第0話
僕はきっと忘れられないのだろう
あの日々は僕にとっても宝物だったのだから
耳から離れない君の声。
今もまだ残っている君の手の温もり。
それはきっと一生消えることはないのだろう
数えきれないほどの時を過ぎ、僕の周りの世界が変わろうとも、消えてはくれない。
好意と憎悪、尊敬と侮蔑
あの瞬間に君が向けてくれた感情が何だったのか?
僕には今や知る術はないのだけれど、できることなら恨んでほしい。
僕は滑稽で愚鈍で。
答えを見つけられる機会はあったのだろう。
でも、見つけられなかった。
だから、僕のせいなのだ。
もしも、君が誰かに責任を求めるならそれは僕にしてほしい。
君にとってのこの世界は息苦しいものだったかもしれないけど、決して悪いものでないこと覚えていてくれたらと願う。
だから、責任は僕一人が負おう。
悪いのは僕だ。
......こんなことを言いながらも、心の中ではこれで君に嫌われしまったらどうしようと思うのは、虫がいいのだろうか?
多分、君のことだから笑うんだろうね。
嫌われたくないなら、そうすればいいじゃない。
なんて言ってさ、僕に微笑みかけるんだ。
そして、僕は苦笑する。
それができないからこうなっているんだ、と言いながらね。
なら、諦めたら?って君は言う。
でも、君に嫌われたくないんだよと返すと君は僕をバカにするように笑う。
その後に、君が言うだろう言葉はわからない。
知りたいけれど、それはできないのだ。
僕に向けて君が言葉を紡ぐことはもう夢の中でしか起こりえない事なのだから
起きてしまった過去は変わらない。
だから、僕は一生君のことを忘れないし、君も僕のことを忘れないだろう。
君は僕で、僕は君だったあの頃とは人に言われるでもなく自分でも変わったと思う。
今の僕とあの頃の僕の違いは君の有無だけなのだけれど、差は大きい。
さて、前置きが長かったかな?
退屈させてしまったら謝るよ。
本題に入るとしよう
興味はないかもしれないが、聞いてくれると嬉しい。
今の僕を作る話。
僕と君の話。
タイトルをつけるとしたらそうだなぁ……
ちょっと恥ずかしいけど、『夢に見るはあの時の空』なんてどうだろう?
僕としてはぴったし。
今でも、夢に見るのはあの日の事だから。
それじゃあ、始めようか。
誤字脱字があったら言ってください。
お願いしますm(_ _)m
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