穴に落ちて世界最強4th
ルー「あれ?なぜ僕はベッドで寝ているんだ?ザーとサディはどこにいった?」
今までルーはずっと夢を見ていた。あの時穴のことが気になって寝れなかったかと思われたルーだったが、全然そんなことはなく、ぐっすりと眠っていた。
あの時の村長の死、ザーとの出会いや、サディとの日々、クリト討伐まで、全ては夢だったのだ。
ルーは、その事を問い詰めに村長宅へと向かった。
ルー「おい!クソジジイ!」
と、言い放った瞬間、村長は股から血を流して倒れていた。ルーはびびってちょっと出ちゃった。
ルーはなぜ村長が死んでいるのか。アナール・ホールに手がかりがあるのでは無いか?と思ったルーは、アナール・ホールへと向かった。
〜アナール・ホール〜
ルー「あれ?鍵が刺さっている。」
ルーは戸惑いつつもアナール・ホールに飛び込んだ。
ルー「ヒーロー着地!!!」
着地した瞬間、ルーの両足とあばら骨が粉砕した。
だが無問題。こんな時のためにルーは痛み止めスプレーを買っていた。
粉砕骨折など気にせずに進んでいると、ルーの目の前に何かしらの看板が現れた。その看板には、
『珍界』
と書かれていた。そしてそのすぐ下にはいないはずのザーが立っていた。
ザー「この馬鹿!」
ザーがビンタをすると、ルーの頬骨が折れた。
ザー「今までずっとどこにいたの!」
ルーは困惑した。なぜお前がここにいるのかと。そしてなぜ僕のことをビンタしたのかと。
ルーは考えるよりも先に手が出た。その手の先は胸だった。
けれど何故か方向が曖昧だった。その訳はさっきザーがビンタをかました影響でルーの脳がおかしくなっていたからだ。だが、さっき噴射した痛み止めスプレーのおかげで何とか持ち堪えていた。
そして、ルーの手には何か生暖かい感触があった。心臓の鼓動が感じられた。意識を直してからザーの方に目を向けると、ルーの右手はザーの胸を貫いていた。
ザーは血を吐き、ルーは漏らした。
ルーは咄嗟に手を引き抜き、痛み止めスプレーを噴射した。
ザー「ははっ…そんなんじゃ治るわけないでしょ……」
ルーは謝るよりも先に逃げた。
ルー「なんでお前がここにいんだよ!どう考えてもお
かしいだろ!」
ザー「私はここにいる…決して幻なんかではないっ
て……」
ルー「んなわけねえだろ!そんなに言うなら僕とお前
の出会いを言ってみろよ!」
ルーは半信半疑だった。
ザー「チンピラに半殺しにされて追いかけ回されてた
あなたを…裏路地に連れ込んでチンピラから撒
いた………」
ルーは涙を流していた。すぐにザーの元に寄り、ザーのことを抱きしめた。
ルー「ごめん!ごめん!ごめん!全部僕が悪かっ
た!全部…僕が悪かったから…頼む…生きてく
れ………」
ザー「もういいよ…ルー…確かにあなたは…私の胸を貫
いた…でも…その時微かにあなたから良心を感じ
た…今はその小さな良心を…いつかもっともっと
大きくして…私のところに来てね…でも私のこと
忘れちゃったらさ…元も子もないから…時々私の
事思い出してね…………」
ルー「おい!なんでだよザー!頼むよ!生きると誓っ
てくれ!なんでだよ…」
ルー「なあ!おい!これも夢なんだろ!どうせ夢オチ
なんだろ!知ってんだよ!おい…夢だと言ってく
れよ………」