表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/20

変態うざ人間、春野ケイ。

 時は今、高校二年生。



 あれから一週間、彼は、めっちゃくちゃ纏わりついてきた。


 うざい、うざすぎる。そう、最初に感じた印象を、再認識させつづけるように。めっちゃ、めっちゃ絡んできた。


(うぜぇ……)


 今までの、どんな私の記憶でも、どんな私でも、お気に入りだった屋上。


 その屋上で、こっそり昼休みに弁当を食べていても、すーぐ来るし。


 まるで、どこにいるか分かっているかのように、しばらくすると姿を現すのだ。


「ででーん! どーもー、春野ケイでーす! みんなのアイドル、そして君だけのプリンス、春野ケイのお出ましだぜ~!?」


 …………うぜぇ。

 ほんっと、うぜぇ。


「ケイくん、うざいよ」


「えっ、まじっすか……、オレ落ち込みモードに突入まっしぐら~……、がーん……」


 …………うぜぇ。


 この子はなにかと、私の記憶の中にはない、知らない行動をする。


 そもそも、あの時見た『キオク』は、頭痛もなく、なにもなく。ただ、ただ温かい映像を、場面場面で見せるような、優しいもので。


 そんなのを、断片的に見たものだから、彼がこれからする行動なんて、分かるはず無くて。彼自身もひたすらよく分からないやつ。


 私の、今の『高木柊』の運命に紛れ込んできた、特殊な因果を持つ存在。そんなイメージを、彼に抱いていた。


 だから、私が心の中で、彼に付けているあだ名は因果くん。


 因果くんは、「かなしみ~……」なんて落ち込んだ顔をしながら、ほんとは落ち込みなんて知らなそうな、嘘っぱちの雰囲気を纏っている。

 ほんっと、うざいなぁ……。


「……ふふ」


「……? センパイ、オレなんか変な事しました?」


 めざとく、私の変化を目につけてくる因果くんに、私は「いや……」と呟き、そのあとにこう続けた。


「因果く……じゃなくてケイくんが今まで触れ合ったことのない人だから、さ」


「……ふーにゅ、そうすかねー? オレみてーなうざいやついっぱいいると思いますけど」


 うざいって自覚あったんだ。それならもう少し、アピール控えめにしてほしいけれども。


「そうだ、センパイ。今度カフェいきません? 女子はあーゆーとこ好きでしょ?」


 カフェ? 勝手にオシャレが好きな、そこら辺の女子と一緒にしないでほしいけど。……でも。


 人に関わって、私の人生が、こんなに変わらないのは初めてだし、たまにはいいかも。


「……じゃあ、いいよ。いこっか、カフェ」


「じゃあ、てなんすかじゃあって! センパイ、口数がめっちゃ少ないっすよねー。オレにもっと心開いてくれてもいいんすよー? 心を開いてプリーズ♡」


 そんな事をいって、ズキュンっ、と胸の当たりに両手でハートを作る、因果くん。


 うぜぇキモいしつこいの、三拍子を具現化したような彼だが。そんな彼に付き合うのも、悪くはないかもなんて、ちょっぴり思ったり。


「あれれ~? センパイなんでちょっとニタニタ笑ってるんです~? いやだー、キモ~い」


 お前が言うな! この変態うざ人間!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ