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第五章 追われるあの子をお持ち帰り♪

長えェェエエエぇ


から頑張って







 ☆紅葉(くれは)


「くしゅん!―――――だー、風邪引いたぁ。誰かが噂でもしてるのかも」


 可愛らしいくしゃみの後、少女はおっさん臭い声を出してうなだれている。黒板がガツッ、と嫌な音を出して、鉄くずの塊がどさっと落ちた。紅葉がくしゃみした勢いでP(ピー)Pを投げちゃったようだ。

 キキがぴょんっと(実際は空間転移に近いので音は出ない)飛んできてPS(ピー)からメモリースティックDUOを取り出して、UMDも取り出して紅葉に手渡した。


「ゲーム次郎七世も壊れちゃいましたね」

「あれ?名前なんてあったんだ」


 何機目だよ!とツッコミたくなる。キキは壊れた七世の代わりにもう一台取り出した。


「ゲーム次郎八世?」

「井上竜夫君です」

「竜じいっ!?」


 ってか、先代と全然関係ねーじゃん!という紅葉の叫びが、ほとんど無人の教室に響いた。と同時に、外から二匹の男子生徒の声が聞こえた。


「・・・そうそう。アークに話があるんだった」


 言い終わる頃にはキキの姿は消えていた。


 腐っても従者と言うわけか・・・。








 ☆アーク☆


 説教が二時間近く続いた。全く、今日は補習がなくて学校に来なくてよかったはずなのに、とぐちぐちと毒づきながら校庭を移動するアークとオウジ。

 昨日のどんちゃん騒ぎのせいで、アークだけでなく全く関係ないオウジまでが学校に呼び出された。いつもは補習でここまで来ていたが、今日だけは休みだったのに、結局来てしまうはめになった。


「ったく!なんでおっさんがいねーんだよ!」

「全くです!あの人が全ての元凶だっていうのに!」


 ぶつぶつぶつ・・・、と念仏のように愚痴を唱え続けた。

 永遠と校庭を歩く、歩く。




 あ、とオウジが何かを思い出した。


「そうだ、アーク。今な、依頼受けで例の爆弾魔を追ってんだよ。テメェもどうせ、どっへんな所で関係持ってんじゃねーか?なんか教えてくれよ」

「『どうせ』ってなんですか・・・」


 まぁ、一応知ってますけど、と小さな声で付け加えて、さらに続けた。


「あんまし詳しくはまだ分かってません。確証も持ててませんしね。ってか、僕だって昨日まであんな事件知らなかったんですよ?」

「ふふん♪やっぱなんか知ってんだな?」

「まぁ、ね・・・・・、」


 少し得意気なオウジの態度に、若干イラッときた。


「紅葉さんに話した方が良いかなぁ、て。あの人なら何か知ってそうだから」

「そう、だな・・・、てか、あのロリババァ(くれは)が主犯だったりな」


「あながち間違いではないかもしれませんね」


「「うわぁっ!!」」


 談笑中にいきなり、誰も居なかった目の前から声が聞こえて、二人とも後ろに飛んでしまった。改めてそこを見ると、キキが手を前で重ね、礼儀良く、それと完全な無表情で立っていた。噂をすればなんとやら、だ。


「(ってか、正確に目の前にとんでこれるなんて)」

「(どこからか監視されてたりして)」

「(こ、怖えー・・・、)」


 そう考えると、自然とヒソヒソ声になっていた。


「アーク・ルドワー」

「は、はいっ!!」

「紅葉様がお話があるとかないとか」


 唐突に名前を呼ばれ、変に声を出してしまっていたが、なんだ、そんなことか、とほっと胸をなでおろした。というより、アークにも用があったから、別にいっか。

 アークは紅葉が居るであろう旧校舎五階を見上げた。ちなみに、旧校舎はエレベーターが動いていない。たかが五階、されど五階。正直しんどい。


「あのー・・・、できれば僕も、一緒にとばしてくれま、せ、ん」

「あいつ、言うだけ言って帰ったぞ」

「はぁ・・・、」


 旧校舎が、いつもより高く見えるのは僕だけでしょうか?









「それで、話って何なんですか?」


 タラーっと汗を垂れ流し、嫌みたっぷりな笑顔で質問をしてやった。

 しかし、質問された本人はというと、


「とぉ!ってい、あっぶっ!!・・・でりゃぁぁああ!!」


 P(ピー)Pの画面を睨みながら、そんな奇怪な声を上げていた。ヘッドホンにフルボリュームなので、勿論アークの声など届いていない。


「・・・はぁ、」

「溜息吐くと幸せが逃げちゃうよ?」

「忠告どうも。それより話ってなんですか?」

「そっちから話したら?君だってあるんでしょ?」


 画面から目を離さずに会話を続ける紅葉。さっきも言ったが、ヘッドホンにフルボリュームの状態で、アークの声など届いていない。それどころか、目も開けていない。


 これが紅葉(くれは)の超能力。

 小説とかの文章見ると、目の前に映像が浮かんでくる、なんて人がいたとしたら彼女はその逆。近くの状況を文章として認識することができるらしいのだ。紅葉(いわ)く、目を瞑りながらでもゲームは出来るし音だって文章として入ってくるため、結構便利なんだそうだ。彼女の能力については、一年間一緒にいたアークでさえも詳しくは分からない。だからゲームに集中してても返事ができた、ということだ。


「えーっと・・・、話と言うより質問なんですが、フレム・リュングベルについて何か知ってたりしませんか?ってかなんかやりました?」

「フレム・リュングベル?あぁ!あの爆弾魔のことか。知らないって、んなやつの事なんて。・・・まさか、世界中の事件という事件の原因が私だと思ってない?」

「そ、そんなこと思ってませんよ!おそろしい」


 ぶんぶんっ!とすごい勢いで首を横に振る。

 その後、少しの沈黙があって、もう一度アークが話し出した。


「それならいいんですけど・・・・・、報告になりますが、騎士団の動きが怪しいんですよ。昨日の事件、明らかに不自然でしたし―――――」

「・・・・・・・・、」


 一瞬。ホントに一瞬だが、紅葉の動きがピタッと止まった。話しに集中していたアークは、そのわずかな変化に気づくことはなかったが、隣にいたキキは無表情で彼女の変化を見逃した。


「―――――愉快犯の起こした事件だと言い張ってるのに、そんな爆破事件程度に騎士団長がわざわざ出向いたりしてましたし」


 アークが話し終わると、紅葉はゲームから手を話し、顎に手を当て少し考えるような素振りを見せた。


「うーん・・・、フレム・リュングベルねぇ・・・・・」


 深く考え込むように唸っているが、この人、自分の目的忘れているんじゃないか?


「一応報告しとこうと思って。・・・・・で、僕に話しってなんですか?」

「あ!そうだ、そうだ」


 本題を思い出して、アークの方を向く紅葉。


「コーラ買ってこい♪」

「失礼しました」

「あぁ!ちょ、逃げんなこんちくしょー!」


 『コーラ』が聞こえた時点で撤退を決めたアークは、バタム、と勢い良く扉を閉めてスタスタと階段を降りていった。








 ☆???☆


 逃げなきゃ。もっと早く逃げなきゃ。

 追いつかれちゃうよぉ。あぁ!もう、すぐそこまで来てる。

 見つかる前に角を曲がって、姿を隠さなきゃ。捕まったら殺されちゃう!


 はぁ、はぁ。


 もう!どこまで追いかけてくるの!?ちょっとぐらい見逃してよ!


 あぁっ!!見つかっちゃった!?

 早く、早く隠れなきゃ!


 はぁ、はぁ、はぁ。


 あ、あそこ!あそこの角を曲がれば大きな通りに出られる!さすがにあの人でも、人のいるとこじゃ乱暴はできないはず!


 はぁ、はぁ、はぁ!


 よし、裏路地を抜けれた!これであの人もなにもできないはず。


 よかったー、これで助か―――――キャッ!?








 ☆アーク☆


 学校からの帰り、オウジはすでに居なかったので一人で帰っていると、突然、


「キャッ!」

「ゴフゥ!!」


 ドスゥ、と鈍い音とともに何かが横腹に直撃し、あまりの衝撃に意識が一瞬遠のいた。アバラ何本か逝ったかも。


「ご、ごめんなさい!ごめんなさい、ごめんなさい!だ、大丈夫ですか!?・・・あぁ!なんかタマシイ的なものがフワフワと!」

「ハッ!今、大きな川とお花畑が見えたような・・・・・、」


 あ、危うく渡りかけてしまった。必死に謝る声が聞こえて、なんとかこの世に戻ってくることができた。

 それにしても誰が、と声の主をたどるようにアークは視線を動かした。


「―――ホントすみません、すみませんすみません、すみません―――」

「そ、そこまで言わなくても」


 声の主は、アークの意識が戻るまで謝り続けていた。見た目は14・5歳ぐらいの女の子で、長くきれいな髪が、頭を振る度に激しく揺れる。わざと染めてできたものではなく、天然物のホントにきれいな金髪だ。


「―――せん、すみません、すみま・・・、あっ!」


 女の子はハッと我に還ると、何かを思い出したかのように急にあたふたし始めた。


「今度はなんです?どうしたの?」

「えっ!あっと、えぇ、その!ちょ、ちょっと来てください!」


 来てください?どういう意味だろう、と考えてるうちに、返事も聞かずに女の子はアークの手を引っ張って走り出した。と思うと急に止まって、身を隠すように電柱に張り付いた。女の子は隠れきれているが、これじゃあアークが丸見えだ。


「・・・・何プレイって言うのこれ?」

「そ、そんなんじゃありません!逃げてるんです、隠れてるんです!あなたはカモフラージュになってくれれば十分です」

「随分な物言いですね。というより、一体誰から逃げてるんですか?」


 あの人です、と女の子はさっき出てきた角を睨んだ。万引き?騎士団から逃げてるとかだったら容赦なく付きだそう。そんな風に考えていたアークだが、角から出てきた人物をみて仰天することになる。


「・・・・・、あ、あいつは!」


 フレム・リュングベル。

 十二件の店を襲った凶悪?な爆弾魔にして、一章からほとんど出続けてる、もはやレギュラーじゃね?的人物だ。


 何であいつがここにいるのか、どうしてあいつから逃げてるのか、あいつとの関係は?そもそも君、誰だよ。


 質問したいことが山ほど出てきて、しかし、声に出すことができずにいた。


「(静かにしてて下さい。捕まったら殺されちゃいますから)」

「(こ、殺される?)」


 ハイ、と女の子は小さく頷いた。

 殺される、という言葉を聞いてアークの頭の中では、先日に起きた爆破事件の様子が思い出されていた。


(あれが、直撃すれば・・・・。もし見つかれば、この子を連れて逃げきれるか?)


 そう思うと、自然と言葉が音にならなかった。あの時は、何かの線が切れていたので何とかなったが、今は違う。第一、普通の高校生が爆弾魔と戦おうとすること事態おかしいのだ。


 そんな心配をよそに、フレムはと言うと、誰かを探すように、キョロキョロとしばらく辺りを見渡していた。おそらく、目の前にいるこの子を探しているのだろう。


「・・・・・ッ!」


 フレムの顔がこっちを向く度に体が固まり、背中がヒヤッとする。幸い、アークや女の子の存在には気づいてないようだ。

 緊張でアークは気付いていないが、フレムの顔にも、アーク同様緊張と不安の色があった。女の子を探す目だって、借金取りが獲物を追うようなものではなく、どちらかというと、迷子の子供を探す父親のそれだった。


 覚悟を決めたようにフレムは、アークたちのいる反対側に走っていった。自分の体力なんて考えてない全力疾走で。


「・・・・・・・・・・、」

「・・・・・・・・・・、」


 二人は、フレムが完全に見えなくなるのを待って、やっと電柱から離れてため息をついた。


「あの、その、ご迷惑をかけてしまい、本当にすみませんでした」

「いえ、大丈夫ですよ。・・・・・それよりも」


 女の子は深々と頭を下げた。さっきはすごくテンパってたが、元々はこう言う大人しい子らしい。でも、それよりも、



「家に来てください!」


「・・・・・、へ?」


 突然の申し出に、女の子はポカンとしてしまった。近くを通ったおばさん連中は、見て奥さん、全く最近の子は昼間っからお盛んねぇ、と変な誤解をしてしまっている。


「えーっ!!そ、そういうのはその!違うと思います!まだお互いのことも、その・・・・、」


 女の子の方も、おばさん連中の言葉を聞いて完全に誤解してしまい、顔が真っ赤になり、頭が沸騰してしまった。


「そういう意味じゃないってば!」


 その姿を見たアークは、思わずため息をついて、制服の胸ポケットから生徒手帳を取り出した。学生会の証である、黒色の生徒手帳だ。


「これこれ、いろいろ話しがあるんです。フレム・リュングベルについて、いろいろ、ね」








 ☆リン&ラン☆


 リンとランは今、壮絶は戦いの真っ最中だった。


「ジーーーーー」

「ジーーーーー」


 バチバチバチッ!と火花が二人の間で散っている。・・・・・状態が約一時間続いてる。


「ゼッタイ、カ〇トが最強なノヨ!」

「ゼッタイゼッタイ、電王(でん〇う)が最強デスぅ」


 ガチャッ。


「あぁー!アークが帰ってきたノヨぉ」

「お帰りデスぅ」

「ただいまー、リン、ラン、大人しくしてましたか?」

「リンがうるさかったノヨ」

「ランはやかましかったデスぅ」

「「むーーー!」」


 アークが入ってきて一端は落ち着いたが、すぐに戦いが再開した。


「クロ○クアップしたカブ〇は誰にも止められないノヨ。スピードを征するものは仮〇ライダー最強を征するノヨっ!」

「スピードなんて関係ないデスぅ。デンライナーに乗って変身前に殺ってやるデスぅ」


(・・・・・なんてえげつないことを)


「むむぅ。だったら、生まれてすぐからずっと変身し続けるノヨ」

「あまーいデスぅ。両親から殺ればカ〇トは存在しなくなるデスぅ」

「む、むーー」


 リンの容赦ない攻撃に、ランは頬を膨らませて涙目になって、ついにはグスンと泣き出してしまった。思わずアークもため息をついてしまう。


「コラ、そういうことで言い争わないの!一番強いのは一号だよ」

「そ、そういうことじゃないと思いますよ?」


 アークの後ろからツッコミが聞こえた。誰かいるの?お客さん?という感じで、ランはケロッと泣きやんだ。と思うと、アークに続いてオドオドと女の子が部屋に入ってきたのを見て、リンの方をちらりと見た。リンはゆっくりとうなづいた。ま、まさか、


「あ、アークは不潔なヤローだったノヨ?」

「お持ち帰りデスぅ?」

「「違いますっ!」っていうかどこで覚えた、そんな言葉!」

「レグルス、デスぅ」

「あんのエロオヤジ、あとでぶっ殺してやります!」


 昼休みとかちょくちょくレグルスが遊びに来てくれる。アークはいやがっているが、はっきり言って学校のある時間は二人でずっといるので暇になるのだ。結構嬉しいらしい。なにより、お土産のケーキがうまいとか。


「話を聞くだけだから、すぐに終わるよ」


 そんなことで時間を使ってしまい、話が聞けなくなる、とアークはさっさと部屋に入ろうとした。


「あ、あの。この子たちは?」


 と、その瞬間、女の子が質問をアークになげかけた。アークは、あぁそういや言ってなかったっけ、という調子で話し始めた。


 居候。

 なんて言うわけにもいかないので、


「妹だよ。顔は似てないんだけどね。それで、こっちが・・・、」


 と、お客さんが来たときはそういうことにしてある。アークは、リンとランにも女の子を説明しようとして止まった。


「そういや名前聞いてなかったね」

「そ、そうですね」


 女の子は一息開けてからの自己紹介をした。


「ミリア・ベネットです。失礼します」








ちなみに、ライダーは龍騎はですっ!な多趣味アキオでございます♪


いつも若干短かったので、今回は長めにしますた

にしても話し進まねェェェエエエ!!


まだ一話も完成してないよね、これ

半分くらいです

しかも、あと十二話ぐらいあります


最後までいかねーよ、これ・・・


あ、そうそう

ノート更新しました 色々と

探してね



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