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AppleStir  作者: んご
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2話

能力テスト戦闘シーン

「能力テストはVRでのテストで内容としては規定の装備で数種類の戦闘のシミュレーションになってるわ、装備は制式装備の光剣、ハンドガン、レーザーライフル、ハンドガンの口径は45で光剣とレーザーライフルのバッテリーは共用になってる。シミュレーションの内容はある程度ランダムになってるから指示に従って目標を達成すること、説明は以上だけど質問はある?」

時間は13時過ぎトレーニングルームで私と雛鳥はアリサ少尉から能力テストの説明を受けている。

「私は大丈夫」

「僕も大丈夫です」


「じゃあ始めましょうか、そっちのカプセルに入って、途中で気分が悪くなったりしたらシステムメニューからコールしてくれたら対応するわ」


アリサ少尉は質問がないことを確認するとVRカプセルを指差して中に入るように言う。

中に入るとアリサ少尉が装置を操作して声をかけてくる。


「じゃあ起動するから目を閉じて、行ってらっしゃい」


指示に従い目を閉じて待っていると目の前が急に真っ白になる、真っ白な空間の中で待っているとロードが終わったのか森の中に転送される。直後に視界の右上に指示が表示される。


・装備品の確認


確認したら更新されるのだろうか?とりあえず指示どおり確認しておくか・・・。

アリサ少尉の説明通り光剣1本ハンドガン1丁レーザーライフル1丁、光剣とレーザーライフル用の予備バッテリーが5つ、1つあたりの容量は光剣なら5分、ライフルなら10発分になる、ハンドガンの予備弾装は7発入りのマガジンが4つ、それぞれの装備に装着済みの物も合わせるとバッテリー7つにハンドガン用マガジン5つ。

それぞれの装備の特徴は、光剣は熱で大抵の物は両断できるがノーマルタイプで支柱がないので物理的な干渉が出来ないため相手の攻撃を受け止めたりは出来ない。ハンドガンは特に改造などはしていない物だが弾丸は銀なので魔物相手でもある程度の効果は期待できる、が一部の装甲を持つ魔物や例の異物には通用しないだろう。レーザーライフルは威力も高く命中精度も高いが連射すると銃身の温度が上がってセーフティーがかかり放熱のため一定時間使用できなくなる、また内部にあるプリズムと呼ばれるレーザーの集光装置は衝撃に弱いため銃本体への衝撃は出来る限り避けた方が良い。

装備の確認を終えたところで目標が更新される。


・対象の撃破(グール:0/1)


「グールか・・・まずはどこに居るか探さないといけないのかな・・?」

グールは人型の魔物で基本的に集団で行動する、凶暴で人や家畜を襲って食べる、1固体は大した脅威ではないが集団になると少々厄介で田舎の村や集落が襲われて壊滅したなんて被害もよく聞く話だ。

「・・・?」

グールの特徴を思い出しながら歩いていると森の鳥が一気に飛び去った、なるほどあそこか。

鳥が逃げ出したあたりを探しているとグールは簡単に見つかった。

「これくらいなら武器はいらないか・・・」

呟くとグールがこっちに気づいたようだ、思ったより耳はいいらしい。

「アァアアアアア!!」

こちらに気づいたグールは姿勢を低くして距離をつめてくる。

私は距離をつめた勢いのまま飛びつこうとしてきたグールの側頭部を蹴りつける。

「グゲッ」

グールは悲鳴を上げて3メートルほど吹き飛ぶ、吹き飛んだグールの所まで歩いて行き足で立ち上がろうとしているグールの頭を押さえつけそのまま踏み潰す。

「プギャッ」

なんとも微妙な断末魔を残しグールが絶命すると同時に右上に表示されている目標が更新された。


~アリサ少尉視点~


「うわ・・苹果少尉えげつないですね・・・てか苹果少尉も雛鳥少尉もなんで素手でグール倒してんですか」

私は苹果少尉と雛鳥少尉の能力テストをモニターしながら横のアーク中尉に問いかける。

「弾薬の節約だろうけど素手であんな戦い方できる奴なんてこの基地に数えるほどしか居ないだろうな・・・」

画面の中で20体以上のグールを相手に素手で戦う苹果少尉と雛鳥少尉を見ながらアーク中尉は呟く。



それ以降私とアーク中尉は一言も喋らずにモニターを見つめるのだった。


~雛鳥視点~


「これは素手だと無理だよなぁ・・・」

僕は目の前の大型の怪物を見上げながら呟いた、大きな嘴、四本の足には茶色の羽と背中には大きな白い翼。

グリフォン、特殊な攻撃をしてくることはないものの足に生えた鍵爪と嘴、暴風を生み出す翼は充分な脅威だ。

今の装備で攻撃が通るのは光剣とレーザーライフルだけだろう、いくら銀の弾丸でもハンドガン程度の威力ではグリフォンの筋肉は貫通できない、怯ませることくらいにしか使えないだろう。


視界の右上にある目標には


・対象の撃破、又はセーフティーゾーンへ撤退(グリフォン:0/1)


普通はこの装備では戦わないから当然といえば当然か・・・

そんなことを考えているとグリフォンが大きく羽ばたき飛び去る、おそらく距離をとってから突進してくるつもりだろう、グリフォンの突進なら森にはえている木々も軽く薙ぎ倒される、邪魔な物がない平原に移動した方がいい。


全速力で森を抜け平原にたどり着き呼吸を落ち着ける。

周りを見渡すと森の上を飛んでいるグリフォンを見つけた、僕はその場に伏せてレーザーライフルを構えスコープを覗くとグリフォンもこちらを見つけたのか空中で体勢を整えこちらを見据えていた。

ライフルの有効射程は800mそれ以上は遠くなるほど威力が落ちていく、グリフォンとの距離は約1500m、グリフォンの飛行速度は個体差はあるが大体時速900km前後、有効射程に入るまで約3秒入ってから接触までも約3秒余裕はある。

スコープの中のグリフォンがこちらへ向かって滑空を始める、グリフォンの右目を狙い続ける。

グリフォンが有効射程に入ると同時に呼吸を止め手振れを抑えトリガーを引く、発射されたレーザーは僅かにそれて、グリフォンの目元の羽を焦がす。

呼吸を止めたまま狙いを修正してトリガーを引く。

「ギャァアアアア」

2発目のレーザーはグリフォンの右目に命中してグリフォンは空中で体勢を崩す、だがこのままでは僕に突っ込んでくる。

「やばっ!!・・・ってうわぁ」

咄嗟にライフルを置き去りにして横に転がるようにして突っ込んでくるグリフォンを避けたもののライフルがグリフォンに押しつぶされ装着していたバッテリーが爆発してその爆風に吹き飛ばされる。

「よっと・・・?」

空中で体勢を立て直して何とか着地すると、視界に全目標達成の文字、どうやら爆発を至近距離で受けたグリフォンはそれが致命傷になったようだ。


しばらく待っていると視界がホワイトアウトしてVR空間から現実に引き戻される。


~苹果視点~



25体のグールを倒し終わると視界の右上に出ていた目標が更新される


・対象の撃破、又はセーフティーゾーンへの撤退(コカトリス:0/1)


目標の更新と同時に上空から大型の魔物が目の前に着地する。

コカトリスは蜥蜴と鶏を合わせたような魔物で爪と口に毒腺を持っている、体表の鱗はハンドガンの弾丸くらいなら跳ね返すだろう。

「すぅ・・・はぁ」

私は深呼吸すると光剣のスイッチを入れてコカトリスに向かって駆ける。

翼を広げて飛び立とうとしていたコカトリスは驚いたのか一瞬大きく目を見開く、飛び立つより私の攻撃の方が早いと判断したのか毒液をこちらに吐いてくる。

私は毒液を最小限の動きで避け距離をつめて光剣で嘴の根元を切り落とす。

「ギョエエエエエエエエエ!!」

激痛でコカトリスが暴れだすが無視して首の後ろに飛び乗る、そして光剣をコカトリスの左目に突き刺す

「ギャァアアアアアア」

光剣は脳まで達したはずだがどうやらこれでは足りない様だ。

「ふむ・・・」

私は暴れ回るコカトリスの鶏冠を掴んで振り落とされないようにしながらバッテリーを取り出し潰れた目に突っ込むとコカトリスの頭を蹴って地面に降り立つ。

「ギャァアアアアアアアアア」

「さよなら」

コカトリスは私を見つけた瞬間鋭い爪の付いた足で襲いかかってくるがそれよりも早くコカトリスの目に仕込んだバッテリーをハンドガンで撃ち抜く。

銃撃を受けたバッテリーは強烈な爆音を轟かせコカトリスの頭を吹き飛ばす。

大量の血しぶきと吹き飛んだ脳漿が私に降りかかる・・・最悪だ。

「せっかく格好よくキメたと思ったのに台無しじゃない・・・」

そんなことをぶつぶつと言っていると視界の真ん中に目標達成の文字が現れる。

しばらくすると視界がホワイトアウトして現実の世界へと引き戻された。

思ったより長くなってしまったので装備品チェックはまた次のお話に持越しです

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