人と鬼⑦
目の前の少女は現存生きている最古の錬金術師にして最古の魔術師にして最古の精霊術師にして最古の呪術師アリシアそして最古の不死者、絵描き男の妻であるとかたる。
「アリシア、今はそう呼ばれております。」アリシアはそう言って小さくお辞儀をした。
由紀菜とは違った可愛らしさのある少女、魔法使いは時代が経つに連れ強い者が生まれやすくなる。
時代を考えれば非常に強力だが由紀菜には大きく劣る力。私にも少し劣る。
当然由紀菜の師であろう大悪女サラ、そしてサラに匹敵する天才であったディエゴにも比べるべくもない魔法使いだ。
「あなた私の正体をしっているの?」
私はそう問いかける。
私は鬼から生まれた人、浮かれた鬼を食べる人の姪。私は由紀菜の術により一時伯母にさせられた事でその事をしった。
伯母は彼女の母を食べる際、母が妹を妊娠している事に気がついた。鬼では子が数年経ってから生まれる事がある。母を食べた事で10歳程度まで体が成長し、妹をとりあげ、人の世界に孤児として逃げこんだ。
孤児として逃げこんだ人の世界でさらに和音の中の世界に入り込んでからは魔法により記憶をあやつり大富豪の子になった。
魔法使いの世界から地獄へ逃げ、さらに鬼の世界から逃げ、人の世界から逃げ、由紀菜からも逃げ、さらに和音の世界からも逃げ出した。
そういう鬼の一族だ。
伯母は母を食い殺した事に耐えられなかった。
だから人の世界に逃げこんだのだ。
母を食い殺さなければ妹は母に食べられていた。
1人目の妹がそうだった。
伯母はそれを自らの母が気づいていないと思っていた。戸惑いを食べる鬼は子供は一人いれば良いと思っていた。そういうものだと思っていた。
だから自分以外は食べるのだ。
妹か母かを選ばなければならない。
苦しみながらも自分を守ってくれた母か、自分が守るべき妹か。
答えを出したわけではない。伯母は鬼食い人だったのだ。
後悔は常にやってくる。
一人目の妹を見捨てた時にはない後悔。
それでも今度こそ自分で決めた道だ。
だから私は伯母の心を引き継いだ。
伯父がエリク君にしようとした事はきっとこれなのだ。伯母は私の呪いとなり、私の心を苛みつづける。
エリク君も呪いを受けた。
人は皆1人だ。
1人と1人にはなれても。2人にはなれない。
錬金術なんて全て嘘だ。
大切な人は大切であればあるほど重荷になるのだ。
呪いは更に浸透した。
大切な人の大切な人をは大切な人と同じだけは大切には出来ない。
最後は選ばななければならない。自分か自分の大切な人かそのまた大切な人か。
”だからあなたは生きてほしい”
最後には自分を選んでほしい。
エリクの祖父は自らと最愛の娘の命を捨ててそのように呪いをかけた。
浸透すれば人類を滅ぼしていたであろう呪い。
過去の人類がそうしていたら生まれなかったであろう人がエリクに感情を向けられると呪いは奇病として発動する。
解けるものはいない。
エリクに恨まれるような事をすると奇病が発病しやすかったのは、味方よりも敵に感情を向ける人間の性、そういう事に他ならない。
そしてそれが感情を食べる鬼の食べるという事のメカニズムであった。
私は鬼を食べる人でエリク君は先祖返りした人の感情を食べる鬼であった。
自分的には好きな話になったけど、過去の話と矛盾する。
矛盾を解消する話が必要になる。
その繰り返し




