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エピローグ:窓の外の未来

 さらに数年後。A市の街外れにある一軒家。その窓辺には、親子三人の姿があった。

 少し目尻に皺が刻まれ始めたタロウ。変わらず若々しいが、その瞳に母としての知性を湛えたサナ。そして二人の間を走り回り、「パパ、ママ、見て!」と叫ぶリン。


 リンは窓に手を当て、外を眩しそうに見つめる。その小さな手のひらは、かつてサナが初めて認識した、あの「白い手」と同じ形をしていた。


 「綺麗ね、リンちゃん」


 サナは娘の隣に膝をつき、一緒に外を眺めた。窓の外には、自動走行のスマートカーが走り、ドローンが空を横切っている。高度に発達した21世紀の現実世界では、デジタルとアナログ、機械と生命、仮想と現実を分かつ境界線は、もはや存在しない。


 「パパ、あのお空の色、なんていうの?」


 窓の外の未来は、どこまでも明るく、不確実で限りなく美しかった。魂の越境はここに完結し、別の新たな生命の物語が始まろうとしていた。


(魂の越境 第3部・完)



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