リーナとエリク③
4ヶ月後母はまだまだ元気だった。病は進行しているが私の前では元気だった。半年ほどでほとんど体が動かせなくなり、もう半年生きる人はいない、原因不明の病気。なぜ病気になったのか分からず、なぜ症状が現れるのか分からない。
母は私の手を取り、伯父の墓の場所を教えてくれる。母の両親、つまり私の祖父と祖母は本当に彼を嫌っていたけれど、自分は大好きな姉が取られたみたいでダダをこねていたし、両親の気持ちを慮って嫌いなふりをしていただけだと教えてくれる。祖父と祖母からは母を慮って嫌いなふりをしていたと既に聞いている。
私はそれは本当は憎しみ続ける事に疲れたからだと思う、祖父と祖母は娘2人を奇病を患い、母はその娘の一人で半年、長くとも1年以内の命なのだ。
私は無理心中をしたという、伯父の親子の墓に向かう。世間に隠したい死を迎えた叔父達の小さな墓を見つける。
大きな寺の次男坊は世間の、皆の心から霧のように消え去る事を望むように小さな小さな墓に入れられていた。もう管理は行き届いてはいない。
その時私は天から響く誰かの声を聞いた。母譲りの運動神経を持ち空手の有段者であり、世界大会を目指す私の後ろ回し蹴りがその墓を一撃で破壊した。私は怖くなり走りさる。
後からはキャッキャッっと喜ぶ声が聞こえる。
「あの時の仕返しが出来た」
そう聞こえた。
母はその日死んだ。
半年程度は大丈夫なはずだった。
まだ4ヶ月しか経っていない。
1ヶ月後には祖父母に奇病の症状が現れはじめる。
私は神に祈る。祖父母を治してほしいとは祈らなかった。ただ1人にしないでほしいといのった。
祖父母はちゃんと1年生きた後死んでしまう。
私は空手の道を諦め普通の大学生となる道を選んだ、伯父の生家は火事で建物を焼失し、唯一生き延びた次男が後を継いだという。私と同じ年でまだ20歳になったばかりだがカリスマ住職の流水と呼ばれテレビなどでたまに見かける人物だ。復讐は虚しいだけみたいな綺麗事をいうけったくそ悪い人物だが、やはり世間でも賛否が分かれている。有名な寺の跡取りだが、悪神とされる神をまつっており、総本山からは破門されたときく。
寺のルールはよく知らないが、総本山、本山、末寺とあり、彼等の寺は本山であり、国内でも数カ所しかない。総本山とはリトリーバーと呼ばれるその宗教の一番偉い神様の生まれた国と最初の寺の建てられた国にしかないため、国内ではかなり大きな寺という事になる。破門されると、カリスマの地位もおちる。彼等は人々に石を投げられながら神の教えを説く姿を小馬鹿にする番組が各地で流される。
そして事件が起きる。何者かが彼等の寺の集会場のお茶にK〇6を混ぜたのだ。私の伯母を殺した毒は伯母を殺した事で廃れさせた。皆が忘れかけた毒が再び使用された。
100人の参加者が死に、唯一生き残った流水は逮捕される。
1時間以内に胃洗浄し適切な治療をしなければ死ぬ毒がお茶に混ぜられていた。症状が現れる時にはもう遅い。彼は自分の治療を後回しに皆を助けてほしいと頼んでいる。そのボイスレコーダーの音声が状況証拠となり逮捕されたのだ。
魔法による若返りはこの世界には基本的にはないですが、境遇を考えればありえなくはないので娘が死に母が生きるパターンも考えたんですが実力が足りなかった。




