行間二 『くだらない』昔話
昔、と言っても三年前、オレが十五の時のことだ。
俺は小さな村で母と父と一緒に家族三人で暮らしていた。
親父は狩りに行って、俺は母さんの家事の手伝いをしたり、道場で剣術を習ったり、友達と森に行ってのんびりしたり。
なにもないところだったけど、俺はこの村が好きだった。
何気ないちょっとしたことが好きで、ここで暮らせることが幸せだった。
が、
世間で超能力が発生する事件が起きていた頃、オレの中ででも超能力が生まれた。しかし、上手く制御することが出来なかったオレは、力を暴走させてしまった。家を焼き払い、何人もの人に怪我を負わせ、死人も出した・・・・・。
なんとかその場は収まったが、何時暴走しだすか分からないような危険なオレを、村の連中は避けるようになった。そして、しばらくしてオレは村を追い出された。父も母もその村で住めなくなり、オレと一緒に村を追い出されて途方に暮れていた。
住む家もなければ雨風を凌ぐ小屋もない。魔物の出るような森の中で寝て、狩りをしてどうにか食い繋いでいくような生活が何日か続いた。そんな生活の中でも、オレは力を扱いきれずに暴走を繰り返し、その度に二人に迷惑をかけていた。
そしてある日、オレの暴走は最悪の結果を呼んだ。
オレの爆発に巻き込まれて二人は死んだ。オレはこの手で両親を殺してしまったんだよ。
その時の暴走は止まらなかった。親を失った悲しみ。自分で殺したという苦しみと罪悪感が暴走に拍車をかけて、より一層酷く荒れ狂っていた。もうこのまま自分も死んでしまおう。もうオレには何もない、死んだ方がましだ。死んで罪を償おうと思っていた。
そんなオレを止めてくれたのがルミアだった。
何をしたでもない。ただ、彼女の声を聞いただけでオレは止まれた。よく分からないが安心できたんだ。包まれていく感じがした。
ルミアは森の小さな村に住んでいた。おじさんもおばさんもオレを歓迎してくれた。彼女も彼女の両親も、村に住み人もみんなすごく優しい人だった。それに、ルミアといると自然と気持ちが落ち着いて、それ以降暴走する事がなくなった。
やっと、心休まる場所を手に入れることができた。
ルミアがオレに居場所を与えてくれた。そう思えた。
でも、そんな楽しい日々はすぐに崩れた。
全く、否定的な人生だな、ホント。自分の不幸を呪うよ。
山賊に村を襲われたんだ。オレが起こした暴走の時と同じような状況が、目の前で起こっていた。
いろんなものを盗まれ奪われ、家は全て焼き払われて多くの人が殺されていった。おじさんもおばさんも殺された。ルミアの目の前で。
それでも、彼女はツライ顔をオレに見せることはなかったよ。いつでもオレの支えでいてくれた。二人で旅に出た時も、あいつがいなかったらオレは何も出来なかったと思う。
いくら感謝してもしきれない。
だから決めたんだよ。
何がなんでもルミアだけは守ってみせる、って。
こいつだけは失うわけにはいかない、この手で守りきってやる、って。
・・・
・・・・・
・・・・・・・悪いな。
やっぱりここは通せない。
まだ負けられないんだッ!!
10日にレディアントマイソロジー3発売
14日に推薦受験。
・・・・死にたい。
予約なので今は9日
もう精神崩壊しそうですよ
ってそんな事は置いといて
今回は二話同時更新
ま、こんな構成になっちゃったしね
次はちゃんと戦闘しないとなぁ・・・