魔術師と錬金術師は仲が悪い。④
新人類
鬼と呼ばれる種族、さらに昔には鬼とは人食い鬼のみをさしていたが、今はかつて地獄に住んでいた住民すべてをさすようになり、我々旧人類はごく限られた地域に追いやられた。
新人類からの使者は我々の10の国の王に語り掛ける。
「我々は決してあなた方と敵対したいと思っているわけではないのです。大悪女サラ、ブランドン、和音、この3名を探すため、あなた方の住む地域を探索させていただきたいたい。
年に1度の儀式だ。我々が彼らに反抗の意志のないことの確認。10の国、10の王など関係ない。呼びつけられれば、王は赴かねばならない。
1か月の間1万体の鬼が我々の地域に住む。鬼も無茶はしない。本当に彼らを見つけて危害を加えようとすると、尋常でない被害を受ける、また今は世界が閉じてしまったがそんなものは関係なくこちらに来れる者は人類にもいる。彼らはそれを気にしているため、あまりに無体な行動には出ない。
「私は人を捨てた身、人類に大きな興味はない。鬼にも」たった一度大悪女サラはそう言って、ただ剣を持ち鬼たちの前に立っただけだった。それ以降鬼の攻撃は10日間やみ、いまは、虐殺から抑圧へと変化した。こちらの世界、すでに彼女の血筋、月の民は滅んでいる。鬼ではない、我々が滅ぼした。
鬼は我々を滅ぼすことはやめた、使者を理由をつけて住まわすだけ、それでも我々旧人類より圧倒的に大きく強いもの住むだけでも威圧感がある。多少の横暴は認めねばならない。
10の国はそれぞれ500人の新人類を受け入れる。
王のいない属州群に5000人の新人類を押し付ける。数だけの問題ではない。
王がいない土地では彼らを多少なりともいさめるものはいない。
王がいないということはそういう事だ。
私は決めなければならない、若い弟子がいる。属州にとどまるか、緩衝地域に移るか、緩衝地域では日常的に危険だが、鬼への戦いが許される。属州にいる限り使者に手をだせば再度の戦争がはじまりかねない。大切な弟子サシャを見つめる。
一つのうわさ、知らぬものはなく、信じる者は多い。
使者は優秀な魔術師の芽を摘みに来ている。第2のサラ、第2の和音の誕生をおそれている。
それでも、まだここにとどまるほうが安全のはずそうは思っても迷いは消えない。




