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第二章 平凡VS熱血


 ☆アーク☆


 学都というものがそもそも、学の国『アシーネ』が『国家統一計画』によって五大都市となった姿だ。そしてそのアシーネというのがそもそも、森の中にポツンとあった学校を中心に、徐々に発展していった結果、国と呼ばれるほどに大きくなった姿だった。

 最初はそうでもなかったが、科学の知識を深めるために生まれた学都は、アシーネと呼ばれるようになった頃には、他の国と比べたとき二十年も三十年も科学の発展に差があったという。そして、学都はその強大な力が他の都市に流出しないよう、自ら『天守隔壁(てんしゅかくへき)』を学都周辺に敷き、国交・・・、この場合は都交と言うべきか。をある程度制限するようになった。


 まぁ、『ノート』にでも書いておけよ!な内容だったけど、少し戻ってつまりは、だ。学都は元をたどれば森だったというわけだ。そして、その名残が残っているのが、ここ『南学都』だ。

 南学都には、その半分の面積を占めるほどの森があったり、その周りには、自然保護や緑科学(りょくかがく)と呼ばれものを専門とする学校がある。


「あ、ぁづぅぅ・・・・、」


 そんな南学都の緑の中を、ゾンビよろしくなフラフラとした足取りで進む影があった。


(森の中に入ればちょっとはマシになると思ったのに・・・・・、こんなんだったら、素直に電車でもバスでも乗ってたらよかった)


 森に入ったといっても、急激に涼しくなるはずもなく、なるべく直射日光を避けて木の下をのそのそと歩くアークだった。

 途中にあった自販機も、この暑さのせいで『つめた~い』商品がバカ売れ状態。試作品で売り出されている『ファ〇タ・ドリアン味』なんてものも売り切れの赤い文字が出ていた。


(くそっ!早くケーキ屋を見つけないと、マジで死ぬ)


 目的地のケーキ屋なのだが、これも厄介な話、ここ学都では一般的な商品に比べて、研究者や食を専門とする大学生らが作った試作品が多く出回っている。成功を収めたものは他の都市にも売り出されるのだが、なんせこういう物は『新しいものを作ってやろう』と言う意思から出来ているので、普通のものができたためしがない。一度諦めてデパートに入ったが、ケーキ売り場には『きんぴらごぼうケーキ』なんてものがあった。『何でも揃う』が売りのデパートでさえもこの有り様だ、学都連中の出してるケーキ屋なんて想像もしたくない。


 そんなこんなで森を抜けてからも、普通のケーキ屋を目指して40分近くも歩き続けるアークだった。




 それからまた10分。


「・・・・・や、やっと見つかったぁ」


 向こうの方に、小さくではあるが目的地が見えた。


 あまりの感動に、今にも泣き崩れそうになった。

 アークの頭の中では、これまでの苦しい道のりが走馬灯のように駆け巡る。何度諦めかけたことだろう。何度倒れかけたことだろう。それでも踏ん張った。歩き続けた。パーティの為に、リンとランの笑顔の為に、普通のケーキを食べる為に。


 ありがとう太陽!君のおかげで、普通のありがたみを改めて知ることができた!


 今ならそう思えるような気がするアークは、しばらくの間たそがれるように空を仰ぐ。




 よし、と視線を目的地に戻すと、アークは疲れを感じさせないほどの力強い一歩を―――


 ドーーン!


 ―――踏みだすと同時に、絶望的な爆発音が鳴り響いた。


「・・・・・・、」


 夢の国(ガンダーラ)は、見るも無残に崩れ落ちていた。ボーっとその光景を見ていたアークだったが、目的地が瓦礫の山に化したことを認識すると、笑顔が徐々に、作品名『絶望~表現のできない悲しみと怒り~』へと変わっていった。


「ギャーッ!!僕の夢の国(ガンダーラ)がぁぁああああ!!」


 爆発したその店からは、数人の店員さんと犯人が抜け出していた。どうやらケガ人はいないようだ。安心安心。


 ・・・・・・・・え?なんで犯人だって分かるのかって?

 そりゃあ、そいつが炎剣持ってるからじゃん♪


「ってさっきのやつかよ!!」


 騎士団の到着は遅れているようだ。おそらくは、さっきの爆破事件でその周辺を捜査しているからだろう。歩いて1時間近くかかったのだ。車で移動しても4・5分かかるはずだ。


 犯人は例によって逃走。それもアーク目掛けて全力疾走だ。


「コノウラミ、ハラサデオクベキカ・・・・・・」


 ついに般若が降臨したアークは、ポケットから十字架のストラップを取り出した。・・・目が虚ろで、重心が定まらず体がふらついる。・・・なんとなく怖い。


「邪魔なンだよォ!!どきやがれガキがァ!!」


 そうとは知らず、見た目大学生、黒無地の半袖シャツとジーンズを装備した犯人(以下犯人さん)が、アークに悪態をつきながら全力疾走中。



 直後、


 ズパァァン!!という轟音と共に、犯人さんは来た道を戻るように真後ろに吹き飛んだ。

 アークと犯人さんとの間にあったコンクリの地面を、一直線にえぐりとる程の一撃だったが、犯人さんはザザザッ!と靴底を削りながらブレーキをかけ、無事生きてやがった。


「ッ痛、なンだぁ、テメェ!! ・・・・魔導具?・・・・あァ、そうカそウか、そう言うコとかよ!」


 犯人さんは体勢を立て直すと、アークの右手を見て疑問符を浮かべ、一人で納得し始めた。


「魔導具に学生会のバッチ。・・・騎士団のイヌは、ココでくたばりやがレェェエエエ!!」


 色々誤解しながらも、犯人さんの足元では小さな爆発が起こり、アーク目掛けて突っ込んできた。



 魔導具。少年の右手には、もうストラップとは言えないほどに大きくなった、墓に立てれるサイズの真っ黒な十字架がある。

 魔導具の構造についてはノート参照にするつもりだが、こういう『暴走した一般人を、一般人が止める』為の道具で、学都では、学生会と呼ばれる風紀委員や生徒会役員に支給されるようになっている。まぁ、最近では裏で売買されてるみたいだけど。

 一応アークも学生会ではあるが、これは全くの別物だ。騎士団云々は全く関係ない。というわけで、犯人さんは見事に誤解をしてしまったみたいで、すごい勢いで突っ込んでくる。






 ☆フレム☆


 まだまだやることは残っている。ここで止まってる場合じゃないのに、目の前の少年は一歩も動こうとしない。


(クソッ!こんなのに時間使ってる場合じゃねーんダよ。さっさと『アレ』をどーにカしねーと・・・)


 炎剣片手に突っ込んでいくフレム見ても、少年は一切動こうとしなかった。俯き加減な表情は、黒いオーラを纏ってるように見える。


「オルァ!」


 ついには、炎剣が横薙ぎに振るわれた。直前にバックステップで避けた少年の目の前を、轟!と酸素を燃やし続ける炎剣が通過する。


「・・・・瞬迅剣」


 ステップ着地後、少年はボソッと呟いて豪快に突きを繰り出す。しかし、フレムとて弱くない。体をひねるだけで、軽々と攻撃をよけて見せた。同時に、少年の横腹ががら空きとなる。


「邪魔なンだよっ!」


 その隙を突くように炎剣で切りかかり、


『スカッ』


 見事に空を切った。


「・・・・・なっ!」


 攻撃がはずれたことで、盛大にバランスを崩したが、何とか転びそうになるのを抑えて、体勢を立て直した。


 直後。


 グンッ!!と謎の力に引き寄せられるように、体が浮き、吹き飛んでしまった。どっちに飛んでるかも分からないほどの勢いで。


「グッ・・・、ガハッ!!」


 気がつけば、ぼうぼうと燃え上がるケーキ屋に突っ込んでいた。


「なめてんじゃねーですよ!僕は・・・、僕は!」


 少年の声が聞こえる。ここからじゃよく見えないが、口元に笑みを浮かべ、こちらにじりじりと近づいてきてる。


「―――あなたに八つ当たりがしたいだけです!」


 ニタァ、とすごく気味の悪い笑みを浮かべらがな、少年は真っ黒な十字架を構えた。








どうもどうも♪

この季節になると、アニメやドラマが終わっていって、すごく悲しい思いをする

多趣味アキオでございます。


初の戦闘描写 どうですたか?

分かりにくかったらすんません


にしても今回は、やけに説明調だったので余計読みにくかったと思います

これも重ねてすんません



それとそうそう ノート更新しますた

紅葉(くれは)』と『キキ』です


次はそーっすね

『フレム』と『生命力(マナ)』『魔法』『超能力』

とかこの辺のことについて書かせてもらいますわ


ではでは次回も見てもらえるとうれしいです

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