6話 衝撃(笑)の事実の発覚
記憶を取り戻した次の日。
俺達は昨日と同じ部屋のベッドにいた。
多分ここが普段俺達が寝るとこなんだろう。
あ、因みに今日は兄ちゃんが柵付きベッドに寄りかかりながら本を読んでます。
で、たまに俺達の方見て頬プニったり話しかけてきたりしてます。
それに返事したりしながら俺達はゴロゴロ寝て話し合っていた。
ゴロゴロ寝るのは赤ちゃんの仕事だからな!(どやっ)
(いやー昨日は怒涛の1日だったなー)
(本当になぁ。まさか死んだと思ったら二人して転生するとはなぁ。まぁ、遥は天使で俺は悪魔だけど)
(それもびっくりだわぁ)
(遥が天使とかガラじゃねぇな(笑))
(うるせぇわ。佑樹の悪魔っつーのは合うけどな!まさに!)
(どういう意味だ。殴るぞ)
ぼかっ。
「あぶ!(いたい!)」
「あ!シエル!ノエルを叩いちゃ駄目だよー!」
ほら兄ちゃんが怒ってるぞ!
やーい!
「だ(もう一回殴ってやろうかこら)」
ぼかっ。
だから痛いしもう殴ってる!
おちょくった俺も悪いけど!
あ。
やべぇ。
痛いせいか本能的に泣くわこれ。
「ふえっ…」
「もうシエル!駄目だって!ノエルー。泣かないで?ノエルの方がお兄ちゃんなんだからねー?」
新事実発覚。
俺の方が兄でした。
「だぶ(遥が兄かよ)」
「あぶん(俺が兄ちゃんらしいな)」
どんまい佑樹。
涙ひっこんだしお兄さまがなでなでしてやる(笑)。
「あ、仲直りしたの?」
いや、してないしてない。
でもまぁ。
赤ちゃん言葉は理解されないもんなー。
仕方ないか。
そんな感じでゴロゴロ駄弁ったり兄ちゃんに構われたりして過ごしていたら。
もっと衝撃の事実が発覚することとなった。
事が判明したのは夕方のお風呂の時間。
夕方。
ガチャリと扉が開く音が聞こえる。
木製の扉を見ると。
「セイン、ノエル、シエル。只今。今帰った」
「セイン。二人の面倒ありがとね」
父さんと母さんが入ってくるのが見えた。
因みに母さんは家事とか頑張ってました。
詳しくは見れないから分からないけどな。
あ、でもちゃんと俺らのことは気にかけてたぜ?
たまに部屋を覗いて相手してくれたりご飯の時とかは来てたしね?
「あ!お帰りなさい!お父さん!三人で仲良くしてたよ!」
ダッシュで二人の元へ駆けていく兄ちゃんは笑顔で父さんにダイブする
そしてダイブされた父さんはまるで何事も無かったかのように受け止めた。
それを見た俺は思った。
多分父さんめっちゃ鍛えてそう!と。
だって受け止める時微動だにしなかったし。
あと服の上からだけどガタイ良さそうだしつーか腕はがっしりしてるしな。
「ご飯の前に先お風呂入っておきましょうか。準備は出来てるわよ」
母さんがおっとりした様子で二人に話しかける。
それに二人は頷く。
「そうだな。先に入っておこう」
「おっふろー!」
どうやら兄ちゃんはお風呂がお好きなようだ。
俺もお風呂大好きです。
風呂入ると本当に疲れとれるよなー。
母さんの言葉に頷いた父さんは俺達に近づき俺を抱き上げる。
そして母さんは佑樹を抱き上げた。
父さんは俺、母さんは佑樹って決まってんのかね?
昨日もそうやって抱き上げてきたけど。
「リア。先に入ってくるといい。一番風呂好きだろう。俺は子供達を見ているよ」
「あら、アスいいの?アスも一番目が好きじゃない」
そう考えていたら父さんが母さんに微笑みながら話しかけた。
話かけられた母さんが父さんに向かって首を傾げる。
そしてやっぱり。
人外の美貌故かどこか優雅さを感じる故かその動作か一つ一つが美しく感じるわー。
いや、マザコンとか思わないで。
まじでヤバいんですって。
俺らの母さんが美し過ぎるのがいけないんだ!
しまった脱線した。
「まぁ、一番風呂好きだがな。帰ってきたばかりだから子供達と遊んでやりたくてな。なんだったら風呂を入れ直してもいいしな。ゆっくり入ってくるといい。男三人で待ってるよ」
うん。
俺らの父さん男前過ぎる件について早急に話したいです。
なにこの男前なイケメン野郎。
ん?
「「(三人…………?)」」
えーと?
ちょっと待った。
三人?今三人って言ったよな?
あれぃ?そこは普通四人じゃねぇの?
………………………………うん、ちょっと確認しよう。
男っていうことはまず父さんだろ?
で、兄ちゃん。
その次が俺だよな。
俺のがお兄ちゃんって言ってたし。
うん、とりあえずこの三人は男だよな。
まさか父さんが女だったり兄ちゃんが女だったりするわけないだろ?
兄ちゃんに抱っこして貰った時ちゃんとあったの確認してるし。
で、佑樹も男…………………………………。
まさか。
いや。
いやいやいや。
ないない!
「じゃあシエル。お母さんと二人で入ってこようねー」
「シエルは女の子だからな。男の子のノエルはお父さんとお風呂入ろうな」
「だぶううううううううううううう!?」
「あぶううううううつうううううう!?」
佑 樹 は オ ン ナ ノ コ だ っ た !
あまりの衝撃に二人して父母の腕の中でバタバタ暴れる。
「うううううううう!?(ええええええええ!?)だぶぅ!(俺女の子だったんかい!)」
「あぶん!(嘘だろ!)あぶぅー!(お前女の子かよ!)」
「だー!?(嘘だろー!?)」
衝撃すぎるわ!
佑樹お前女の子に転生しちゃったのかよ!
ええええええええ!?
「あらあら。やっぱり双子だから一緒にいたいのかしらね?」
「そうかもな」
「何だったら皆で入る?ほら、一人で二人を見るのは大変でしょ?」
母さんが冗談混じりに笑いながら言った言葉に父さんは真っ赤になって吹き出した。
「ぶっ!な、ななななななにを言っている!?俺は二人見れるぞ!?」
「ふふっ、もう、アスったら。冗談よ」
「そ、そうだよな…」
「アス顔真っ赤ね?ふふっ」
先程の焦りとは代わりちょっと残念そうな父さんとニコニコ笑う母さん。
俺らの母さん小悪魔疑惑。
だが、父さん!
分かるぜ、その気持ち!
ちょっと期待しちゃうけど恥ずかしいよな!
え?お前そんなのあったことないだろ?
別に良いだろ!
元男子高校生としては夢のようなシチュエーションなんだぞ!
「ノエルは僕と遊んで待ってよーね!」
イチャラブな行動をするラブラブ夫婦をガン無視する兄ちゃんは(兄ちゃんつえぇ…)俺の前に来てベロベロバーをしたりして気を紛らわそうとしてくる。
あ。
くそう。
美少年の変顔案外面白ろいわ!
面白いから本能のせいか笑っちまう!
「きゃっきゃっ!」
「じゃあ、行ってくるわねー」
「だううううう…」
ドナドナされていく佑樹。
そんな背中は少し切なげだった…。
(嘘だろうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?)
そんな佑樹の叫び声は遠ざかっていくのであった。
えーと。
どんまい!佑樹!