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AppleStir  作者: んご
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1話

メンバー紹介ほのぼの回

御剣苹果(みつるぎへいか)少尉は…えっと第3小隊へ配属ですね。装備品はこちらで手配しておきますので1つ上の階にある第5ブリーフィングルームに行って下さい」


入隊式が終わり受付の窓口で書類の手続きを終わらせた私は配属先を聞いてブリーフィングルームに向かう、

ドアの前で身形を整えて息を大きく吸ってドアを開ける。


「本日付で第3小隊に配属になった御剣苹果少尉です・・・?」


あれ・・・?部屋間違えたかな?人がいない、いやいるんだけど3人しかいない。落ち着いて部屋の表示を見る第5ブリーフィングルーム・・・うん、あってる。なんて一人で考えていると向こうから声をかけられた。


「あぁ、今日はこれで全員だよ、ほかの隊員はちょっと急な任務で出ているから、といってもここに居ないのは2人だけだけどね」

衛生兵?のような装備で身長が低めの金髪の女性がどこかうれしそうに言う、階級は階級章を見たところ少尉で自分と同じようだ。


「すこし遅かったね、私は小隊長のアーク中尉、そっちの金髪はメディックのアリサ少尉、もう一人は・・・君のほうがよく知っているかもしれないね」

スキンヘッドの真っ黒な巨漢が軽く自己紹介してくれる、彼の指差す方を見れば嬉しそうにこちらを見つめる見知ったネコミミ。


「お嬢、これからもよろしく御願いします」

彼の名前は御剣雛鳥(みつるぎひなどり)、ネコミミ、角付、女顔、とやたらに属性の多い彼は名字は同じだが弟でも兄でもない、少し遠い親戚なのだが訳あって私が彼の名字を借りている・・・まぁ長い話しになるのでいまはそれは置いておこう。ちなみに彼のネコミミも角も本物だ彼の家は少し特殊で色々な獣人族の血を引いているのだ。ちなみに尻尾は生えてない。


それぞれ自己紹介が終わったところで隊長がスケジュールを伝えてくれる。

「残りの二人明日紹介するとして今日は君たち二人の能力テストと装備品のチェックをする。13時から始めるからそれまでにトレーニングルームに来てくれ、アリサ少尉、二人の案内を頼む」


「アイアイ、って事は13時まではフリーって事でいいんですね?」

「あぁ」

「やったー、じゃあ早く食堂行ってお昼にしましょ」

どこか嬉しそうに質問をしたアリサ少尉に隊長が頷くとアリサ少尉は私と雛鳥の手を取ってぐいぐいと引っ張って部屋を出る。


「へぇ、って事は二人は極東の出身なんだ、名前からしてそっちの方の人だとは思ってたけど」

「えぇ、旧日本の方にすんでたの」

落ち着きを取り戻したアリサ少尉と食堂へ向かいながらお互いのことについて話す。

「それより私気になってたんだけど雛鳥君のそれは本物なのかな・・・?」

興味津々といった感じでアリサ少尉は雛鳥のネコミミを指差す。

「触れば分かるわ」

そういって私は雛鳥の首を掴んでアリサ少尉に差し出す、雛鳥が小声で「ヒエェ」と悲鳴を上げた気がするが気のせいだろう。

「では失礼して・・・はぁあふわふわ~」

アリサ少尉は雛鳥の耳に手を伸ばして触ると恍惚の表情を浮べる。

「僕はいろんな獣人との混血ですから・・・耳も角も本物ですよ、こっちには耳ありませんし」

雛鳥は耳を触られるのがくすぐったいのか時折体をビクビクさせながら人間なら耳がある場所の髪を手でのけて見せる。うん、なにもない。


そうして歩くこと数分雛鳥の耳の虜になったアリサ少尉につれられて食堂へとたどり着いた。

「そっちの受付端末でメニューを選んでパーソナルカードを当てれば代金の支払いは終わり、あとはあっちの受け取り口でパーソナルカードを当てれば注文したものが出てくる。水とかは出てこないから飲み物も一緒に頼んどいたほうがいいよ、ちなみに私のオススメは<八つ裂きパフェ>」

「えらく物騒な名前ですね・・・」

食堂のシステムを簡単に説明してくれるアリサ少尉とオススメメニューのネーミングの微妙さに微妙な表情をする雛鳥。

とりあえず、お腹も空いたしさっさと注文しよう。

適当にお茶とサンドウィッチとお勧めされた八つ裂きパフェを注文してカードを当てる、清算が完了したのを確認して受け取り口に向かう、アリサ少尉が増量と書かれたボタンをひたすら連打していたのは見なかったことにしよう・・・。


「っ・・・」

受け取り口で注文した食事を受け取った私はあまりの衝撃に絶句した。

お察しの通り八つ裂きパフェだ、なんというかこれはひどい・・・食への冒涜ではないのか・・・?

パフェの器はかわいらしいガラスのペンギンを模したモノなのだが問題は中身のパフェである。

パフェ用のグラスだから当然上の部分は空いているのだがパフェの一番上の部分のがピンク色のアイスが芸の細かいことにたくさんのしわのようなものが刻まれ上から赤いジャムのようなものが塗られている・・・

まるで脳のような、というか脳そのものな見た目のアイスがペンギングラスと相まってまるで脳みそ丸出しのペンギンだ・・・。

しかもその下の層も細かく材料が詰められていて・・・人体模型を見て居る様な気分だ、そしてとどめとばかりに脳天からまっすぐ付き刺さる槍を模したスプーン・・・もうやめてあげて・・・。


SAN値を削られた私はなんともいえない気分で適当な席を確保して二人を待つ。

しばらくすると雛鳥も微妙な表情で八つ裂きパフェを見つめながら私の隣に座る、そしてアリサ少尉が更なる衝撃をつれて向かい側の席に座る・・・。

「「なっ・・・」」

雛鳥と共に絶句した私の目の前にあるのは私のモノと比べて5倍くらいの大きさの八つ裂きパフェ・・・。

大きくなったからか心なしか器も中身のパフェも悪い方向にクオリティが上がっている。

「じゃーん、400%増量八つ裂きパフェです!!」

嬉しそうに言うアリサ少尉、笑顔が眩しい。

「ではいただきましょう~」

アリサ少尉に促され私と雛鳥はなんとも残酷な槍の刺さったペンギンを眺めながら食事を食べ始める。


食べはじめて1分ほどで大盛のカレーを平らげたアリサ少尉は八つ裂きパフェに手を伸ばす、そして。

グシャ

「「ヒィイ」」

ズボッ

「「アッアァアア・・・」」

もぐもぐもぐ

なんとも優雅にペンギンをオーバーキルしていくアリサ少尉と私達の食事はこうして過ぎて行くのだった。

余談だけれど八つ裂きパフェは結構美味しかった。

次回能力テストと装備チェックの回

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