月の民②
3人の英雄達、我々女神教徒にとって、もっとも憎むべき相手である。大悪女サラ。異端である女神正教を利用し、我々にけしかけた後、いらなくなった女神正教を叩き潰した。なぜ完全に消滅させなかったのだ。結果として、女神教、女神正教双方から狙われている。馬鹿な女だ。
バカな女は後の二人を下がらせる。
一対一の戦いをするつもりだ。
「お前は死んだはずでは」と私は言う。かつてそういう噂が流れたし、何度も流れる噂だ。
「私は、ウェ・・・、月の民、ポーラ王朝2代目筆頭守備魔導隊士、サラ。月が天に輝く限り何度でも甦り月の民を守り続ける。」
すでに倒したもの達も死んではいない。こちらにやってきている。女神だけはとどめを指したので復活に時間がかかっている。
それでも一対一の戦いに水を差すほど野暮ではあるまい。
私は所詮ピエロ。女神は自らの師である怒りを忘れさせないものにとらわれた後、三女神の1人マナに救出されたという。カティアとエリーは仲がよくマナはそうでもなかったが、必死で頼みこみ、ミザエル様をすくう方法で怒りを忘れさせないものを退治した。女神様は三女神の派閥に入っている。我々か必死で権威を貶めようとした三女神の軍門に下っていたのだ。
それだけならまだ良い。それを隠し続けることで私は心が負けを認めている。女神も三女神もそれを訂正しようともしなかった。
そして女神教最大の敵大悪女サラは女神とは友人どうしである。そのサラが私と1人で戦う事を選んだ。私は彼女を見据える。
「私は、女神教初代教皇、女神の代弁者。大錬金術師ルカ。偽の聖杯は破壊させていただく。」
そう答えた。
サラにより2人の周りに結界が張られる。世界へ被害を出さないためだ。
大魔道具師ハンナによりかなりの威力の魔法でも世界は耐えられるようになった。
これは古来の戦い方。私はサラを見つめる。もう誰も手を出せないはずだった。
「ぶつぶつぶつぶつぶつぶつ」
何者かが結界を破り入ってくる。
何かぶつぶつと言っている。純精霊語だ。人間に分かるように改変されたものでない精霊語は純精霊語と呼ばれる。一瞬事に意味が変わる。いや世界のすべての要素により意味が変わり続け、言葉自体に巨大な呪いが込められている。精霊だけが本能で使える言語は どれだけ優秀な精霊術師であっても人間には使えない。
純精霊語を話せるものなど1人しかいない。
カトリーナ1世のスピアータックルがサラを吹き飛ばしていた。




