K〇6と錬金術師協会⑤
私は思い出している。
私は演技をした、私は開放される為に演技をした。
世界に出回る毒薬は人であっても鬼の子である私を殺すには至らない。
彼らには弱っていく私が見えただろう。感情を食べる鬼である母を食べた私は多少の魔術や人の感情を操る事ができる。
私は由紀菜から彼を取り戻す為彼の記憶を捏造した。
私が人とは違う種類の人だとはサラと秀一、そして由紀菜しか気がつかなかった。
私は泣きながら私と寸分太違わぬ人型のなにかをつくる。私のお腹の中の子はそちらに移した。
本当に彼と私の子、私は普通の人間ではないため子を作らない期間を半年あけても関係ない。血のつながりは普通の検査ではないと判断されるが確かに2人の子だ。
私は血を吐く。K〇6は確かに強力な毒だった。
私は死ぬには至らないが影響は避けられない。
私は旅立つ。私には多少未来が見える。普通の魔術師ほどは見えない。本当の魔術師は10万の兵にかつそうだが、私はせいぜい2〜3人、それさえも憶測、一番得意な人の心を操る魔術も普通の魔術師のように一瞬で何人も自由自在とはいかない。
私は7年間目をさまさないだろう。
それだけ強力な呪いだったし、やはり私は魔術師としては未熟なのだ。
私は結界を張りその中でねむる事にする。
妹に会いたかった。娘にも会いたい。
けれど私は正体を隠すためには死んだ事にしなければならない。
わかっている。
これは問題の先延ばしだ。
私と妹は鬼を食べねば生きられない。
そしてこの世界には鬼は居ない。
16年後鬼がひとり生まれる。私の孫だ。
私と妹、そして私の孫、1人しか生きられない。
私はふと思う。
私の最初の妹は鬼だったのではないか。
母は選ばなければならなかった。
私か私の最初の妹か。
なぜ鬼である母は人である私を選んだのだろう。
これだって私の妄想かもしれない。
私は誰かが私を起こしに来るのを待ち続ける。
私は昔大切な彼に「聖杯になったのはきっと女ね」
と言った。外からきたのだそれを知っていて当然だ。
鬼に人の子が、鬼食い人として生まれ始めたのはディエゴの呪い。かろうじて上位者の世界のものが許すライン。
由紀菜は私にそう教えた。
鬼食い人が生まれれば今度は鬼が人で人が鬼なのだろうか。
弱くなりながら我々の命は進んでいくのだ。




