9話 成長とは速いものなのである
あの衝撃の事実発覚から早4年経った。
え?早い?
そりゃあ何にもないからな!
いやだって考えてみてくれ。
赤ちゃんだぜ?
そんなの寝るのが仕事であぶーとか言ってゴロゴロしたり兄ちゃんに相手してもらったりして日々を過ごすしかないだろ?
寝返りもハイハイも掴まり立ちもよちよち歩きも両親と兄ちゃんに見守られながら二人で普通にこなしたぞ?
あとはクロウがちょくちょく愚痴りに来てた。
あいつかなり苦労してんだよ、クロウだけに。
…うん、つまらないな!
見なかったことにしてくれ。
他に特別なこともなかったし。
それの何を話せと。
なので現在4歳!
まぁ、あえて言うとするなら佑樹もといシエル(4歳になったらさすがに佑樹とは言えないよなー)が言葉を使い始めた時、「おりぇもー」って言ったら家族総出で悲しい顔をして言葉使いを直そうとしてたことくらいかもな。
あの時からシエルは死んだ目をしながら女言葉使い出したぞ(笑)。
それからは元男だけど仕方なく女言葉で喋っている。
もっとも俺との念話では男喋りが続いてるけどな。
シエル曰く「そうしねぇと俺が保てねぇんだよ…」らしい。
あ、そうそう。
聞いたところどうやら俺とシエルが頭の中で話せるのは双子のみ使える固有能力ってやつだそうだ。
たしかクロウが言うには【一心同体】だったはず。
なんでもその【一心同体】ってのは結構色々使い方があるらしいぜ。
その内一つの使い方がこの二人でのみ可能な念話だったらしい。
詳しくはレベル上げてけば分かりますよー、多分。とクロウに言われた。
多分ってなんだろうな。
スキルについて言われちょっと疑問に思ったことがあった。
それはステータス画面とかみたいな自分や他の奴ののスキルが見れるようなやつがあるか、というこどだ。
これってファンタジーに転生したらまず知りたいことだよな!
ファンタジー特有のチート系能力って凄く滾るよな!
そう思ったのでクロウに聞いたらどうやらそれは能力【鑑定】か鑑定専用の魔道具がないと無理らしく俺とシエルは持ってないから無理らしいとの返答がきた。
ちょっとショック受けた。
いや、こうゆう転生系って大体持ってるやつ多いだろ?
だからかなり楽しみだったんだよ。
結構楽しみだったんけどなぁ…と二人でションボリしたらそれを見たクロウは僕がちょくちょく教えますから落ち込まないですくだいよぉ!とオロオロしてた。
それを聞いてよっしゃ!となった。
聞くと聞かないじゃ違うだろ?
クロウは【鑑定】持ってるらしいしレベルとしては最高らしいからな。
クロウちょろいぜ!
「そんなこと言う子には教えませんよぉ?(にこり)」
ちょろいぜ!と思った瞬間素晴らしく恐ろしい笑顔で言われました。
クロウは俺とシエルの念話聞こえるのすっかり忘れていた俺です。
シエルにも呆れられました。
つらたん。
で、固有能力とかあることを知り、他のスキルとか魔法とか世界とか種族についてとか色々詳しく聞きたかったんだけどそれは両親から聞いた方が後々いいんじゃないですかねぇ?と言われたので我慢した。
そりゃそうだよな、と思ったからだ。
だって誰も教えてないのに知ってるのはちょっと気持ち悪くね?
誰も教えてないんだぜ?
いくら4歳で本とかで学んだとしても、なぁ?
ちょっと無理があるだろ。
教えてないのに分かるとかいうのはあれだ。
ファンタジーや小説とかだから許されるものだ。
普通なら気持ち悪い、と思う。
俺の持論だけどな。
あと初めて知った風な演技は俺にはできないからな。
因みに演技は佑樹も苦手だったので同じくシエルも苦手だ。
佑樹の鉄仮面も受け継がれちゃってるしな。
そんなこんなで、文字とか常識とかを勉強を始めるだろう4歳までは二人で我慢しました!
なので最近は文字を勉強したりして書けるようになってきた。
言葉はクロウに翻訳あるから大丈夫だって聞いてるから平気だけど不安なのは読み書きだったんだよなー。
やっぱ異世界は日本語じゃなくて外国語みたいなうねうねした文字だったし。
でも意味は何となく理解できたし覚えるのは意外とすんなりだったが。
さすが吸収しやすいと言われる子供の頭だ、と感心したね!
前世の俺なんか英語5評価で2だったし。
あ?シエルの前世、佑樹はどうだったのかって?
あいつは5評価で5でしたよ!けっ!
オール5だったからね!あいつ!けっ!けっ!
前世の俺の姉であった秋姉は頭良かったのに何故だろうな…(遠い目)。
しかも両親ともに頭良かったのにな…。
遺伝は信用できないと悟りました、きりっ。
話が逸れた。
とにかく読み書きは覚えたので!
魔法とかのお勉強したいと思います!
まずはそれには両親を説得せねば!