7話 そうだ!お風呂へ入ろう!
少々下ネタが入りますのでご注意ください!
「あぶん…(まじか…)あぷぅ…(佑樹TS転生やったんか…)」
佑樹達を見送った後。
俺は父さんの腕の中で黄昏る。
それを見た二人は佑樹が居なくなったのを悲しんだと勘違いしたのか佑樹達が上がるまで遊んでくれた。
超楽しかったです。はい。
そのせいで佑樹のことをすっかり忘れていて、思い出したのは帰ってきた佑樹にジト目で見られた時だった。
うん、ごめん。
悪かった。
「……………………………………(じとー)」
「あぶん…(悪かったって…)」
「アス次どうぞー」
「あぁ」
父さんを呼んだ母さんは恐らくおんぶ紐だろう紐で佑樹を背負った。
ちなみに佑樹は既に遠い目をして現実逃避している。
「ご飯用意しておくわね」
「楽しみにしてる」
そう言って母さんのおでこに軽くキスをする父さん。
くそう。
さりげなくイケメンな行為しやがって…!
いつも思うけどこれはイケメンと微笑ましいカップルに限られるよな。
前世の俺がしたら女子の顰蹙を買うに違いない…!
ギリギリしている俺に構わず俺を抱っこしている父さんと兄ちゃんは部屋を出てリビングへ出る。
そういや、部屋出るの初めてだな。
いや記憶復活したのが昨日だから当たり前だがな。
初めての部屋の外に以外とワクワクする。
……かわらず家の中だがな!
いいんだ!
転生してから初めての外はワクワクするのは仕方ないはずだから!
「あーう!あーう!」
「ノエル楽しそうー」
「ノエルは本当に部屋の外が好きだな」
どうやら記憶が戻る前の俺は外が好きだったらしい。
ニコニコと笑いあう二人を傍目に俺は周りを見渡してみた。
どうやら寝室の向かい側にある木製の扉が風呂っぽいな。
ちなみに何で風呂かと思ったかというと湯のマークが描いてあるからだ。
まさかおなじみのあのマークが此方にもあるとは思わなかったよ。
何故家にこのマークがあるのかも疑問だけど。
普通温泉とかそこら辺にあるもんじゃねぇの?
わりと気になったけど今はあうあうしか言えないから聞けないしなー。
いずれ大きくなったら聞こう。
もしくは最近よく愚痴りに来る死神クロウに聞こうと決めた。
そして風呂の前のリビングは見渡す限りではあるけど前世と変わらない感じだな。
テーブルとか椅子とか他の家具とか全部木製っぽいけど前世と変わらない。
ミキサーっぽいのとか器材も普通に置いてあるし。
なんというか一見的には壁が木製なのでログハウスみたいな家だと思う。
外観はまだ見てないしリビングと寝室だけでの感想だからなんとも言えないけど。
まだ見たいが風呂に向かうにはリビングを横切るだけなのですぐ終わってしまい風呂の扉をくぐり風呂場に置いてあった柵ありベットに俺を置く。
もうちょっと見たかったな、と思うが俺は歩けないので仕方ない。
「ん?ノエルはまだお外見たかったか?」
ちょっとぶーたれていた俺に気づいたのか父さんが問いかけてきた。
勿論イエスと答えさせていただくぜ!
「あーう!」
「はは。そうか。だがごめんなーノエル。また今度ゆっくりと見ような」
「今度はシエルと一緒だぞ!」
肯定したことが分かったらしく父さんはニコニコしながら俺を宥めつつ俺の服を脱がす。
兄ちゃんは自分でスパスパと服を脱ぎながら俺に笑いかけてきた。
そうかー。そう言われると佑樹といた方がいいもんな。
佑樹となら会話出きるし。
納得した俺は二人に笑いかける。
「あーう!あーう!」
「ノエルいい子ねー!」
納得したことも伝わり父さんは笑みを浮かべて俺を見て兄ちゃんは俺の頭を撫でる。
にしても父さんと兄ちゃん美形すぎだろ。
笑うと男前が上がってさらにかっこよく見えるわ。
これは俺にも希望が持てる!
俺はちょっとした予感にドキドキと胸が高鳴った。
俺もかつての佑樹みたいなイケメ…。
いや、あれは勘弁だな。
いっきに冷めた。
女子達怖いしちょっとどころかかなりヤバかったし。
うん。
あれはないない。
せめて上の中くらいがいいなー。
ある程度整ってはいるけど上もいっぱいいるよなってタイプを希望します!
あ、でも両親と兄がこんな美形ならスゲー美形になるわな。
まぁ、今言ってても仕方ねぇ!
何とかなる!
「お父さん!ノエルの身体洗い終わった?」
「ああ、じゃあ入ろうか」
そんなことをつらつらと考えていたらどうやら身体を洗われていたらしい。
父さんは俺をしっかり抱えてゆっくりとお風呂へ入っていく。
続いて兄ちゃんが入ってきた。
そして俺はつい二人の下を見てしまう。
見た結果の感想としては…。
二人ともとてもご立派でした!
さすがイケメン、下も良いもの持ってた。
兄ちゃんなんてまだ7歳位な筈なのに結構デカイしね!
え?俺はどうなんだって?
そんなの分かるかよ。
だってまだ赤子だし。
未来に期待したい。
あ!ちなみに遥の時はちゃんと普通だったぞ!
佑樹と和兄にはガッツリ負けてたけどな!
「よし、セイン、ノエル上がろうか」
「はーい!」
「あー」
へーい。
赤ちゃんだとあまり長湯出来ないもんなー。
兄ちゃんは先に上がって素早く身体を拭き着替えた。
まじで早業だった。
そして父さんは俺を先程の柵ベットに寝かせ優しく拭く。
そしてクリームを塗ったり綿棒で耳やら鼻やらを掃除、その後タオルにくるんでから自分に取りかかる。
…………………父さんかなり手慣れてね?
異様に俺を風呂に入れるの慣れた手つきだけど多分俺まだ一歳もったってないよね?
なのに手慣れすぎだろ。
あれか?
兄ちゃんで学んでんのかね?
素早く着替えた父さんは俺を抱っこし歩き始めた。
心地よいリズムに俺はすごく眠くなる。
そのまま眠ろうかなー。
すやすやと一人の赤子が眠っている。
それを見守るのは赤子の父兄二人。
「あ、お父さんー。ノエル寝ちゃったよー」
「お風呂に入ったからな。きっと疲れたんだろう」
「そっかー。じゃあ、静かにしてあげないと!」
そう言い静かにする兄を父は優しく見下ろし赤子を片手に抱え兄の頭を撫でる。
「えへへ」
撫でられた兄は嬉しそうにニコニコと笑った。
父は兄を見て微笑み、弟である赤子を両手で抱え直す。
「ノエル。ゆっくり休むといい」
父は赤子のおでこに優しく口付けた。
「おやすみー…。ーー。」
最後に囁いた父は赤子をノエルとは呼ばなかった。