リーナとエリク①
僕が彼等の本当の子でないと知ったのは15の時だった。僕の祖父の弟が僕を引き取り育てた。
男ばかり5人兄弟の次男の僕のこの秘密を兄だけは知っている。まだ5歳だった兄が20歳になるまでその事を僕に告げる事は無かった。
錬金術師教会から隠すためではないだろう。
きっと僕の祖母の実家から隠すためだ。
母と祖父の死んだ日にこの日に大事な話があるからと手紙で呼び出しており、もう一通の手紙を用意し、その手紙で祖母の実家に内緒にするように書かれていた。
「時間を指定していなかったのはひょっとしたら見つけて止めてほしかったからではないかと、未だに思う」というのは父として私を育てた祖父の弟の戻らない時に対する思いだ。父には記憶はないそうだが、なぜか100日前に生まれた僕は戸籍上も父の実の子という事になっていたという事だった。
38で僕は生まれた事になっているがその後に更に3人の弟が生まれた。
有名な宗教の寺の子として育つ、すべての生き物はつながっており、開祖であるリトリーバー、記憶を引き出す者に集約されるから安心して生きろ、そして誇りたい、何度も思い出したい記憶になれという宗教だ。
宗派によって集約されるからどうしろという部分に差異があるがリトリーバーは実在の人物だ。もちろん彼の言っている事が嘘か本当かはわからない。
私の母は陸上競技で数々の記録をうち立てた後引退、史上最高のアスリートと称賛された後、指導者となり、遅い結婚をし私を産んだ。私が物心つく頃には離婚していた。母は有名人だがこだわりの強い人であり、なるべく私との時間を作るようにしてくれる。
母の姉が昔書いたとされる本を私に見せてくれるが、ある時期から先の本は不自然に抜けているものがある。母の姉の夫、私の伯父にあたる人物は、私の生まれた年に自らの娘と無理心中をした。
一応聞いてはいたが伯父の話はタブーとされていた。母は私が15の時に倒れ、現在の医学では治る事のない病気だと診断される。
ここ5年で急速に現れた原因不明の病気は半年間で急速に体力を奪い死に至らしめる。
その頃から母は私に母の姉の旦那、私の伯父の話を、よく聞かせてくれるようになった。
「とても弱い人だった。困難にいつも負ける人だったし、やりたい事を何も始められない人だった。それにいつも私の姉に迷惑をかけてばかり。」そう悪口を言った。そう言ったけれど母はうれしそうに私を見つめた。まだまだ病気になって間もないころだ。




