5話
短いですけど次回投稿までの期間が長くなりそうだったので先に投稿しちゃいます
タタタッタタタッタタタッ
一定のリズムで私の構えているアサルトライフルが弾丸を吐き出し全ての弾が寸分違わず30m先のトロールの眉間へと吸い込まれる、5mぐらいある巨体がズシンと音を立ててそのまま後ろへと倒れたのを確認してからしゃがみ撃ちをしていた私は立ち上がって伸びをする。
「んー…」
「苹果少尉おつかれさま」
「アリサ少尉もお疲れ様」
労いの言葉を掛けてくれたアリサ少尉に返しつつ私は少しはなれた場所に止めてある装甲車に向けてひらひらと手を振る。するとすぐにエンジンを始動してこちらに近づいてきて運転席に座っているアーク中尉から声が掛かる。
「次のポイントまでは距離があるから乗車しろ」
指示に従って装甲車に乗車すると車が発進して次のポイントへと向かう。
現在昨日装備品を選び終わってそのままサクヤに装備品の細かい調整をしてらった翌日の午前11時、
配属されてから初めての任務は予定通りに街の外周に張り巡らされた防護壁の警邏任務。
移動中の装甲車の少し窮屈な車内の向かい合わせのベンチのような座席の左側後部に私が座っていて、私の正面に雛鳥、その隣には黒髪のポニーテールに釣り目が特徴的な少し小柄な女性アマレット軍曹、そしてアマレット軍曹の正面私の左側には金髪に青い瞳が印象的な男性マイヤー准尉…がのんきに寝ている。
運転席ではアーク中尉が運転していてその横の助手席ではアリサ少尉がなぜか内臓が飛び出て頭に槍の刺さったペンギンの人形を抱きかかえてボーっと外を眺めている。
「苹果、少尉」
やることも無くボーっとしていたらアマレット軍曹がどこか喋り難そうな雰囲気で声をかけてきた。
「喋り易い話方でいいよ?」
「そっか、じゃあ苹果あんたの銃は?そのライフルは任務で支給された奴だろ?」
アマレット軍曹はとても順応性が高いようだ…まぁ自分から言い出したことなので気にはしていないが
「私はこの銃しか自分の銃は持ってない」
そう言って私は自分の太腿のホルスターを指差す
「じゃああの馬鹿でかいケースは?」
アマレット少尉が指差すのは私の丁度真上の位置にあるラックに置いてある長方形の金属製のケース
「アレは実体剣」
「実体剣?光剣じゃなくて金属の剣?」
アマレット軍曹は頭の上に大量の疑問符を浮べて問いかけてくる
「そう隕鉄製の、任務が終わったら見る?」
私がそう言うとアマレット軍曹は目を輝かせて嬉しそうに言う
「ほんとに!?だったらこんな任務さっさと終わらせないと『ドンッ』なっ!?」
アマレット軍曹が喋っていた途中で大きな爆発音が聞こえて驚愕の声を上げる。
そして数秒間装甲車に砂が当たっているようなチリチリという音の直後ガンッと硬いものが当たる音
車が急停止して隊長が口を開く
「岩が降ってきている!原因は不明!各自待機車外には絶対に出るな」
車に岩が当たる音を数十秒聞き続け音が止んでからしばらく待ってから隊長から指示が出る。
「アマレット軍曹と苹果少尉は車両の周辺を確認して安全の確保、マイヤー准尉は車両前方の邪魔な岩をどかせ、雛鳥少尉は主兵装を準備して車両の上に、上に上がったら爆発音のした方向を確認、アリサ少尉は車内待機」
「「「「「了解」」」」」
全員同時に返答して雛鳥は銃の準備をして天井の扉を開けてルーフの上へ、私とアマレット軍曹は後方の扉を開いて外に出て車両の周辺を警戒しながら確認する。
私は一通り確認してから無線で隊長に報告するとすぐにマイヤー准尉が外に出てくる、私とアマレット軍曹は周囲を警戒しつつ車の上に上がった雛鳥からの報告を聞く
「一時方向防護壁内部に黒煙確認、原因は不明ですがこちらが風下ですが火薬の匂いがしません…爆発物では無いようです」
私は雛鳥の報告が気になって周辺の石を手にとって確認する
そして嫌な予感が当たった私はすぐに報告する
「周辺の岩はミスリルとアゲートの2層構造になってますこれはおそらく」
そしてアーク隊長も予想していたようで私の言葉を引き継ぐ
「あぁ…防護壁と見て間違いないだろう…本部と無線がつながらない、直接黒煙の見えた方向へ行く、マイヤー准尉車両前方の岩の撤去は終わったか?」
次回は20日までに投稿できると良いなと思いながらマイペースにかいていきます