魔術師と錬金術師は仲が悪い。⑧
ウェンディは我々と目を合わせずに口笛を吹いている。
口笛を吹いているから目を合わせない事もしょうがないと主張している。
数百年前の探検家の書、そこには度々大悪女サラが登場する。ケロちゃんと皆に呼ばれる謎の人物。
うそのような体験には歴史上の大人物が複数登場する。3大救世主、初代カトリーナ女王、私の敬愛するエリー様、そしてカタキ役として登場する大悪女サラ、カタキ役でありながらいつも今日のように影から人々の手助けをしてくれる。大悪女サラを親しみ深く書かれるこの本は3大救世主のハンナの後ろ盾がなければ魔術師協会により禁書にされていただろう。そのサラの偽名がウェンディだった。今。由紀菜嬢は本が好きな少女だと聞いている、錬金術師を名乗る一派だ。錬金術師よりのその本は当然好きだろう。
「私はウェンディ。何を言ってるのかしら?」本に出てくる、定番のセリフだ!
彼女は我々に魔法をかける。鬼の1種にしか見えない。
私は彼女にきかなければならない。人類の危機はわれわれだけではないのだろう。
「あちらの世界も大変なのですね?」上位者の世界の者がこちらに来た。伝え聞く話と大きく違っている。向こうの世界のものは人族に危害を加えなくなったと聞いていた。それが崩れ出しているのだろう。理想郷は崩れてしまった。かつて3女神といわれた人の知己であり、上位者の世界でもうかつに手を出されないはずの大悪女サラまで狙われる。こちら以上の地獄になっているのではないのだろうか。




