4話
今回はちょっと短め
「これは・・・」
サクヤ主任に連れられて入った保管庫で私は感嘆の声を上げる。
部屋の入り口から棚が大量に並びさまざまな種類の武器や弾薬が保管されている。
「苹果少尉こっちよ」
どこか得意げなサクヤ主任は私に声をかけて目的のものがあるところまで案内する。
そして部屋の一角にある刀剣がいくつか置いてあるスペースで立ち止まって説明をしてくれる。
「ここにある剣は全部隕鉄製の剣よ、試作品だから混ぜてる素材とかは区々だけど性能はあまり変わらないから好きな物を持っていっていいわ」
そう言われて私は目に付いた剣を手に取り品定めをしていく、数本候補を選んだところでふと思いつきサクヤ主任に声をかける。
「サクヤ主任、試し切りとかはできますか?」
「えぇ、別の部屋にあるわ、あと私のことはサクヤでいいわ、研究者には軍の階級なんて無いし」
「じゃあサクヤ、早速案内してもらえる?」
私は棚に置いてあった2本の刀と1本のロングソードを手に持ってサクヤに案内を頼む。
「ついてきて」
サクヤはそう一言告げると私達を性能試験室とプレートの掛かった部屋まで案内する。
私は一人だけかなりの広さのある何もない部屋に通されて残りは全員そのまま横の通路を通ってこちらの部屋の天井近くから突き出たガラス張りの部屋に入る。所謂モニタールームと言うやつだろう。
そのまま少し待っていると準備が終わったのかスピーカーからキィインと言うハウリングの音の後にサクヤの声が響く。
「トレーニング用のターゲット出すからちょっと待ってて」
私は持ってきた3本のうち一番軽い刀を手に持ち鞘から抜いて数回振って感触を確かめつつターゲットが出てくるのを待つ
私が刀を鞘に納めると同時にガコンと音を立てて数箇所床のタイルが開いてターゲットが3つ出てくる。
ターゲットはグールをデフォルメしたような物でその顔には哀愁が漂っている・・・気がする。
「すぅ・・・はぁ・・・ッ」
私は深呼吸をしてから踏み込む
3歩目の踏み込みで刀の柄を握り抜き放ちのターゲットを切断する、そのまま1つ目のターゲットの後ろに回りこみ振り向きざまに切りつけ、振り抜く途中で手を返し3度目の斬撃をターゲットに叩き込む。
刀を鞘に戻し鞘と鍔の当たるチンと言う音と4つに分断されたターゲットが床に落ちるバタバタと言う音を同時に聞きながら少し軽すぎるなと考える。
刀を地面に置き2本目の刀を手に取り鞘から抜く、反りのまったく無い直刀を構えて2つ目のターゲットを見据える。
「ッーー!!」
距離を詰めてターゲットの胴を真一文字に斬る、数瞬遅れて背後からボトッとターゲットの上半身が床に落ちる音が聞こえてきてから私は刀を鞘に戻し3本目の刀を取りに行く。
3本目の肉厚の刀身を持つロングソードを鞘から抜いてしっかりとした重さを手に伝えてくるそれをみながらやっぱりこれかなと考える。
ターゲットの正面に立ちロングソード構える先ほどの2回と同じように強い踏み込みで一瞬で距離を詰めるとターゲットの胴を上下に両断する、そして重い刀身に引っ張られる腕を膂力で引き戻し手を返して浮いたターゲットの上半身をもう一度斬りつけ3つに分断されたターゲットをまとめて上から叩き潰すように斬る。
そして私がロングソードを手に持った鞘に収めるとスピーカーからサクヤの声が響く
「苹果少尉すごいわね…どれか気に入るものはあった?」
モニタールームから私を見つめるサクヤに私は手に持ったロングソードをちらりと見てから頷いた。