リーナとエリク②
私の兄も3人の弟も寺を継ぎたいと思っている、寺を増やす財力はあるが神がたりない、リトリーバーはたった一人であり、神はリトリーバーを支えている。
そしてリトリーバー亡き今、誰も新たな神を教えてはくれないのだ。
実の子でない私にも分け隔てなく接する父であるがやはり私は実の子ではない。リトリーバーは万物に宿るが神は各一人しかいないという事になっている。本山のみすべての神に祈る事が出来るが、同じ一門の作る末寺は神が被ってはいけない。リトリーバーと神々に祈る。寺を増やすなら神々の中からどの神に祈るか決めるのだ。それをよく守ることが、寺の格を高めており。なあなあにする事は寺の格を落とす。
父は「もううちの寺も広げるなという事だろう。」
時代とともにたくさんの神がいたとしても、寺に分け与えられる神がいなくなる。末寺がたたまれれば神は返されるが、寺自体が制度化し、寺の管理者は次がもう決まっており、たたまれる事はまずない。
父は私に遠慮を促している。
兄と3人の弟はそれぞれ、ディアナ、由紀菜、サシェ、コーネリアスに祈る寺を作る。
神が一人たりないのは私の運命だろう。人造人間は一番大切な事は人に譲らねばならない。
けれど私は「父上、祈ってはいけない神に私は祈ります。名も伝わらぬ、リトリーバーに暴言をはき足蹴にした。恋人とも、兄妹とも、親子とも伝わるニ心一体の悪神に祈ります。」そうこたえた。私は父に初めて殴られる。父の愛情にあふれた拳だった。認めてくれた事が私には分かる。私は戒めを破った。私は破戒僧となる。大きな相手と競う時、人は外法が許される。父は許すきっかけをくれたかった。
数日後、私は家を出ていく。その頃には家族には私の出生の秘密は伝えている。3人の弟は私を非難する言葉を投げつけた。父上にはもう殴られた。兄は私を抱きしめ涙を流す。するとあれだけ私を非難していた弟たちも泣いていた。我々は抱き合ってないた。私は悪神に祈るための寺の住職となる。
私が寺を出て半年、父の家は火災にあい、たまたま帰省していた私の父と兄弟達は皆死んでしまった。
父の寺の信徒の一人は、悲しみくれる私に私が悪神に祈ったからだと非難する。
その信徒は原因不明の病で急死する。私が10歳の頃から流行り始めた病だった。未だに原因は解明されていない。
本山が崩れれば3代目に、達していない若い末寺からは神が去る。多くの末寺の住職は私に本山を継ぐように迫るが私にはその資格はない。私の母は寺の者と血のつながりはない。そして私にもないのだ。私の祖母は一人で私を産んだ。つまり私は血族ではない。それでもだからこそ私は本山を継ぐ。
もう神の定着した古い寺は私を認めない所が多い、だから自分達の寺の神に祈らないように命じる。だから私の継いだ寺には少数の神しか残らない。
どの寺にどの神がいるなど人が勝手に作った制度上の事とはいえ、私はそれを寂しく感じる。
特にそのような宣伝をしたわけではないが悪神を祀る寺には人を呪い殺してほしいという相談がくる。
私はそんな人たちの話をきき復讐は何も生まないと諭す。人造人間にはそんな熱意はない。
それに復讐の為に自分の人生を棒に振ること等望んでいない。まして呪いによる復讐等、人生を棒に振るどころではなく永遠の苦しみに囚われるだろう。
諭すうちにほとんどの人の去った寺は少しづつ再興していく。
そして事件が起きる




