魔術師と錬金術師は仲が悪い。⑦
某年某月某日
4人で雨を森で避ける者を見ている。子供たち二人もじっと精霊を見つめる。精霊は人の姿を取っていないのに同じようにこちらを見つめていることが分かった。青い精霊で危険なものはだます者などごく一部。
これは油断ではない。魔法使いの実力差は簡単に開く。魔法使いどうしが戦えば大抵は何もできずに負けるか、何もさせずに勝つかだ。ただ相手が私よりずっと強力だっただけ。ハドソン氏はとっさにサシャと由紀菜に覆いかぶさりかばっていた。意味があるかないかはわからない。それでもとっさに行った行動だ。
すぐには何も起きないハドソン氏はとりあえず二人をはなし周りを警戒する。向こうも様子を見ているのだろうか。
結局魔術師の戦いなど、自分より強いものと会うか合わないかであり、子供たちのように、近い実力の者と会うなど得難い縁なのだ。
「師匠・・・」サシャは不安げに私を見上あげる。強力な結界に閉じ込められている。魔法使いの攻撃は普通に使えば世界を壊してしまう。だからまず結界に閉じ込める。精霊のやったことではない。
その魔法は我々をねらったものではなかった。
そこからは私にはわからない。何者かが戦っている。それしかわからない。私には気づくこともできない魔法の応酬だ。一発だけ魔法に気づくことができる。魔法の直撃し体が消滅した女性の足だけが見つかる。
先ほどの戦いを見ていなかったとして、足だけでわかる、最強の魔術師。その魔術師が死んだ。
きっと私たちを影から守っていたのだろう。その魔術師が死んだ。




