表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突き飛ばされて異世界転生しました  作者: 有利
プロローグ~そして彼らは転生する~
2/11

2話 その日確かに死んだ二人の少年

突然だが俺の親友の話をしよう。


俺の名は水瀬遥(ミナセハルカ)


そんな俺には産まれたときから共にいる親友がいる。


その親友こと黒崎祐樹(クロサキユウキ)はもの凄くイケメンだ。


いや、イケメンというか女顔?


女物着れば確実に超絶可愛い美少女になるほどだから。


たまに電車で痴漢されてるし。


うん、女顔だな!(イケメンとは認めない!)


そんな祐樹はモテる。


それはもうモテる。


ドン引く程モテる。


見てる俺達男が女って恐いな…(´・ω・)と悟ってるくらいにはモテる。


あれだよね。


祐樹の服や所持品が無くなるのはザラだし、ちょっと気になる子とか言ったらその子次の日から来なくなったし(女って怖い)、なのに女子達はその子の髪型とか真似て全女子同じ髪型とかになってたし、好きなもの言った次の日机や下駄箱がそれでうまってるのは日常茶飯事だし、学校が祐樹に貢ごうとするの禁止!って張り紙出したからな。


しかもそれでもバレンタインの日はチョコ(髪の毛とか爪とか魔術的な異物入りあり)積まれるし。


それ以来バレンタインは祐樹休むの学校黙認してたからね。


バレンタインは戦慄したなー。


処分手伝ってから。


あの時ほどモテすぎても良いことねぇなと思ったことはない(遠い目)。


そして何故かライバル視される俺。


何故だ。


本当に何故だか昔から女子達は俺をライバル視してきて色々やってくる。


総スカンとかいじめとかは日常茶飯事でまぁ諸々。


まぁ、祐樹は鈍感系主人公タイプじゃなかったので撃退できてるけど。


みんな他にやることやろうぜとか思うわ。


つか俺を取り込んで佑樹に近づくとかしようとしねぇのかね。


まぁそんなことされてもめんどくさいだけだから別にいいが。


モテる親友持つと辛いね。









いや、なんでだよ!?


なんで俺がライバルなんだよ!


確かに祐樹は俺以外の友人めっちゃ少ないが!


つかほぼ俺を通しての友人だし俺と居ないと話すらしないが!


俺は女子達のライバルにはなれなくねぇ!?


はっ!


ついノリ突っ込み的なことしちまった…。


お陰様というか、それによりだいたいの女子(たまに男)にライバル視されてるせいで彼女が全くできません。


まぁ出来ても超絶美形(女顔)の佑樹に惚れられるだうってのもあるけど。


…俺がフツメンだからということない。


まったくないぞ。


隣に超絶美形(女顔)が居るせいで俺がフツメンよりブサく見えるだけだ!


まぁ何が言いたいかと言うと。


登校中注がれる視線にげんなりしてるのですよ。


もうすぐ学校着くのに家からずっと注がれ続けてるんだぜ?


俺らの家から学校まで30分かかることを考えれば皆さんも分かる筈だ。


つまり30分ずっと俺らの後を着いてきてるんですよ。


げんなりするよなー。


さらに言うならその視線の相手である佑樹は気づいてる筈なのにガン無視して俺に話してくるからね。


より恐ろしいわー。


そのお陰で俺への怨念の視線も凄いしな!


…これから夜道には気を付けよう。


「なぁ、佑「遥、俺らはいつも通りだ。なにもない。な?」…うい」


佑樹の目がマジでした。


我が親友の目が恐ろしい程マジでした。


因みに視線の正体はどうせストーカーです。


30分間視線を送りつつ着いてくる存在なんかストーカーしか居ない。


居たら怖い。


まぁ、親友はよく遭う。


なので実害がない間は無視するしかないのは分かっているのだが(盗撮とかは日常的すぎてもう…。被害届出すとしたら学校の女子大半も入るわー)。


だが気になる。


すげぇ気になるわ。


何度遭っても慣れないんだけど。


なにあの存在感。


ストーカーなのに自己主張しすぎだろ!


気になっても佑樹がなにもしない限りは俺がしゃしゃり出る訳にもいかないしなー。


まぁ、学校着いたしさすがにここまでは着いてこないだろ。


気にしなくてもいいかー。


俺はそのままストーカーを気にしないことにして学校へ入ってく。





そして現在。


普通に下駄箱で騒がれてる佑樹を置いて教室にいる。


そこで俺は衝撃を受けています。


それは何故かというと。


「俺宛の手紙…だと!?」


そう。


『水瀬遥くんへ』と確かに書かれた手紙が机に入っていたのだ。


黒崎佑樹くんへ、じゃない。


確かに俺宛だ。


いや、でも中身が佑樹へ橋渡しお願い!とかかもしれない!


油断するな俺!


「お、遥への手紙じゃん」


ドキマギしてる俺の後ろから顔を出して手紙を見てくる佑樹。


今日は早く戻ってきたな。


いつもHRギリギリまで女子達離してくれないのに。


そして近い。


顔が物凄く近いぞコラ。


そのせいかは知らんが近くにいたクラスメイトの女子達がニヤニヤ笑ってんじゃねぇか。


しかも一部はニヤニヤしながらなんかメモってるし。


メモるな腐女子ども。


ちなみにうちのクラスの女子大半が腐女子という存在である。


毎朝佑樹を囲むのは隣とかのクラスの女子だったりする。


で、なぜそうなったかは俺らの友人のせいだ。


奴の布教により大半が腐女子となった。


そんな彼女達にとって美形(女顔)×平凡の幼馴染みというのはなんか色々掻き立てられるらしい。


これは腐女子の筆頭女子であり佑樹に惚れてはいないっぽい(奴の好みはワイルドな男前)特殊な友人からの情報である。


「そうかー。遥にも遂に…遂に!春がくるんだなー。あ、すげぇ駄洒落っぽくなったなこれ」


「俺に春がこねぇの誰のせいだおい!どっかのイケメンのせいだろうが!」


「あ?イケメン?兄さんのことか?」


「分かって言ってんだろ!」


「当たり前だろ。はっはっはっ。イケメンでもいいことねぇけどな」


「はっはっはっとか無表情で言うなよ。せめて笑え」


「今渾身の笑顔だった」


「嘘こけ。絶望顔だったろうが」


『いや、分かんねぇよ』


おうふ。


男子全員に突っ込まれたぜ。


…つーかこんなやり取りにも萌えるのかよー腐女子ども!


ニヤニヤがよりキモくなってんぞ!


もうハァハァ息荒いし!


友人なんか鼻血たらしながら高速でメモに書き込んでるしな!


いったい何が萌えた!?


「で、手紙なんて書いてあんの?」


忘れてた。


俺は机に置いてある手紙を開いて中身を読む。


そこには〔水瀬遥くんへ。あなたに伝えたいことがあります。放課後屋上にて待ってます。ずーっと待ってます。〕と書いてあった。


…………………………………………………。


これ告白といより呼び出しじゃね?


前回と似たような内容なんだが。


黙り混む俺に怪訝な表情を見せる(無表情)佑樹は見るのは悪いと前の佑樹の席に着席していたが前から覗きこむ。


「……………………………………………いや、ほら、あれだ。告白だと思うぜ?なっ、山田!」


「え!?あ、うん!そうだね!うん!そうだと思うよ!?」


おい、俺の隣の山田くんに振ってやるな。


めちゃくちゃびびってんじゃねぇか。


つーか、うん。


これどう考えてもいつも通りの呼び出しだろ。


佑樹の側近寄るなとか離れろとかお前邪魔なんだよとか言いたいんだろうなー。


しかも行かないと後が面倒くさいんだよ。


女子特有の陰険さで呼んだのに来なかったってことチマチマ言ってくる。


だるいけど行くしかねぇかー。










後に俺はこの時後が面倒くさくなろうとも行かなければ良かったと後悔することとなる。










そして放課後。


え?授業?


そんなの普通にやってきましたわ。


授業背景に異常なぞありはしない。


あえて言うなら授業の担当が女教師の時は佑樹がめちゃくちゃ当てられてる位かな!


俺は当たらないですむから楽だが佑樹のイライラはMAXでした。


イライラ溜まりすぎて「今日は本屋行こう」と言われました。


あいつにとって本屋行こう=イライラMAX=本爆買い後に読み耽るというストレス解消法であるからだ。


イケメンって大変だな(遠い目)


そんなことを思いながら屋上へ行くとそこには一人の女子が佇んでいた。


え。


一人?


しかも大人しげな女子だ。


うえええええええええええ!?


マジで!?


これははじめてのパターン!


現金にも突然ドキドキしだす俺の心。


さすがに大人しげ女子一人で呼び出しはないはず。


いや、周りに女子達がいるかもしれねぇし(混乱)!?


はっ!


呼び出しだと思って特になにもしないで来ちまった!


慌てて髪を整える。


息を整えて。


いざ行かん!俺の夢へ!













……………………………………………フッ。


知ってた。


そりゃあ知ってたさ。


俺みたいなフツメンより佑樹の様な美形がいいのは一目瞭然だ。


でもさ…………………。


「あのね。分かってないと思って。佑樹君は私の彼氏なのに貴方ばかり構うの。何でかな。私の彼氏なのに。好きだよって言ってくれたのに。毎日の登下校も貴方と帰ってばかり。確かに私は可愛くないから周りに言えないのもわかってるつもり。だって私なんかが佑樹君の彼女だってばれると他の女子達に苛められちゃうもんね。でももう少し素直になってもいいと思うの。なのに貴方は佑樹君の私への想いも知らないでベタベタ周りをうろついていて。少しは彼の事も考えてあげて?いくら幼馴染みだからって礼儀を弁えてほしくて。貴方も少しは自重しないと。それすら分かってないだろうから今日わざわざ呼んだのよ?佑樹君が幼馴染みの貴方にすら教えなかった私の存在を明かしてでも知ってもらいたくって」


これはねぇよ!


コレハナイ!


佑樹に彼女は居ない。


居たら真っ先に佑樹の兄 黒崎和樹(クロサキカズキ)さん(俺は(カズ)兄と呼んでいる)に言うだろ!


なにせ佑樹はブラコンだからな!


何よりさすがに俺にも言う。


16年間一緒に育っててそれくらい隠しはしないと断言出来るくらいには仲良いぞ俺ら。


「ねぇ。聞いてるの?ちゃんと聞いてくれないと。貴方が居るせいで私と登下校できないんだよ?放課後デートもままならないんだよ。幼馴染みの恋の邪魔してるって理解できないの?できないからしてるんだよね。貴方がいなければ佑樹君と毎日登下校できるのに。今日だってずーっと一緒にいたのに貴方が佑樹君の側を離れないから。本当に困るわ」


あのストーカーお前かよ!


いや、なんかねちっこい視線佑樹に送ってんなーとは思ったけどそこまでイッちゃってんですか!?


じりじりと近づくストーカーヤンデレ女子。


俺は恐ろしくなりじりじりとその分後退する。


ガシャンッと屋上のフェンスに当たったとき。


「死んじゃえ」


そんな言葉と共に俺は思いっきり強く押された。


「え」


本来ならそれだけで落ちることはなかっただろう。


だけどそのフェンスは何故か切れ込みがあり壊れかけていた。


それをしたのはこのストーカーヤンデレ女子なのか。


それは分からないがそのことにより不運にも俺はフェンスと共に落ちていく。


あ、これは死んだなと確信。


最後に見えたのは女の歪んだ笑顔。


そして。


「遥っ!」


焦った顔でこちらに飛び込み俺の腕を掴む佑樹の姿だった。


俺の手をしっかり掴みもう片方の手でフェンスを掴もうとした時。


「なんで…?なんで佑樹君は彼女の私よりそいつを選ぶの!?私の方が佑樹を理解してるのに!ねぇ!なんで!なんでよおおおおおおおおおおお!」


ストーカーヤンデレ女子が佑樹の背中を突き飛ばす。


「っのクソアマ!テメェなんぞ知らねーよ!」


フェンスを掴み損ね落ちていく俺と佑樹。


「これ、死んだな。すまん。最後まで俺の巻き添え食らったな」


落ちていく最中。


佑樹がそんなことを述べた。


それに俺は笑う。


どんなに大変でも16年間共に過ごしてきたんだ。


そんなこと慣れっこだっつーの。


なにより生まれた場所さえ同じだった俺とお前はほぼ兄弟だろ。


「んなこたーいいんだよ。それより俺らが死んだら和兄と秋姉泣くよな」


「それな」










どちゃっ。










error!error!予期せぬ死亡を確認しました!予期せぬ死亡を確認しました!


とある一室に突然のアラームが鳴り響く。


それを確認する一人の少年がいた。


「はぁ!?なんでこいつら死んでんの!?ちょ、姉さん!?なんだよこれ!?」


確認後ぎょっとした顔でソファに寝そべる女性に駆け寄る。


「なによー…こちとらいつもの神ミスによる集団事故の後始末がやっと終わって寝るんだから煩くしないで」


「そんな場合じゃねぇって!この二人たった今死んじゃったんだけど!?」


少年が指し示す方向には二人の少年の姿が赤色に染まって写っていた。


それを寝ぼけ眼で見る。


「はあああああああああああああ!?なんでこの二人が死んでんの!?ちょ、どういうこと!?」


「ぐぇ!?し、知らねぇよ姉さん!いきなり出たんだって‼」


そして二人の少年の死に際シーンを再生し見る姉弟。


そして愕然とする。


「……………。なぁ姉さん。気のせいかな。あのバカが見えるんだけど」


「気のせいにしたいけど残念ながら気のせいじゃないわ」


姉弟は揃ってため息をつき項垂れた。


画面には姉弟がバカと称した一人の男が楽しげに少女の後ろに写っていた。


まるでなにかを手にいれたかのように。


ずっと欲しかったおもちゃが手に入った子供のよう純粋に喜ぶ男。


その視線の先には既に死した二人の少年。


それを見てなにかを理解した姉弟は再度ため息をつく。


「“あの人”を諦めてなかったのね…」


「そうだね…。てっきり諦めてると思ってたけどさ。あいつよりによって僕達より強い神だし…弱ければ今すぐ地獄の監獄へ投獄できるのに!まぁ、僕達には無理だけど…………………ってあの二人の魂救出しなきゃ!」


「そうだわ!」


バタバタと慌て出す。


その時一人の少年が現れる。


「あの~…。輪廻管理長…。ボクの管理地で予期せぬ死が起きまして…。この二つの魂どうすればいいでしょうか…。なんか神が追いかけてきましたし…。怖かったです…」


『ぐっしょぶ!死神!』


「えぇ!?」


「とにかくこの二人の魂を地球以外の何処かに転生させよう!あ!あそこは!?あのとこは軒並み神力バカ強いからあのバカと同等何人かいるし!確かあの狼も居るよね!?ちょうど良くない!?あの狼可哀想だったし!なにより地球神以外で“あの人”に狂っていない数少ないお方!」


「あぁ!あそこね!いいわね!あの狼ちゃんだって喜ぶでしょ!地球神には後で報告するとして!ということで行くわよ‼」


ぐわしっ!


矢継ぎ早に言葉を交わし死神の襟首を掴む姉弟。


「ええええええええええ!?ボクもですかー!?これから仕事がーーーーーーー!」


死神の心の叫びは届かず。


姉弟と死神は何処かへ旅立っていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ