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突き飛ばされて異世界転生しました  作者: 有利
プロローグ~そして彼らは転生する~
4/11

閑話1 異世界の神の元へ突撃説明しようby姉弟

姉弟の裏事情的なお話です!

ご注意ください

とある星の神界と呼ばれる場所にて。


そこはとても穏やかな時間が流れていた。


そして白く清廉な城とも言うべき建物のまさしくお偉方の執務室といった一室でそこの景観に全く合わない畳が三畳敷かれており中央にあるこたつに入りながら若い外見の澄んだ青い瞳を持った銀髪の美しい青年がお茶と和菓子でゆったりしていた。


古代ギリシャの衣装の様な服を着ている青年は銀髪と青い瞳も相まって畳&こたつとの違和感が半端ない。


「うん。やっぱり地球神の管理している地球とやらのお茶は美味しいな。ここに畳を作った甲斐がある」


「そうでしょう?僕の地球はよく発達してるからねー。あ、シノレア神の管理区域のことを馬鹿にしている訳じゃないよ?」


そんな青年の誉め言葉に反応したのは向かい合わせるようにこたつにへたりついていたこれまた美少年な黒髪の少年が顔を上げ胸を張って破顔する。


ちなみにこちらの少年は菊の刺繍が鮮やかな着物を着ていたのでこたつ達との違和感はなかった。


この二人は管理者と呼ばれる存在である。


青年はとある世界の区域を管理しており、少年は地球が入る世界とその周辺の世界を管理している。


管理者とは人々をひとつひとつの世界に存在する神とその世界を見守り、管理している存在のことである。


神とは少々異なるがまったく違うという訳でもないのでとりあえず管理神と呼ばれていた。


そして彼らは地球神、シノレア神と呼びそれぞれの本当の名を呼ばない。


それには深い訳があった。


管理神の名には力が宿っている。


それは強き管理神ほど宿る力は強大であり人や神が呼ぶには力に対応する力が必要となる。


何故なら力がなければ呼んだ管理神に宿る名の神気に押し潰され存在すら危うくなるからだ。


その為人は言わずもがな管理神と神の力の差があればある程呼びあうことは不可能に近い。


そのせいか管理神同士では互いに代表する星の名ー少年は地球神、青年はシノレア神等ーで呼び合う事が主流となっていた。


なぜ地球神がシノレア神のところにいるのか。


それは本日地球神がたまたま休暇が重なったのを知りシノレア神へ突撃をかましたからだ。


シノレア神は仕方ないな、と受け入れたため穏やかな時間を過ごしていた。


そんな時間も長くは続かず突如乱入者が現れる。


ドアを勢い良く開き乱入者が現れる。


「「シノレア神様!この二つの魂よろしくお願いします!」」


その正体は勿論とある姉弟とそれに首襟を掴まれている二つの魂を持つ遠い目をした死神である。


シノレア神は突然の事に目を丸くし地球神は二つの魂を見て目を細めた。


「ねぇ。その魂達僕の地球にいる子達じゃないの?」


「「げっ!地球神様…」」


魂は必ず一つの管理区域内で輪廻する。


そして余程の事がない限り魂が管理区域内を移動することはあり得ない。


また神々はその魂達を自分の区域のものか判断できる能力を有していた。


その能力により地球神は二つの魂が自らの管理区域に在籍しているものであると見抜いたのであった。


なによりもその二つの魂は地球神にとって観察対象のものであったことも大きいが。


シノレア神の執務室にまさか地球神がいるとは思わず地球神への説明は事後報告にしようとしていた姉弟は後ろめたさを感じ後退る。


だって怖い、というのが姉弟の言い分であった。


しかし地球神はそんなこと気にしない。


「ねぇ?二人とも?なんでその二つの魂がその状態なのかなぁ?その二つは老衰で死ぬ予定の魂だよねぇ?しかも僕の超!大切にしてた魂達がなんで今あるのかな?」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ


地球神の素晴らしき笑顔の裏に見える黒い背景。


それを見た姉弟(と死神)は青ざめた。


地球神ははるか昔から存在する古参であり管理神の中でも最強に近いの力を持つ管理神。


いくら管理神として姉弟が優秀といっても二人がかりで挑んでも完勝されるくらいには力の差がある。


あ、これ死んだ。


そう思った姉弟(と死神)。


その時。


「まぁまぁ、地球神。理由を聞こうよ。もしかしたら何かやむを得ない理由があるのかもしれないよ?」


「むぅ。シノレア神…」


「ね?」


「………………………………………シノレア神が言うなら。ほら二人とも!早く説明しなよ!(やむを得ない理由じゃなければどうなるかわかってるよね?)」


天使(ではなく神であるが…)がご降臨された。


聞こえてくる複音には慄くが地球神が落ち着いたので姉弟(と死神)は説明する。


「実はあのヤンデレバカがまだ“あの人”を諦めてなかったらしく現世に干渉した挙げ句、この魂達の肉体を殺してしまったのですよ。たまたま魂管理の管理区域だったこの死神がこの魂達を掬い上げたら追いかけてきたらしく逃げて私達の元へきたのですが」


「恐ろしかったです…なんですか、あの狂気は…というか私はここに必要でしょうか」


「この魂達をまだ狙っている可能性が高いので地球には戻せずまた地球神の庇護下にいたとバレたので地球神の管理区域に転生させる訳にはいかず。とりあえずあの人に狂っていない管理神の管理区域に転生させようという話になり。その人選でいくと地球神の他であのヤンデレバカを完封できるのはシノレア神くらいかなーって思いまし「あのバカ!!」………神気がヤバイですよ地球神様!抑えてください!他の奴等が消滅します!」


「あ、無視されました…」


姉弟(と死神)の説明を聞くうちに表情が険しくなっていたがついにぶちギレる地球神。


「あのバカ僕の大切な管理区域でやりやがったか!しかも“あの人”をまだ諦めてない!?ふざけんな!“あの人”はもういないんだぞ!…ふふふ。ぶち殺そうかな」


「地球神落ち着け。俺も怒りたいが取り敢えずこの魂達に器を与えて隠さないといけないだろう?なにより、彼は魂の判別が最も得意だからね」


突如キレていた地球神を落ち着かせようとするシノレア神。


そんなシノレア神の言葉にハッとなった地球神は冷静な顔で話始めた。


「いきなり姉弟と連れられてる死神が来た時は僕の癒しの時間邪魔しやがって消そうかなっ!とか思ってたけどそんなことしてる場合じゃないね。確かに今回はやむを得ない理由だし。但し僕にも時折この魂達の様子見せてね」


(((あっぶねぇ!)))


「そんなこと思ってたのかい!?いや、まぁ、それくらいなら構わない。取り敢えず俺の管理区域で匿うということで確定でいいね?匿う世界としてはやっぱりシノレアがいいか。ちょっと面倒な世界だけど…。丁度あの子達がいるし、なにより狼君がいる」


「あぁ、あの狼かぁ…。本来あの狼が悪い訳ではなかったのにねぇ…。まぁ、そうだね。あの子達じゃないとこっちの魂は輪廻転生しないからね」


そういって死神を引き寄せ二つの魂を渡すようにジェスチャーし死神より魂を受け取った地球神は遥だった魂を優しく抱え佑樹だった魂を持ち上げる。


「まったく頑固だよ。この魂は」


苦笑する地球神とシノレア神、そして姉弟。


死神のみがその理由を図りかねていた。


「まぁ、仕方ないね。緊急事態だ。せめてこの二つの魂へ僕から祝福しよう」


二つの魂を抱え込んだ地球神が淡く光る。





この時。


地球神はほんの少しの祝福のつもりであった。


ここで一つ問題が起きた。


地球神は余程の事がない限り加護を授けず加減をあまり得意としない。


そして地球神にとっての少しの祝福とはかつて歴史にて多大なる活躍をした者達に与えられる祝福レベルのことである。


つまり地球神にとって少しの祝福は他神にとってとてつもない祝福だということに姉弟はもちろん、シノレア神すら気がつかなかった。


故に後にこの祝福が大きな波乱を呼ぶこととなることも誰も気づいていなかったのである。






「行ってらっしゃい。僕の大切な子供達。よろしく頼んだよ。シノレア神」


「任してくれ」


そして二つの魂はシノレアと呼ばれる世界へ転生することとなった。

































その後日。


姉弟は仕事が終わりやっと取れた休日により自室でゴロゴロしていた時。


大切な事を思い出した。


「「記憶消去忘れてた!?」」


魂の記憶消去をすっかり忘れていたのである。


魂は必ず一度忘却の池に浸し記憶消去を行う。


でないと前世の記憶を覚えたまま転生してしまうからだ。


それを緊急事態だった為にすっかり忘れていた。


「やっば!どうしよう!?転生しちゃったら魂取り出すわけにはいかないから浸せない!」


「と、取り敢えずシノレア神に取り次いでみましょう!」


再度シノレア神の元へ。


「いや、転生しちゃってるに決まってるよ!隠すんだから最優先でするに決まってるよね!?…とにかく地球の言語が魂に染み付いてるんだから今から覚えるの不可能に近いでしょ。魂が記憶できるのは一つの世界の言語のみだからね。俺が翻訳の祝福を与えるから。二人はちゃんと説明してあげなさい。いいね?」


激おこシノレア神。


神気をバンバン放ち姉弟を威圧しまくっている。


そんなシノレア神に縮こまる姉弟。


実は怒らせちゃいけない人神界No.1を誇っているのはシノレア神なのであり。


また地球神とタメをはるシノレア神に逆らえるわけもなく。


「「……はい」」


そう言うしかないのであった。




























((説明は死神にぶん投げよう))


死神パシりが決定した瞬間だった。

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