魔術師と錬金術師は仲が悪い。
かつて魔術師と並ぶ存在として錬金術師という者がいたという。
古く幼い考え方だろう。錬金術は魔術の一分野にすぎない。魔術師の中に一部そういう術を使うグループがいた。そもそも優秀な魔術師であれば、自分より下位の魔術師の魔術など、一目見ただけで、いや、それさえせずに、それも片手間で模倣できる。趣味の領域だろう。魔術者は何でも作れる。
「大勇者エリーは?錬金狂エリクは?どちらも世界に大きな影響を与えた人物ですよ」
私の弟子の1人サシャはそう尋ねる。そのほかにも錬金術師シオンなどと呼ばれるものも有名だが、世になを残した者も少なくい。
「大勇者エリーは1000年以上も前の人物だ。訳し方の問題だろう。錬金狂エリクは彼が重要な戦闘で錬金術を使ったという記録は一切ない。そもそも私が言っているのは、錬金術師と自称するものは魔術師がそう言っているというだけのことであり、錬金術師は魔術師に内包されるという事だ。これは錬金狂エリクも当時からよく言っていた言葉だ。サシャ、君が錬金術を学ぶことは止めはしない。けれど、それは魔術の一分野として学ぶべきだ。」と私は伝える。サシャは不満げな顔をしている。とても大切な弟子だ。若者は一見派手に見え、ひょうひょうとした生き様を持つ、錬金術師にあこがれ道を踏み外す。
彼女にはその道を歩ませたくない。魔法学園の錬金術クラスには変わり者が集まる。学園に上がるまでには魔術師のすばらしさを伝えることは師の使命だとされているのだ。
「由紀菜ちゃんって子が錬金術師で、すごいんですよ」という。魔術師は増えたが錬金術師は増えない。その子事は知ってはいる。。サシャの話をさらに聞くが、魔術を錬金術といっているだけのよくいる自称錬金術師。師のいない魔術師という事は知っていた。魔術師は大昔程は特権扱いを受けられないが、それでも学園に入れば裕福な暮らしが待っている。今はまだまともな師をつけられない魔術師だ。サシャの友人であれば私が出として引き受けることはやぶさかではない。学園に入るまでに立派な魔術師に育て上げればいい。
「今からでもその子を連れてきなさい。私の弟子にしよう、優秀な魔術師の卵だ、私になんの異論もない。」そう提案する。
サシャは「彼女錬金術師の師匠がいるそうです。」といった。




