶつけた飛鳥


階段に隠れている3人


(葵 楓 ) っ……

  … あっ あすか 

      カッコいぃ …

(国枝)っ…


3人とも顔を赤くしながら

夢中で聞いている


飛鳥に抱かれ

照れて顔を合わせ

ようとしない美岬


軽く下を向いたまま

飛鳥の方を向いた

下を向いたまま

口をあける美岬


(美岬)… 

…っご ごめんなさい飛鳥くん

少し考えさしてもらっても

いいかしら…?

(飛鳥)…え?


(葵 楓 国枝) … えっ? …


美岬の反応に驚く葵達


(美岬)もう少し返事は

時間をもらってからでも

いいかしら…?


(飛鳥)あっあぁ…

全然いいですよ、


美岬に触れていた両手を

離して一歩下がって

手すりに腰をあてた飛鳥


一気に冷たい空気になった

 

(飛鳥)なっなんか俺 勘違い

してたみたいっすね… 絶対に

いけると思ってました (苦笑い)

自意識過剰もほどほどに

しろって感じですね…

(美岬)いっ いぇ違うの

勘違いじゃないわっ!

でもっ 考えたい事が

いろいろあるの…

ごめんなさい…


飛鳥の目を見て

真剣に話す美岬


(飛鳥)はぁ…分かりました

いいですよっ

また返事は聞かしてくださいっ


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