月の民①
某年某月某日
和音の破壊を目指す者はそこまで迫っている。
女神教の教祖ルカは新たに出来た名も無き大魔境を進む。女神により最初に魔法使いに変えられた者だ。
大魔境が閉じる折、外の世界を選んだ人間はいくつかの派閥がある。
想像以上の実力差に帰りたがる者が多いが、帰りには大魔境を越えねばならない。呪いを無効化して渡る事は一度しか許されず、その権利を行きに使用してしまっている。
また、大魔境自体口を閉じてしまっているため、2次魔法到達者かそれに匹敵する者に開けてもらう必要がある。そうなると
大魔境の突破もごく限られたものしか出来ず、
2次魔法者の数は少ない。
三女神の派閥の者は少数精鋭であり、問題なく元の世界に行き来出来る。
1次魔法到達者の覚えもめでたく、手出し禁止を周知されているものを多数抱えているため、こちらの世界でも隠れ住まなくて良い。
三女神派閥の者に聞けば実際にはそんなあまいもんじゃないというだろうが、ルカは知っている。そう信じて、非難する事が意見を通す武器になるのだ。少なくとも自分達よりは境遇がよい。彼にとってはそれで十分なのだ。
私が聖杯となった少女、和音を破壊しようとしても、
三女神、タリア、エリク、ハンナ、ケイン、シオン、カトリーナ1世、彼らとその親族は手を出さない。1次魔法到達者とのつながりが強すぎて迂闊に動けば人類が滅ぶ。
大魔境では最初の刺客が立ちはだかる。
「あなたには悪い事をしたと思っている、でもここであなたをとめる」
最終決戦1人目は我らが女神様だ、三女神はその功績から皆にそう言われただけの人間である事は周知の事実であるがこちらの女神は本当に分からない。
誰が女神と呼び出したのかも分からない。
「ミザエル様私は感謝しておりますよ」
そう言って彼女との戦いを始める。彼女の名をしる者はほとんどいない。私は女神教の教祖となったあと女神の事を徹底的に調べた。世界にただ1人の天使と人とのハーフ。そして彼女の師は最強の精霊。こちらも世界にただ1人、1次魔法に達した精霊である怒りを忘れさせない者。精霊の魔法の格には.5がつくはずだがそれもつかない。天使の世界に戦争を仕掛け、13桁に登る天使を殺害し最後には最強の天使長カティアに殺された。
完全に不死身の存在である1次魔法到達者で唯一の死者、2次魔法に達した時点で本来不死身であり殺された13桁に登る天使は全員復活しているが精霊は復活しなかった。
数百の攻防の末私の魔法が女神を捕らえる。弓矢もはたき落とし、終始こちらが有利に戦えている。
最後には私を恐ろしいでも見るようにみていた。
私は女神を見下す。
魔法使いは真面目に修行すれば30年程度で成長に限界を迎える。
自分が負けるわけが無いと思っていたのだろう。
どうせあとで復活するだろうが私は彼女にとどめを刺した。
私は怒りを忘れさせない者の肉体を食わされ魔法に開眼した。
彼がカティアに負けたあと、復活するために自らの肉体を仕込んだ人間を300人用意した。死んだ後乗っ取るのだ。
負けた場合復活に時間を要するのを避けたいと思ったのか、別の目的があったのかは分からない。
彼が復活出来ない死を与えられたため私は乗っ取られることは無かった。カティアのおかげと言ってよい。
私のためというより。皆の為かミザエルの為かのどちらかだろう。
肉体の破片から力を分け与えられる、2次魔法に達したという嘘を権威づけるためにつき続けた惨めな私が1次魔法者の力を手に入れたのだ。
そして今女神をも倒す。力がようやく体に馴染んだ。
全能感につつまれている。
その後に現れたサシェ、ブランドン、由希菜、コーネリアス 皆私の敵ではなかった。
後少しで大魔境をぬける。
キムンカムイ、サラ、ポーラ の3人が立ちはだかる。帝国崩壊の内戦の英雄達。
私より遥か格上の存在だったはずの三人が脅威に感じられない。
そもそもこの結界はサラが作ったもので私はそれを今まで発見できなかった。力を手に入れれば一目で見つけられる。
私は強く成りすぎたようだ。




