消えない最愛
突発的の産物
彼の我慢の限界が私の最後になった。
私の最愛の人は、少し独占欲が強かった。私が誰かと話すのを、接触を、目に触れるのを、全てを嫌がった。でも、それを叶えてあげることはできなかった。社会で生活する上で、彼の願いを叶えることは難しい。それでも彼は私を閉じ込めたがっていたけれど、学生だった私には拒むことしかできなかった。それに、両親はそんな彼の異常性に気づきだしてて、彼との交際を反対するようになってた。両親は私を彼から守るべく、軟禁に近いことをしだした。学校に行くのも送り迎え、家からは両親とじゃないと出かけられなくなっていて、彼と会うことすら難しくなった。
それでも、私は彼を愛していて、彼も私を愛していてくれて、お互いの想いは消えなかった。消えなかったこそ狂ってしまった。
世界史のつまらない授業を聞き流しながら窓から外を眺めていた時に、私の視界に彼が入り込んできた。校門の前に立ち、私を見つめる彼を見つけてしまった。久々に彼の姿を確認できた私には歯止めなんて効かなくて、そのまま校門まで飛び出した。それが私の最後になるのに。
それからは早かった。彼と共に学校から、両親から、全てから逃げるように、彼の部屋へと向かった。
幸せ、幸せだ。たとえ、彼が刃物を私に向けながら泣いていても、幸せだ。たとえ、私の心臓から血が吹き出していても、幸せだ。愛おしい彼が私を殺してくれる。最後に見るのが彼で幸せだ。私の全てが彼で埋まっていく、幸せだ。彼の全てが、私で塗りつぶされる、幸せだ。こんなに幸せになれるならもっと早く、彼に殺してもらうんだった、なんて思えるぐらい幸せだ。涙を流し、私を抱きしめながら愛を囁く彼に"永遠に愛してる"と伝えられていたらいい。私の意識が遠退きながら吐き出した言葉となったかもわからない想いが、彼に伝わってたらいい。
永遠に愛してる。私にはあなただけよ。愛してる。
彼の最後も今日だったらいい。彼の最後に写るものも私であってほしい。私だけのあなたでいればいい。きっとそうなってる。幸せだ。あなたを愛せて、あなたに愛されて、私は幸せだ。
愛してる、永遠に。
続けられたらいいなと。三日坊主治したい。
彼女も、彼も、両親も、全てちょっと変なのかな。そのんなお話です。
次回は転生してたい。彼女を転生させたい。消えない最愛は次回のタイトルが本当は良かったかもしれないお話にしたい、なと思ってます。続けば…。
読んでくれる人がいますように。