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AppleStir  作者: んご
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8話

やっと本格的な戦闘シーン!

??視点



私は暗闇の中で目を覚ました。

状況が分からない、今日は何日だったっけ…と考えた所で

「うぎっぁっあああああああああああ!!」

右腕に強烈な痛みが走る。


相変わらず真っ暗で状況は分からないが右腕は何かに挟まれて潰れていると言うことは理解できた。

そしてまだぼんやりとしていた意識が右腕の痛みで強制的に覚醒すると

「い、嫌…そんな…嫌ぁあああああーーー!!」

私は全てを思い出して絶叫した。


私の私としての記憶はここで途絶えた。





苹果視点


eins(アインス)!」

私がそう叫ぶと私の両脚に紅色の光をかすかに放つ複雑な刻印が浮かび上がる。

これは私の家に伝わる陰陽術ではなく魔術、いや魔術とも言えないかもしれないものだ。

草壁の陰陽師は外部の術を取り入れることを拒み代々伝わる陰陽術の改良と身体の強化を行ってきた、それは2つの世界が1つになり魔術と言うものの存在が判明したときも変らなかった、かえられなかったと言った方が良いかもしれないが、そう言う理由で草壁家に連なる草薙家も魔術を取り入れることは無かった。


だが家を捨てた私にとってそんなしきたりや伝統など知ったことではない、使える力ならなんだって使おうと考えた私は独学で魔術覚えようとして行き詰った。

草壁の陰陽師は既存()の魔術は使えない、それの原因は何代にも渡り強化してきた身体にあった、

草壁の陰陽師は鬼を狩るときに鬼の封印と自己の身体の強化のために鬼の魂を自身の魂に封印する、そして封印した魂は次の代へと受け継がれその封印した数だけその家の者は強化されていく。

草薙の血を引く私にも本家の草壁ほどではないがそれなりの数の鬼の魂が宿っている、何故かはわからないがその鬼共の魂が魔術の行使を阻害するのだ。


だがそこであきらめる私ではなかった、私は草薙家の術の全てを習得し新たな術を手足の指では足りないほどの数生み出したのだ、物が変ろうと術は術だ基本的な構成が分かっている以上原因が分かっているのならいくらでもやり様はある、そうしてそれなりの歳月(厳密に言えば士官学校時代の週末の自由時間や休暇日)と気力を費やして私は鬼の阻害を受けない魔術らしき物を完成させたのだ。

完成させたときあまりの嬉しさに寮の自室で「やってやったぞ鬼共!!ざまぁみろ」と乙女にあるまじき叫び声を上げ心配した隣の部屋の人が心配して駆けつけたのはちょっとした黒歴史である。


魔力で強化された脚力で目の前にいたグールをその後ろに有るドアごと蹴り飛ばす。

ドガン!!

ドアと一緒に吹き飛ばされたグールはそのまま魔力を放出しながら灰に変りそのまま風に乗ってな流されていく。


そして回し蹴りを放った姿勢のままの残心を解き脚を下ろしてドアの外を見たとき私は息を飲んだ。

「ここから侵入しちゃうかな…?」

ドアの外…15区の市街地は魔物で溢れかえっていた。


「そう思うならもうちょっと後先考えてやって下さい」

遅れて出て来た雛鳥がため息をつきながら吹き飛ばしたドアとそこらに落ちている瓦礫で適当なバリケードを作って入り口をふさぐ。

二人で適当に瓦礫をつんでから数度軽くけって強度を確かめてからその場を後にする。


知らされた要救助者の居る座標の示す場所へと魔物を蹴散らしながら走る。

一体では雑魚と呼べるレベルのグールや半漁人のような見た目のドラウナーが大半を占めるのだが数がかなり多くなかなか思うように進めない、ロングソードでグールの頭を跳ね飛ばしながら雛鳥の方を見ると雛鳥はこちらにこくりと一度頷いてから私から距離をとる。

雛鳥が距離をとったのを確認した瞬間私は姿勢を低くして自分を強化術を発動させる。

acht(アハト)!」

私が改良した強化魔術は単純に数字で呼び分けている、先ほどのがeins一番弱くachtは八番目、強化の度合いに応じて必要になる魔力量、術式完成までの時間等が変わる、だが魔物をかなりの数倒した今なら空間に大量の魔力が溢れている。


だから私はそのまま強化を重ねる。

「acht!!」

強化されて紅色の光を放っている私の脚は重ね掛けされた強化によりその光を真紅に変える。

強化をかけた私は姿勢を低くしたまま右手のロングソードを前に構え、前方の魔物の群れに突っ込んだ。

(草薙流長剣術突進一ノ型ーー烈風--)

強化された脚力での一歩の踏み込みで地面が爆ぜ、周囲の魔物を風圧で吹き飛ばしながら15mほどの距離を一瞬で移動する、だが私はそこで止まる事無く更に踏み込む。

(二ノ型ーー瞬突ーー)

二度目の踏み込みで更に速度を上げた私は正面に居るグールの頭にロングソードを突刺し、

(三ノ型ーー火車ーー)

そのグールを縦に切り裂きながら自分に縦に回転する力を加える。

私は体を丸めるようにしてそのまま回転する、宛ら車輪の様に回転しながら魔物を蹴散らし魔物の群れを抜けたところで私は空中で体をひねって音も無く着地する。

そこで一度座標の方向を端末で確認した所で悲鳴が聞こえた。


「うぎっぁっあああああああああああ!!」


明かに異常な叫び声を聞いて雛鳥が魔物の群れの向こうから声を上げる。

「お嬢!急いでください!僕も五分で追いつきます!」


その声を聞きながら私は叫び声の聞こえた方向に走り出した。

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