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序章 アー​クと天使?の不法侵入者

実質お初の投稿だい。

ちょっと長いけど気にしないでください。





「うおぉ!!なにすんじゃキノ(ピー)オォォォオオ!!!!」


 特別きれいでもなければ汚くもない。八階建てで、家賃もそこそこだし住み心地も悪くない。そんなどこにでもあるアパート。そのアパートのある一部屋からは『邪魔すんなや!ル(ピー)ージさんよぉ!!』と言う奇声じみた声が響いている。


 おそるおそるアークは部屋のドアをあけた。


「っしゃあ!! 結局俺は最後に一位でゴールできちゃうねんなぁ」


 案の定と言うか何というか、部屋の中ではオッサンが一人、ゲームに没頭している。


 ドアの閉まる音が聞こえたのかオッサンは、アークが呆然と立ち尽くしている玄関の方を見て一言。


「えぇー・・・おまえ誰やねん・・・」

「・・・・・・・・・・、」




「―――って顔しとんな自分」

「ホントにあなた誰なんですか!?」


 細かいことは気にしたあかんよぉ♪っと暢気なことを言うオッサンは、またテレビ画面に視線を戻しゲームに集中し始めやがった。何かの間違いだと信じたいアークは、一度玄関から外に出て部屋番号を確認するも、やはりここはアーク本人の部屋だ。


「は?あれ?ホントにあなた誰ですか?さっさと出てかないと騎士団に突き出しますよ」

「ちょい待ち!あとちょっっだぁーーなんてことを!自分がうるさいからやぞ」


 不法進入ぐらいなら罰金程度で済むが、いくら言ってもゲームを止めるつもりはないらしい。それどころかこっちに八つ当たりまでしてくる。




 少しすると、若干余裕ができたのかオッサンは冷蔵庫を指さした。正確には、冷蔵庫の前の物を、だ。


「箱ん中見といっっていなぁ!こんにゃろ~」


 ん? と冷蔵庫を見ると、前に大きめで割れ物注意シールの貼られた段ボールがドンと置いてある。


 中には、



「・・・・・・わ、割れ物、ですか?」

「あぁ・・・、ガラスのハートって感じやな。あ、でも体は俺より丈夫やで」


 冗談か、よく作られたおもちゃだと信じたかったが、


 違う。


 中には小さな、ホントに小さな女の子が二人、段ボールの中で寝息をたてている。


 クッションとして敷き詰めてある白っぽい羽が散り、それが変に幻想的な印象を与えた。そのためか、よく赤ちゃんなんかを『お人形さんみたい』と言うのに対して、少女達は『精霊』や『天使』など『神の創造物』に近い存在に見えた。


 情けないことだが、完全に見とれていた。小さな女の子の姿に。芸術的ともいえるその姿に。


 完全に見とれていた。


 しかし、意識はすぐ我に還ることになる。40手前で、その割には老いを見せないオッサンの顔面が視界に入ってきたからだ。


 人間、我に還るといろんな感情が芽生えるわけで。それはアークを『クソ野郎!面倒事に巻き込みやがって!』という気持ちでいっぱいにするわけで。それは大まかに考えて『怒り』というより、どちらかというと『殺意』に近いものになるわけで。




「ストーーーップ!!どないしたん急に!?カッターとかあかんよ、普通にそれ凶器やから振り回したらあかんのよぉ!!」

「るっさい!!黙れ!!子供捨ててまで生きようとするハ〇テ君の親みたいなやつは死ねばいいんだぁー!!」

「違う、違うってば!!それ激しく勘違いやから!話聞きなさぁい!!」

「分っかりました!詳しく聞かせてもらいましょう」

「ア、アイアイサァ・・・・・・」


 まず始めに、と切り出したアークは、殺意を押さえてちゃんと話を聞くために落ち着き始めていた。


「あなたは誰ですか?」

「天使」


 ガタガタガタガタ・・・・・


「―――――って言ったら怒るかなぁって思っただけで!謝る、謝るから!まずその振り上げた拳を引いてみよう!!ってかせめてカッターだけは放してくださぁぁい!!」


 完璧な真剣?白刃取りが決まったが、オッサンは反射的に動いた結果、立て膝を着いた状態になったので足がプルプル震えていた。変な体勢ではあるが、ここで死ぬわけにはいかないので、オッサンは言葉を選びながら慎重に話を続けた。


「俺は人間や!」

「分かってますよ、そんなの」

「しかぁぁし!ただの人間ではないのだよ、少年!」


 グッと手首を返すことで、オッサンはアークから凶器を奪うことに成功した。


 アークは、しまったと言う顔をすると、凶器を手放したこともあってすぐに落ち着きを取り戻した。


「ただの人間じゃないってどうゆうことですか?」


 オッサンの方も余裕ができたのか、淡々と説明に入る。


「神様と唯一コンタクトがとれる人間ってこと」

「神って。残念ですが宗教は信じないんで、僕は」

「宗教とはちょっと違うねんけどなぁ。ホンマ、神様も信じひんって最近の子はませてるな」

「当たり前です。学問はそう言う理由も含まれてますから」


 昔は科学の発展も乏しかったため、本当の意味で『正しい』ことを知る機会がなかった。いわば『自分が信じてることが正しい』と言うことになる。そして宗教を信仰するようになった。そこで、頭の賢い奴はそれを利用して『支配』を進めることができる。神がおっしゃったので。神のお告げで。宗教とはそう言うものだ。と半分洗脳じみたことで人を操ることができた。


 それを防ぐために生まれたのが『学問』だ。少しでも世界を『理解』することで正しいことを知ることができるようになった。人は考えることができるようになった。そして『支配』が薄れさすことができるようになった。まぁ、科学も科学で『科学的に正しいから』と提示することで人を信じさせる宗教っぽいとこもあるのだが。


 ・・・・・まぁ、その辺はどうでもいいや。


「今はまだ幽霊みたいなもんやって思っといて」

「幽霊、ですか」


 アークとしてはどっちも信じてないので実感が湧かない。


「そうそう。んで俺等は霊感強う奴ってことになる」


 霊感が強いって言われてもなぁ、と考えていたアークは、立ちっぱなしでは疲れるので近くのイスに腰掛けた。そこで少し引っかかった。


「ん?俺等って」

「他にもぎょーさんおるよ。誰にも気付かれんようにコソコソやってるから分からんやろうけど。『八百万(やおよろず)』の考えもあんねんから一人な訳ないやん」


 とにかく、とオッサンは話を切ってからもう一度本題に戻った。


「霊感が強かったり、右手に変な力があったり、創造神じみた力があったり、親に借金背負わされるぐらい不幸やったり、俺等はそう言う『特異体質(イレギュラー)』な人間ってこと」


 神と人間は接触する事ができないが、彼等のような『例外』がいることで、歴史や聖書の中で神が登場しているのだろう。だったら宗教も全部が『間違ってる』とは言えないかもしれない。と、そこまで考えて、そこまで考えたからこそアークは思った。


「信じられない・・・・・・」と。

「さよか。まぁ細かいことは気にしたあかんよ」


 ゲームの方も一段落付いたのか、オッサンは帰る準備を始めた。とは言っても作業服の上着を着ただけなのだが。


 その様子を見て、アークは少し焦った。


「じ、じゃあこの子達は何なんですか!?」


 そうだ、こんなの置いていかれても困る。



「天子」

「へ?テンシ?」

「イントネーションは一緒やけど全くの別もんや。俺等が『神の使い』なら、この子達は『神の子』や」

「え?」

「つまりやなぁ。この子達は、正真正銘の『神様』っちゅーこと」

「・・・・・・・・、」


 あまりのことに、アークはリアクションを忘れて口をパクパクさせている。


「ほ、ホントに初めて見ました・・・・・」

「せやろせやろ。まぁそんなしょっちゅう見られててもあれやけど・・・・・・」

「―――――ここまでがんばって子供捨てたがる親を」

「まだそのネタ引っ張んの!?」

「だって信じられる訳ないじゃないですか!!『神の子』がどうのこうので、はいそうですかって受け取れる訳ないじゃないですか!!」


 確かに、オッサンの言っていることが全て嘘だとは否定しないが、だからって子供を受け取れるほどアークの生活は裕福ではない。第一、天子ってなんだよ。『天使ちゃん、マジ天使!』とか言うあれかこの野郎。


「んなこと言われても知らんし。俺かって家帰ったらさぁ、玄関に段ボールと『よろしく♪』って書かれた紙とここの住所がデーンと」


 なんとも無責任な神様も居たもんだ。


「それに、俺が子供二人に奥さんとゆう幸せな家庭を築けると思うか?」

「そ、それもそうですけど・・・・・」

「肯定されんのもムカつくなぁ!オイ!」

「でも!それでも僕だって困ります!」

「しゃーないやん。俺が見とっても構わへんけど、この子達は『天子』ってだけで不幸に巻き込まれんねん!」

「だったらなんで僕なんですか!?もっとふさわしい人が居たでしょ!?」


「少年がこの世で一番平凡やからと違う?」

「なんて理不尽な!!」


 そんな理由で僕に押しつけるのか、そんな言葉が出る前にオッサンが喋った。


「考えてもみ。平凡ってのも力の一つや。彼女等の不幸がちょっとでも押さえられるかもしれんやろ?」

「推測!?推測を実証するために選ばれたの!?」


 神様に選ばれたことに対して結構喜んでいたのに、と毒づくアーク。世界一の平凡呼ばわりはかなりのダメージだった。


 とにかぁぁく!!とオッサンに場を征された。


「俺は『特異体質(イレギュラー)』で不幸を悪化させるかもしれへんから。少年!全部まとめて任せた!!」


 アークに反論する時間も与えずにオッサンは、ハーッハッハー!と高笑いしながら走り去っていった。普通に玄関から。




 残されてしまったアークはドアが閉まるまでの間、一体何が起きたのか理解できず口が開いたままだった。


 ガチャンという音を聞いてやっと動けた。『天子』を見て大きなため息を吐くしかなかった。・・・・・・・とにかく、名前でも決めるかなぁ。何がいいかな?可愛い方がいいよな。


「お前が『リンリン』で、お前が『ランラン』な」


 あまりのネーミングセンスの無さに加え、可愛いの基準はパンダかよというツッコミが聞こえてきそうだ。


「ハァ・・・、にしても」


 こんな不幸なことは初めてだった。せいぜい鳥の糞が当たったぐらいの人生が一変した。もう今まで通りの時間を過ごすことはなくなるかも。そんなことを考えると、より一層深いため息を吐きたくなった。


 その中でもアークが一番困ったことがある。


「にしても、『天子』って何食べるんだろ?今晩何にすればいいんだろう?」


 肉じゃがなら食べてくれるかな、とこんな感じで、この物語の主人公はえらく家庭的でした。







どもども~♪

風呂から上がる前に、水シャワーで精神統一が日課になりつつある

多趣味アキオでございます


さぁさぁ 夏休みも終わって結構経ちました

皆さんいかがお過ごしでしょうか?


おいどんはですねぇ・・・ガッコに飽きました


いやぁ 体育会も控えているというのに見事なだらけっぷりですよ

だからね 勉強そっちのけで小説書けそうなんで

また更新できたときはよろしくですです

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